170.タヌキが昔からのテリトリーを人間から取り戻すべく奮闘するという題材自体,調理次第ではおいしくなったはずである。なのに,この抹香臭い内容はどうしたものか。そもそもタヌキ如きに人間様がコロコロ化かされたり,ましてや殺されたりと,もはややりたい放題なのがいけない。観ているうちに微笑ましいどころか,だんだん腹が立ってきたのは私一人だけではないはずだ。怪談・奇譚の類は百鬼夜行のシーンを見ればわかるように,絵空事としてしか受け入れられていない。そのことに気づかないタヌキ達が哀れではあるが,かといって共感は湧いてこない。環境保全も大事だ。だがそれ以前に人間も生きるのに大変なのである。そういう部分も描いてほしかった。このままでは何だかアンフェアな気分になって,不満だけが残る。「火垂るの墓」でケチョンケチョンに酷評した罪滅ぼしと思って観たのだが,藪蛇になってしまった。1点。ときに高畑さん,もう映画づくりとはすっぱり縁を切って,砂漠に植物を植えるようなエコロジー事業に情熱を傾注してはどうですか。あなたの生真面目さと文明批判の姿勢は,そういうところで絶対活用できる。嫌味や皮肉ではなく,本当にそう思うよ。 【Roxy】さん [ビデオ(字幕)] 1点(2005-11-07 15:59:00) (良:2票) |
169.「たぬき」という自然の代表者の視点による文明批判や環境破壊という問題提起の仕方があまりにも安易。文明の恩恵があるからこそ、エアコンの効いた部屋でアニメも作っていられるという事実を、監督さんはどうお考えなのでしょう?自己満足的な文明批判は簡単だけど、文明の恩恵を無視した代案無き批判など、それこそ無意味だと思います。 【FSS】さん 3点(2003-10-14 10:19:59) (良:2票) |
168.子供の為のアニメ映画じゃ無いわな。なんつーか、このアイロニーを嗅ぎ別けることが出来ないと、単純にお説教だと感じてしまうものなぁ。各氏の様な批評を浴びることを、百も承知で創ったんでしょう。不可逆で重いテーマと、勝手なヒューマニズムの板挟みを自ら感じながら、その矛盾を捨てずに描いた高畑氏の勇気は素晴らしいと思う。舞台は、高畑・宮崎の両氏が若き日に通い詰めた会社の在る場所。開発の一部始終を眺め、様々な葛藤や疑問を抱え、一介のサラリーマンでしかない無力な自分を、不甲斐無くも思ったでしょうなぁ。ラスト近くの「僕たちの森を返せ!」と言う叫びは、本気で切なかった。最後は幸せいっぱい夢いっぱい、且つグダグダ、のジブリ一連の作品よりも、優れていると思う。 【ぽろぽろ】さん 8点(2003-06-28 05:15:01) (良:2票) |
167.《ネタバレ》 正直、説教臭さとか説明臭さとか、嫌いじゃ無い。と言うかむしろ好き。ナウシカのように美少女が生物や環境を護る説法や、物の怪のように旧世界の叡智や驚異を尊重する話、千と千尋のように礼や職業の大切さを気付かせようとする話、こう言う物をアニメで見せられてさえ説教臭いと切り捨ててしまう方が違和感を感じる。現実に即した主題であればそのような方向に収束するのは当然、というかそう収束しなければ落としにくい。 平成狸合戦ぽんぽこの場合はどうだろうか。バブルを反省するかのような出来事に、狸たちが立ち向かう。何かの団体を狸に置き換えた所にソフトさを見て取れるが、実際はいったん人間で作ったプロットを一つ一つ狸に置き換えて再構築したようなリアリティが匂う。 主人公である狸たちにどうしても観客は感情移入しなければと思うが、彼らの性急で頑なな考えには賛同しかねてしまうところが本当の言いたいところだったのだろう。 そうするとどうだろう。 せっかくジブリが制作したアニメが、狸の皮を被って思想劇を始めてしまう。フォーマットは至って子供向けなのだが、そのままの形で重厚な異質を描いてしまう事が大人にも子供にも、説教好きにもそうでない人にも白々しい空気を吸わせてしまったのでは無いか。 簡単に言えば、ジブリのスタッフを使った時事ネタで実験した程度の話だろうか。当事者は使命感に燃えてやったのだろうけど、アニメ映画の役割がそう言う物だろうかと考えるとどうしても、 「それは子供向けアニメで主張する類のテーマじゃ無い」 と言いたくなる、本当はそうでなくても。だけれど大きな違和感がそう言いたくさせる。組み合わせて良いものとそうで無い物の境界線を越えているからなんだろう。 その内再評価されるかもしれないが、当分先だと思う。 【黒猫クック】さん [ビデオ(邦画)] 6点(2012-12-06 15:48:55) (良:1票) |
166.《ネタバレ》 ここでの評価はあまり高くないようですが、すばらしく切ない良作だと思います。メッセージが強すぎるのが毛嫌いされる原因なのでしょうか。 のんきで食いしん坊でお祭り好きで熱しやすく冷めやすい、そんなタヌキたちだからこそギリギリのところでエンターテイメントに仕上がっているのですが、内容としては救いようのない、絶望的な物語ですね。ラストも一応決着はついていますが根本的にタヌキが救われたとは言いがたいですし。 だって、タヌキが化け学を駆使して工事現場のトラックを見事にクラッシュ!見ている方が「やったぁ!!」と喜んだら、次のシーンではニュースで『工事現場で死亡事故』ですよ。シニカルすぎる。大人向けなのかもしれません。 「双子の星作戦(でしたっけ?)」で、老人が「ザシキワラシじゃ~!!」と震えて平伏すシーン。あれが自然に対する、本来の日本人の姿だったのでしょう。それと対照的なのが「妖怪大作戦(でしたっけ?)」でオバケを見た若い夫婦や子どもたちが喜ぶシーン。 この辺のメッセージも、現代っ子には感じ取ってほしいです(・・・って、俺も現代っ子ですが)。 「ウキウキドキドキワクワク」だけをジブリにもとめてはいけません。 【またたび】さん [地上波(字幕)] 8点(2007-03-22 22:38:24) (良:1票) |
165.だいたい分かってきた。火垂るの墓で思考停止させようとした監督氏、 今度は自然破壊で思考停止させようとしております。右か左かで言えばもちろん極左。 そのへんは断然宮崎さん派。比べるべき人がいたので出してみたけど、 たぬきの毛皮を着るなってって、裸で繰り出すようなまねをしております。 もうそろそろそんなんじゃ人の心は動かない。敵側、人間側だって「生きている」ことをちゃんと示さなきゃ。 時にそちら側に引き込まれてしまう事があっても。そこが宮崎氏の好きなところなんだけど、 結局どうしようもなかった、全部なくなってしまったけど芽がひとつ・・・という書き方は絶対できそうにない。まあそれも人間の勝手かもしれないし都合のいいことではあるが、 とりあえず純真なお子様に見せるべきか否かでみると、どうですかね。 久しぶりに極左の人間嫌いを見てちょっとげんなりしました。そこをどうにかすればもっと面白そうなんだけど・・・ |
164.きつねの顔がいかにも狐っ!て感じが面白くて納得した。なんかエロそう………。 【西川家】さん 5点(2003-12-04 17:48:25) (笑:1票) |
163.必要以上の事は、先の意見にあるので敢えて言わぬが、簡単な話、説得力の無い無意味な努力。簡潔に言えば、それは例えばドロボーに「盗むのは良くない事」と言われるほど説得力が無い。物事の諦観は自己認識で充分。現代の子供たち(勿論大人にも)に、未来への希望としてを強いメッセージを残したいという意味付けはわかる。…が、最近のジブリ映画に共通して言える、環境問題(文明批判を含)として、実質描ききれない曖昧で押し付けがましいテーマ性。こんなものを観るぐらいなら、国営放送のドキュメンタリー番組を視る方が余程マシと言うもの。言ってはなんだが、タヌキからは教えてもらわなくても充分に分かっていますし、「自然を大切に」と言っている本人(ジブリ)が都会のど真ん中に生活し、文明の煽りを乞うのはいかがなものか。何もない壁に「落書きはしないで下さい」と注意書きをしたところで、壁が綺麗になる事はない。 【_】さん 2点(2003-06-28 22:35:24) (良:1票) |
162.どうしたぁー?!ジブリ、体の調子でも悪かったのかー?お前の実力ってこんなもんじゃねえだろー?やっつけかー?やっつけ仕事か?世界チャンピオンの意地を見せてくれぇー、 【もりしげひさや】さん 1点(2003-06-03 04:50:03) (笑:1票) |
161.はじめて見たときはラストの過酷さに胸が軋みました。<当時、確か小学生>その時は脳みそも小さかったので、最後の言葉も理解できませんでした。。。でも今ならわかります。ぽんぽこはきっと自然開発良くないうんたらかんたら。。。だけじゃなくて。。。言いにくいんですがラストのうた<この歌すっごく好きなんです!>みたいなメッセージもあるんだと思います、あくまでこれは私の感想なんですが、みんな一生懸命生きてるんだ、だから一緒にがんばろうみたいな。。。。たとえ生きてるばしょは違っても。高畑監督の作品や宮崎監督の作品は子供の頃に見ても、大人になってから見ても楽しめますね!子供の頃に見えなったものが大きくなって見えるようになるから<ちなみに私は高校生です>ぽんぽこも色んなものが見えてきて色んな発見」がありました!何回でも見たい作品です。<単に私の脳が小さいだけなのでしょうか。。。>コメント以上です。 【桃の宮うさこ】さん 10点(2002-06-22 17:38:08) (良:1票) |
|
160.どうも高畑勲監督の作品は好きになれない。こんなことを思っているのは自分だけだろうか?「火垂るの墓」「おもいでぽろぽろ」は結構良いと思った。しかし本作は何だろう?テーマは東京にも狸はいて一生懸命生きているって。そこまでは良い。しかしそれ以降のくどい自然保護を訴える展開にはウンザリした。そんなことをアニメ監督に言われなくても、自然が大事なのは良く分かっている。狸の目から人間界を批判するのだが、結局ここでやっていることはテロ行為の何ものでもない。その理由を本作では、人間と言う生き物が敵だからと訴える。狸の生息する場所が無くなったのは誰の責任か? あるTV番組のプロモーションで、小さな子供がこの映画を見た感想を聞かれたときその返答に困っていた。ただ「たぬきが可愛そう・・・」だって。“可愛そうな狸の責任”は、こんな小さな子供にもあると言いたいのだろうか? その背景には、公共事業の名を借りて行われる無益な開発にもあるのでは?そう言った深層部分まで踏み込まず、ただ製作者側のエゴイズムで作られたお陰で、この作品の登場が反対に狸を悪役にしてしまった気がした。更に本作では古典落語家を声優に使い、重たかったはずのテーマをオチャらけさしてしまってもいる。高畑氏は宮崎監督と旧友で、かつて学生運動にも参加したことを自慢している。思想家なのは良い。いつまでも信念を貫くのも良いが、どうもこの監督の“時代錯誤”には呆れてしまう。 【☆】さん 6点(2001-02-05 06:13:01) (良:1票) |
159.- [x] この作品は多摩丘陵のお話ですがタヌキは結構適応力があって東京二十三区内どころか山手線の中でも皇居、新宿御苑、明治神宮、護国寺、増上寺などタヌキがいそうな場所を多く思い浮かべることができます。ぞのタヌキたちがどうやって食べているかというとやはり夜な夜な森林地域から出てレストランの残飯を漁ったり残飯を漁るネズミを捕食したりして結構栄養バランスの良い食生活を送っているのではないかと思われます。ただキツネと違って脅かされると気絶したりマヌケな仕草や生態があるらしくそれだけ親しみを感じさせます。作品中のタヌキたちは人間のように直立して環境保全の策を練っている時にはイラストが巧みな人が一筆書きで描くような単純な線でユーモラスに描かれていますが、四国のタヌキたちが戦列に加わってから一目で水木しげるさんの筆だとわかるゴージャスと言いたいほどの精緻な化け物や妖怪がオンパレードで、もしも東京に生息しているタヌキたちが訳が分かって水木しげるさんのイラストを見たらさぞ面映いことだろうと思います。タヌキによる環境保全という主張はありますがタヌキの方がキツネよりもずっと適応力があるのではないかと思わせ、わたしたちをある意味なごませてくれると思います。 【かわまり】さん [DVD(邦画)] 8点(2020-04-12 08:55:55) |
158.小学生の娘と一緒に鑑賞。娘は、すごく面白かったと言っていたし、確かに笑ったりしながら最後までしっかり集中して観ていた。しかし私は、昔一度見たはずなのに、妖怪大作戦以降の展開をほとんど覚えていなかったことに我ながらびっくり。この歳で見れば、メッセージ性や、古典、名画からの引用、下ネタなど、様々なことが分かるし、丁寧に作られた作品であることはよくわかるが、バランスが悪いというか、特に後半とてもダレてしまっていると思った。おそらく前回観たとき後半ウトウトしてしまっていたんだろうが、今回もまたウトウトしかけたところ、娘に起こされるような有様であった。だからと言って、駄作かと言われると、そうではないと言いたくなるのは、ジブリブランドの力ゆえか、何か説明できない魅力をどこかで感じているからなのか、うーん、うまく説明できませんが。 【すらりん】さん [地上波(邦画)] 4点(2019-06-02 15:37:20) |
157.《ネタバレ》 僕の中で催眠作用の高い作品、途中で落ちてしまって、最後まで観るのに5回ぐらいかかっています。何回も落ちてしまうので僕には合っていないのだろうと思います。説教くささが気にかかりそうな感じですけどそれ以前でしたね。 【ないとれいん】さん [ビデオ(邦画)] 4点(2019-03-20 10:09:59) |
156.《ネタバレ》 いろいろ考えさせられる作品でした。 いわゆる人間の無自覚ぶりになんだかなぁ。と。 すぐうれしくなって宴、見事な妖怪大作戦、タヌキの世界も悪くないなと思いつつ、いつでも好きなときに『天ぷら』を食べられる人間の生活も捨てがたい。ストレスフルだけどね。 それならお互いの生活を守るためバランスとって、共存しようぜ。ってことですよね。 この手のテーマをこの温度で描く力量は、流石、高畑勲監督ですね。 【ろにまさ】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2018-12-15 05:23:32) |
【へまち】さん [地上波(邦画)] 5点(2018-01-28 13:08:33) |
154.監督の意図が良くわかる、良い作品と思います。 【cogito】さん [DVD(邦画)] 6点(2015-10-24 20:06:59) |
153.タヌキから人間を見た視点だった。楽しめた。 【ホットチョコレート】さん [地上波(邦画)] 6点(2015-08-31 06:21:54) |
152.どっこい生きて、あっけなく死ぬ。人間もそんなもんです。人間が一番の有害動物ですよね。なんでも(この映画作りだって)ビジネスが絡み、負の連鎖が人類を発展させダメにしていく。今後は人間もこのタヌキ達のように住処を奪われる事になるでしょう。自らこの惑星にやってきた公害や開発などによって、、、。なんて事を考えてしまったエンディングでした。 【movie海馬】さん [地上波(邦画)] 4点(2015-08-29 17:36:42) |
151.人をだます動物といえば狐か狸、ずるがしこいイメージの狐に対して狸の方はちょっと間が抜けているというか化かし方にも愛嬌が感じられるものだ。そういう狸の世界を日本各地に残る言い伝えや昔話、童謡、宮沢賢治の詩を加え、余すとこなく描いている。大変おもしろいといえばおもしろいのだが、滅び行く動物に哀悼を表しつつもこの映画の結末には違和感を感じた。 【ESPERANZA】さん [DVD(邦画)] 7点(2015-04-04 08:35:03) |