7.《ネタバレ》 久しぶりに良いラブコメを見ました。笑えるし泣ける。そして終盤では切ない気持ちに浸れる。まさかこんなティーン向けのコテコテなラブコメで涙腺がゆるんでしまうとは。
ストーリーは古臭さを感じさせるかもしれません。ですが昭和生まれの自分にとっては、この古臭さがストライク。
この作品では、タッドが悪役として描かれないのが良いですね。
タッドがただの女垂らしであれば、『ざまーみろ』の一言でおわり。
ですがタッドが何気に良い人なんですよ。ただのチャラ俳優ではありません。タッドなりにロザリーとのことを真剣に考えています。
だからロザリーが、タッドではなく結局ピートを選んでしまうラストに、B級作品とは思えない説得力が生まれます。
また、良い作品というのは、主役級の人たちだけではなく、その脇を固める人たちにも魅力があります。
この作品でも、『父親』『バーテンダーの姐さん』『ロザリーの親友』など、個性溢れる人たちがたくさん出てきます。
ただのあっぱっぱーな人もいれば、さりげない優しさを見せるひともいる。
そのバランスが極めて上手く、コメディタッチながらも穏やかな優しさにつつまれた作品へと仕上がっています。
ロザリーの父親の台詞は良かったですねー。
『タッドが来てから、街中がそわそわしている。いつもなら娘が誰を選ぶかはわかる。でも今は〝いつも〟とは違う。』
人を慰める名台詞だと思います。
劇中劇もしらけることが多いのですが、この作品での使い方は実に上手いです。
特に、冒頭の映画シーンと、クライマックスのリンクのさせかたは、ありがちだけど見事!