15.99歳の新藤兼人監督が最後と決めて世に送り出した映画は戦争への憎悪に満ちたものだった。この国では夏になると各局こぞって反戦ドラマを作るのが風物詩だが、この作品はその手のドラマと同じようなものだと思う。ただ、一つ違う点があるとすれば監督が戦争体験者だという事。戦争体験を語れる人が少なくなってきた今日の日本にあって、その数少ない一人である新藤監督が後世へ残した最後のメッセージ、しかと受け取りました。先に書いたとおり、同類の映画や2時間ドラマと比べて特別何かが優れているとは思わないため、点はこの程度に。最後に、日本の俳優には絶望したよっ! 【リーム555】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2012-04-23 18:10:02) (良:1票) |
14.物語として面白いとは思いませんが、このような反戦映画はこれからも作り続けられる必要があるのでしょうね。 【次郎丸三郎】さん [DVD(吹替)] 4点(2023-04-02 15:33:59) |
13.《ネタバレ》 豊川悦司と大杉漣の殴り合いのシーンは、茶番過ぎて笑ってしまった。 【もんでんどん】さん [地上波(邦画)] 5点(2017-08-18 13:31:18) |
12.《ネタバレ》 恥ずかしながら新藤兼人監督の作品はほとんど観たことが無い。脚本作は何本か観たのだが。 森川定造の妻・友子は戦争で多くのものを失う。まず夫を失い、その後その弟に嫁ぐがそれも失い、そしてその父と母も息子を失った失意の中でこの世を去ってしまうという絵に描いたような悲劇。その夫を戦地に行かせたのはクジ引きである。定造本人ではなく上官が引いたクジでだ。だがそのクジで戦地に行かずに済んだ者もいる。松山啓太はクジで生き残るが帰還してみれば妻は父親と関係をもって家からはとんずらしている始末。 といったように徹底して戦争による不条理を描いている。ここまで不条理だと悲劇すら喜劇に見えてきてまさに紙一重だ。その不条理に翻弄される人々を役者たちが冒険的な演技で演じる。まるで舞台を観ているかのようにその演技は大げさで声を張り上げるようなものだ。特に大竹しのぶはさすがの怪演。もっと若手女優でも良さそうな役だがこの演技力が必要だったのだろう。 しかし、この作品を観終わった後の印象はそんなに暗いものではない。どちらかというと人間のたくましさや力強さを感じられる。一人になった友子に言い寄る男は妻子もいるのにどうしようもない奴だが、友子が松山とブラジルに行くと決まれば祝いの席を設け「あんたが本当に好きやった」と感情を吐き出す。その姿をぐちゃぐちゃだが可愛いと思ってしまう。戦争を起こすのももちろん人間だが愛すべき姿もきちんと描かれていて監督はきっと人間を見つめ続けてきた人なのだろうと思う。 ともかく100歳まで生きた監督が晩年まで創作意欲が尽きなかったことが素晴らしい。人間の持つエネルギーを体現してますね。 【⑨】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2015-02-13 02:35:27) |
11.《ネタバレ》 この設定で主演が大竹しのぶって、もうその時点でありえないでしょ、80年代ならともかく・・・。演出も脚本も随所で中途半端で、見るべきところがありませんでした。あえていえば、最後に一気に家が崩壊して麦畑に生まれ変わる強引さくらいか。 【Olias】さん [CS・衛星(邦画)] 2点(2015-01-31 02:51:21) |
10.《ネタバレ》 他の方も言われている通り、舞台を見ているような感じの作品でしたね。良くも悪くも、とても素直で直球な作りでした。それはすなわち、戦争がもたらす悲しさ、悲惨さ。その一点。新藤監督の最後の作品となりましたが、彼が映画で伝えたかったものは終始一貫してましたね。翻弄される人たち、特に友子さんにとっては実に痛ましいストーリーとなってるんだけど、でも単に悲しいだけの映画ではなく、ところどころ笑える、ある意味ではコメディのような仕立てにもなってるわけです。それはたぶん、戦争という過酷な経験に比べればそれ以外のことはたいしたことないんだよ、とか、あらゆる生き様において人間はとても愛らしい生き物だよ、とか、生きてさえいれば、必ずいいことあるんだよ、とか、そういうポジティブなメッセージを伝えたかったんだなと思います。友子さん役を演じるには、大竹しのぶではおばちゃんすぎるのでは?という気もするけど、なかなか若い人でこの役を出来る人はいなかったのかも。なんにせよ、新藤さんの遺作として、希望を感じられる結末であったのはとても感慨深いです。 【あろえりーな】さん [地上波(邦画)] 7点(2015-01-14 00:24:22) |
9.なんか舞台のような演技でした。それはそれで問題ないし、ラストの大竹しのぶも怖いくらい迫力あり。この映画の彼女は結構好きです。 【noji】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2014-06-04 23:31:49) |
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8.戦争のバカバカしさを伝えたいという意図は感じるのだが、ちょっと演出が過剰というか、キャストも演技にも疑問が残る。 |
7.「喜劇」と呼ぶのもおこがましい。ただの「お笑い」映画ですね。反戦なんか全然感じられない。「おっさん」と呼ぶにも年を取りすぎた六平直政と、そろそろ更年期?っていう大竹しのぶが、戦争から帰ったら子供を作ろう!なんて、これは笑いをとっているつもりなんだろうか。まあ、大竹の怪演が見られたのでよしとしようか。 【駆けてゆく雲】さん [地上波(邦画)] 3点(2014-02-02 23:21:56) |
6.シリアスか、コミカルかどう捉えて良いか戸惑ったもので入り込めませんでした。年齢設定などにも無理を感じます。ハガキの文面はとてもよかったのですが。 【HRM36】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2014-01-30 10:59:59) |
5.個々人の生活に焦点を当てているものの現実感は何故か薄い。ただし、結構しっかりとした映画。 戦争反対への強い意識が生じる程ではないが、作者がそこを中心にしたかったのかどうかは不明。役者はもうちょっと...という感じ。 【simple】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2014-01-26 22:48:24) |
4.《ネタバレ》 自分的には、新藤兼人監督と言えば「裸の島」だが、「墨東綺譚」みたいな作品まであるから、一筋縄ではいかない。まだまだ観てない作品が多いが、これだけ豊潤な人生を描ける監督も逝ってしまった…。クソ「マジメ」な自分には、観ると頭が柔らかくなり、鑑賞後優しい気持ちになるこんな作品がこれからも創られたらなぁとしみじみ思います。 【トント】さん [映画館(邦画)] 8点(2013-11-12 00:51:42) |
3.久々に近年の映画で良質なものを観れました。さすが新藤監督。映画とはこういうものだ。 【ケンジ】さん [DVD(邦画)] 7点(2012-11-22 21:53:13) |
2.《ネタバレ》 どんな賞に輝いたかではなく、これぞ新藤兼人監督人生100年の集大成と言える映画だ。一切の無駄がなく、粋を集めたような画面やストーリーは、人間を追求してやまなかった男の神髄を見たような気がした。 戦争はいろいろな形で語られるが、これは監督自身が主人公松山啓太同様、くじという幸運に恵まれ帰還できた体験によるものだろう。 戦争は多くの悲劇をもたらした。長男が戦死し、その嫁が次男と結婚し、その次男も戦死する。子どもを戦死させた老夫婦が後を追ったように亡くなる。そういった不幸もあったろう。あるいは夫が戦死したと思っていた妻が他の男と一緒になっていたということもあったろう。この映画はそういった不幸を淡々と物語っている反面、鋭い叫び声を上げ、残された人間が強く生きていく姿も描いている。シンプルな作りと舞台劇のような台詞は、あたかも上質のお芝居を見ているようだったし、満を持して見ただけあって、実に見応えのある映画だった。 【ESPERANZA】さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2012-04-23 06:16:08) |
1.久々に骨のある映画に出会いました。新藤監督といえばあまりにも多くの作品があるのでレビューしにくくて、もしかすると初めてかもしれませんが「人間」を見たときのような感覚が生々しく甦ってきた事だけは確かです。 【白い男】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2012-04-22 22:22:58) |