206.《ネタバレ》 「鑑賞環境」を「試写会」としたのは、この映画を最初に見たのが、毎日新聞の試写会だったから。
姉が試写の応募が大好きで、「アンタもはがき出したら?」で初めて出して当たったのがこの映画。
中学1年の9月頃かな。私は7月に転校して友人が少なかった。
クラスの学級委員長(同性の男子ね)を誘ったら二つ返事で来てくれた。
先週ネットで久しぶりに鑑賞 なぜならその誘った委員長が昨年亡くなったと、他の友人から聞いたから。
いわゆる「洋画」を映画館環境で見るのも初めて ゴジラとか東映漫画祭りくらいの経験しかない中学生が、いきなり毎日新聞会館で試写会。周りはオトナだらけに見えた。
字幕を読む習慣も無いので最初は戸惑った。が、リーの圧倒的な肉体の躍動に、最後は興奮して、槍に貫かれたハンを見て声を上げてしまったことを思い出す。
終ったあと、「アチャー」と小声を出しつつ友人と笑いながら帰った。それ以降彼とは親友となった。
12月に新聞で封切りが伝えられた時、私と彼がクラスのみんなに「映画解説」をして友人に吹きまくった。
うるさくしていたので先生から「お前は浜村淳か」と突っ込まれたのを思い出す。
映画は空前の大ヒット 流行るに釣れ「最初に見た人」の希少価値も薄れたが、彼は「委員長が推薦する映画やから」と女子とのデートに成功していたらしい。
今、見返せば、いくらでもあるストーリー 復讐劇&悪役退治なんだが、近代武器を使わず、己の肉体だけで対決して行くリーの姿は、人間の根幹はこれだと思わせますね。
やはり肉体 それを存分に披露しつつ人を楽しませるのはやはり天才のなせる技でしょうね。
この後凡百のカンフー映画が日本でも世界でも公開されますが、「シャシン」としての筋も絵も一流と思います。
ブルースが以前にも香港で映画を撮影しています 香港映画のルールから見て、アメリカナイズした脚本は評価が分かれる事でしょうけど、
「世界に向けた、最初のカンフーアクション映画」と言う称号は永遠にこの映画の物でしょう。
地下の秘密工場にロープで降りるときの「足ピン」 キャンプで真似したけどできなかったなぁ
天下一武道会 的なシーンが出てくる、映画やアニメでは 悪役オハラがどこにいるか探す自分が居ます。
妹が自害した理由を父が話したがらなかったのは、やはり「香港」だから 強くて権力を持つやつら(英国)に「占拠」されてきたからと言う、暗喩なんでしょうね。
映画の主人公は何をしている人かは、皆目不明だけど、カンフーは師匠クラスのようです。
悪の組織を壊滅させ、かつ妹の敵を、自らの肉体で取る。そこがミソですねこの映画の。
このあたり「抑圧された人々が立ち上がる」という一種の革命映画でもあるわけで、米国でも、中南米からの移民街、黒人街や、東欧諸国でこの映画が爆発的な人気が有った事の意味が在りそうです。
音楽もこの映画のヒットに拍車を掛けました。ラロ・シフリンの少しオリエンタルなスコアが実にぴったりです。
スパイ大作戦のテーマとこの映画とで、儲かったのかなぁ