53.《ネタバレ》 主人公格の髪の毛がボサボサな女、彼女の子ども時代に黒人メイドから「自分を憐れむのはやめなさい。ブサイクは心の中に育つのだ」と言われたシーンに号泣した。血がつながっていませんが紛れもなくボサボサ女と黒人は母と娘の関係を築いていました。それと日本人だって差別する。「俺たちは日本人だ」という民族意識から、中国人や朝鮮人を差別するのだ。他人事のように「アメリカの差別は根深いねぇ」なんてほざいている場合ではないのです。ネトウヨこそクソくらえである。差別の大半は差別していることに気が付かない。これが差別の本質です。仲間が欲しい、連帯感を高めたい、だからAとBを区別する、区別は差別である。もちろん差別しない人間もいる。あのおっぱい女性には感動しました。人間としての弱さを持っており、その弱さが、弱者に対する優しさへと還元されている。彼女は差別しない。「白人にクソを食らわせた黒人メイド」とおっぱい女の会話はどのシーンも笑いながら泣ける。一番大切なことは差別をなくすことではなく、差別をしない人とのつながりを増やしていくことではないでしょうか。おっぱい女の夫が実は良い奴だった。この夫が、「白人にクソを食らわせた黒人メイド」を襲うのかと思ったら実は・・・というシーンはさらに笑い泣きした。抱腹絶倒と号泣が交互に訪れる映画なんて滅多にないぞ。ラストでは「クソを食べた白人女性」から盗人扱いされた黒人メイドがクビにされ、家を出て行こうとするとき「あなたはやさしい子、あなたは賢い子、あなたは大切な子」このセリフでまたもや号泣。血はつながっていない。だが彼女は愛していたのだ。黒人、白人、他人の子供、血のつながり、そんな境界線を意識せずに、真っ向から愛せる人々がいる。差別を扱う作品でありながら、圧倒的に差別しない人々の愛が描かれている。実はそれがこの映画の本質だ。みなさん、これは差別している人が描かれている物語じゃありません。差別しない人が描かれている物語なんです。 【花守湖】さん [DVD(字幕)] 9点(2013-03-20 01:14:05) (良:3票) |
52.《ネタバレ》 差別を描いている映画ですが、基本的にそのタッチは明るく楽しいものなので、映画の内容を特にヘヴィに感じる事なく面白く見られます。ですが、恐ろしいのはそこで。この映画の中では差別をするという行為も明るく楽しい生活の中にごくごく日常の普通のものとして存在している訳です。差別する側には罪悪感とか、そもそも差別をしている意識すら微塵も無く、その状態が普通であり、そこに波風を立てる者こそが異分子であると。明るくカラフルな生活の中になんの曇りもない差別意識が存在する、そういう全く無自覚である罪というのはとても恐ろしいと思うのですね。差別する側から見ればあくまで正義なのですから。象徴的なのは人種差別とは別に、生まれによる差別が描かれていて、コミュニティが作り出す単一的な思考の危うさを通して差別意識が誰にでも生まれる可能性を示唆しています。映画は魅力的な役者達の存在によって単なる社会派映画に留まらず、愛すべき作品世界を作り出しています。特に表情豊かなエマ・ストーン(ちょっと市川実日子似)に引っ張られ、ユーモアとシリアスとの間を自在に駆け巡るオクタヴィア・スペンサーの演技にすっかりやられました。何度も高揚する瞬間が訪れ、だけど決してカタルシスのみでは終わらせず、今に続く問題を見る側の心の中に留まらせる名作でした。 【あにやん🌈】さん [映画館(字幕)] 9点(2012-04-08 22:06:52) (良:3票) |
51.《ネタバレ》 人種差別がテーマとは知らず鑑賞。そうと知っていたら手に取らなかったかもしれないです。苦手なジャンル。評価もしづらい。 で、実際見てみるとなかなかどうして、素直に映画として面白い。重いテーマをライトに描き、コメディタッチに仕上げる手法。映画というエンターテイメントとして成り立っています。 その一方で描かれる多種多様な差別。道徳的価値観を問いかけるエピソード。この映画では、『差別する側』『差別される側』『中間で揺れ動く人々』が描かれています。現代の『いじめ』に構図がそっくりです。『人』はやさしいが『人々』は残酷である、という誰かの名言を思い出します。 そんななか、スキーターやシーリアのような差別意識のない人間がいることに、この映画が人間に込めている希望のようなものが感じられます。ただし辛らつなものの見方をすれば、彼女達、特にシーリアは白人でありながら黒人達と同じ差別される側の人間であり、マイノリティ。差別される理由が違うだけ。こうなると『人種差別』とは『いじめ』を国家レベルで正当化したものであり、本当に恐ろしいなと。これが発展すると戦争、虐殺へとつながっていくわけですね。それが人間の『業』であるならば、それを俯瞰して見ることができる映画という媒体は、『人種差別』『いじめ』『戦争』といったものを少しでも減らしていくことに、少しは役に立っているのかもしれません。 話が横道にそれちゃいましたが、それぞれのクライマックスについて感想を。 ミニーはヒリー夫妻という理想的な雇用主と出会います。スキーターは本を出版し、念願のジャーナリズムの世界へと足を一歩踏み出します。出版された本の印税は、協力者へ分配され、みんながハッピーで幸せな気持ちに。 その一方で、息子二人の学費のため盗みで捕まる家政婦。濡れ衣をきせられてエイビリーンがクビにされて終わるラスト。これを一つのハッピーエンドととらえることもできるかもしれません。ですが私には、希望を描きながらも根深い差別意識を痛感させるほろ苦いラストでしめくくられちゃったことに、なんとなくすっきりしない余韻が残っちゃいました。 【たきたて】さん [ブルーレイ(字幕)] 7点(2019-10-06 17:24:01) (良:2票) |
50.《ネタバレ》 DVDで鑑賞したので、ボーナストラックの未公開シーンを見ることができた。そこで監督が口にしていたのは、作風に合わないからカットした、でした。作風。そうなんですこの映画、他の人種差別映画と違ってトーンが比較的明るいんです。登場人物がほとんど女性ということもあって、暴力的なシーンもなく、差別問題も女性ならではの視点で描かれていて、愛情・嫉妬・家事・育児、見栄に虚栄、そしてユーモアと非常に生活色が強くて、親近感が持てました。好きなシーンもたくさんありました。主人公スキーターがブスって言われて泣いていたのを黒人メイドが、ブスは心がブスな人のこと、て慰めるシーン。執筆の協力を頼まれてエイビリーンが言う台詞、あたしが怖いのは法律よりも人の視線です。牧師が言います、自分の敵を愛せたならそれが勝利です。施設に入れられた大奥様がチャリティーオークションで、ミニーのチョコパイを娘名義で落札したシーン。クビにされて家を出て行く時に、柱の傷、スキーターの成長の印を見るコンスタンティン。そしてラスト、エイビリーンが無実の罪を着せられて、それに反抗したために職を失い去って行くシーン。ここで彼女は言う、自分の敵を愛せなんて難しい、まずは真実を、胸の内を語ることだ、と。隠し事をしてまで無慈悲な愛など出来ない、てことですかね。それはまさシーリア・フットそのものの気がします。私が本作で一番好きな登場人物です。ちょっと頭のネジが緩そうに見えるけれど、心が汚れておらず、差別という言葉自体彼女の辞書には存在していない。だから何でも話す。自分のことを隠さずに、黒人メイドのミニーに。それは主従の関係というよりも、もはや親友のようだ。そんなシーリア・フットのシーンはみんな、お気に入りです。本当にいい映画でした。実話かと勘違いするくらいでした。それ程感動した作品ですが気になったところも。まずオシッコの後、手を洗ってない。向こうじゃ普通なの?それからトイレは嫌がっているのに、子供を抱っこさせてキスさせてたり、口の中に入れる食べ物を作らせたり、その辺りの差別加減が私には少々疑問でした。で主人公と恋人のシーン。いりますかねこれ?別に恋人が主人公を励ますわけでもなく、むしろ逆だったしね。私はいらないと思いました。最後にもう一度、これ、実話じゃないんですよね?驚きです! 監督が男性、ていうのも驚きです!! |
49.うんこが入ってても美味しい物は美味しいんだと 初めて知りました。 むしろ良い隠し味になるんだと分かり感心しました。 【ケンジ】さん [ブルーレイ(字幕)] 8点(2013-04-21 11:41:11) (笑:2票) |
48.アメリカ映画の大きな1つのテーマである南部の地の、特に60年代の人間模様を描いたドラマ。このテーマに取り組んだアメリカ映画は少なくないですが、その中で本作は秀作の1つとして数えられていくでしょう。 どうしても作品全体が重たくなるテーマであり、しかも本作はそれに真っ向から取り組んでいながらも重さを感じさせず、ユーモアの精神も素晴らしい作品です。 白人側には嫌な人物も会話も登場しながらも作品全体には明るさを保ち続ける。多分日本で僕が思う以上に今でもアメリカでは難しいテーマなんだと思いますが、この匙加減も見事です。 1冊の本の出版以外は大げさなエピソードや大事件の挿入は控えながら、日常の1コマを大切に積み重ねていく。ニッコリさせられる部分も挿入しながら最後には感動があり、実話モノを見ているような気にすらさせられました。 多くの黒人と白人女性たちが登場しましたが、様々な人間というものを見せてくれた女優陣の素晴らしい演技に拍手を贈りたいと思います。 【とらや】さん [DVD(字幕)] 9点(2012-09-22 15:47:42) (良:2票) |
47.《ネタバレ》 深刻な差別問題に向き合いながら、溢れるユーモアと、魅力あふれる登場人物。辛気臭くなることなく、豊かな時間を堪能できた。 差別が一番恐ろしいのは悪意がないのに、悪人がいないのに、不当な扱いが当たり前になっていることであると思う。この物語で、ヒール役を背負って立つヒリーさんも、ちょっとヒステリックで、人よりしっかり黒人と「区別」して共存していきたいと思っていただけなのだ。あんまり仲良くして、KKKみたいな過激派に目を付けられるより、その方が「安全」だし、と。ヒリーは憎たらしいクソ女なんだけど、どこか愛嬌があって人間らしくもあるようにもみえるところがこの映画の巧いところ。 悪人のせいで差別がおこなわれているならば、悪人を倒せばいいだけだが、そうではないところがなかなか厄介。みんなが善としている事、当たり前のようにしている事で、「これおかしくない?」ってことを、勇気を持って表明するのが大事。本作のクライマックスで、子供の面倒をヘルプにまかせっきりだったきれいなご婦人さんが「自分が間違っているのかもしれない」と言う表情をする。 その気づきこそが大きな第一歩だったのだと思わされた。 【すべから】さん [映画館(字幕)] 9点(2012-07-17 23:46:18) (良:2票) |
46.《ネタバレ》 まず最初に日本じゃ絶対にこういう映画は作れないであろう!二つの人種、白人と黒人が同じ国の中で同じように1つの家の中で生活する。アメリカだからこそより強く感じられる人種差別問題と人種を超えた友情、そういうものが丁寧に描かれていて感心させられた。タイトルにある「ヘルプ」という本を書くことになる白人女性、ヒステリーな白人女性と金髪姿に巨乳を意識させるかのような馬鹿女全開の白人女性、いずれも全くタイプの異なる3人の白人女性の存在があるからこそそれとは対照的な黒人のメイド達の白人女性に対する接し方の難しさというものを大きく感じられる上にこの映画、白人にも黒人にもそれぞれ共感出来るようにきちんと描かれているのがこの映画の良い所である。黒人だというだけで白人の警察官に逮捕されてしまうエイビリーン、そんな中でもめげずに頑張ろうとする姿、そして、無事に帰ってきたエイビリーを優しく向かえる同じ黒人達大勢の姿に仲間意識、仲間を思いやることの素晴らしさを教えてくれる。色んな意味で考えさせられる映画になっていて見応え十分!ほとんど女性の視点的な雰囲気の映画ではあるけれど、男諸君も見て損のない映画である。それにしても見ている間、やたらと腹が減ってきて困った。そういう意味でも「ヘルプ」な映画でした。暗くなりがちなテーマなのに笑える部分もあったりと単なる暗いだけの人種問題映画になってないという意味でも評価したい。 【青観】さん [映画館(字幕)] 8点(2012-04-06 21:44:51) (良:2票) |
45.《ネタバレ》 丁寧に丁寧に作られた佳作です。そう思った上で、敢えてどうしても気になって仕方がない点があったので書いてしまいます。それはミニー(O・スペンサー)が、復讐のために作った「特製チョコレート・パイ」の事・・・。今まで数多く観た映画の中で、食べ物が出てくるシーンで長年私のトラウマになっているのは、「スタンド・バイ・ミー」での「チェリー・パイ」、奇しくも同じアメリカ南部「ディープサウス」を舞台した「フライド・グリーン・トマト」での「バーベキュー 」。この度新たにこの映画の一品、「チョコレート・パイ」がめでたく加わる事となりました(笑)たとえ原作がそうなってたとしても、もっと上手くアレンジする方法とかなかったんかなあ・・・とつい思ってしまったんですよね、あそこだけがもったいないなあと。ラストのラストで、実はアレ何も入ってなかったのよって、ミニーがぺロって舌出して笑って種明かしするとか。キャストのアンサンブルは非常に良かったです。オスカーに主要キャスト三人がノミネートされたのもうなずけます。ヒロインの成長もきちんと描かれているし、彼女のヘルプ(子守り)だった、コンスタンティンが辞めさせれた理由が明かされたエピソードでは、自分もホロリと涙を押さえる事ができませんでした。現実の厳しさを残した、ありきたりなメデタシメデタシな結末にしなかった点も評価できます。かえすがえすも、あのチョコパイの件がなあ・・・(←いい加減シツコイ)副題の「心がつなぐストーリー」。なんでもっと言いやすく「心をつなぐストーリー」にしなかったのかと思ったけど、映画を観たら納得。確かにこれは赤ん坊とヘルプ、黒人同士の、そして白人と黒人との「心」がつないでいくストーリーなんですよね。うん、この邦題も久々のヒット。 【放浪紳士チャーリー】さん [映画館(字幕)] 7点(2012-04-04 23:05:59) (良:2票) |
44.《ネタバレ》 笑って泣ける上質な作品でした。深刻な展開と笑いの展開のバランスが絶妙で、シリアスな話の中にもつい笑ってしまう演出があったりして不思議です。苦境は笑い飛ばすという黒人独特の空気感なのかも知れません。一部観客全員が爆笑したシーンもありしたし、こういう映画って劇場で観ていて面白いですね。個人的にとっても良かったのは、キャラクターの二面性を非常に上手く描写していたこと。こういう黒人差別に関する映画ではとにかく白人が威張っていて、黒人は哀れで可哀そうな人達に描く作品が多いのですが、この映画に限ってはそういったことが殆ど無い。ヘルプさん達の境遇をルポしようとする主人公も自宅ではヘルプさんにちょっと傲慢な態度を取っていたりするし、その逆で最初は頭カラッポのギャルとして登場するシーリアは実は誰に対しても真正面からコミュニケーションを試みる良い娘なことが段々わかってくるし、流産を繰り返す自分の体に強い不安とコンプレックスを抱いていることが伝わってくる。最初は超嫌な奴として登場するボーイフレンドのスチュワートも同様。サロンで日々バカ騒ぎしているヒリー一派もそうで、特にラストに生粋のレイシストであるヒリーがエイヴリーンに「あなたそんなこと(差別)してて疲れないんですか?」と強く迫られ泣き出してしまう辺りは素晴らしかった。とどのつまり差別は生まれてきた環境が作り出すのではなく、人が差別する姿勢を取っているから生まれるものなのでしょう。だからヒリーは「疲れませんか?」と聞かれて泣いてしまった。普通の映画だったらこんなレイシストは最後まで最低の誰も感情移入できないクズ野郎として描き切るでしょう。悪役の細部まで実在感のある“人間”に仕上げた脚本の素晴らしさに驚かされました。 【民朗】さん [映画館(字幕)] 8点(2012-04-01 21:55:41) (良:2票) |
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43.《ネタバレ》 60年代アメリカ南部の人種差別という重いテーマを、万人が楽しめるような手堅い脚本と演出で描いた作品。特に黒人のハウスメイドたちに対する差別に焦点が当てられており、女性たちが主役という点で、これまで人種差別をテーマにした映画とは異なる切り口の作品だと思った。 本作の素晴らしいところは、コメディとシリアスのバランスが絶妙なところだ。明るく笑える部分は多いが、完全にコメディに振り切れるわけでもなく、最後はややほろ苦いエンディングを迎える。作品の主題を考えれば、そして鑑賞した多くの人が差別について思いを巡らせることまで考えると、ある意味で差別の歴史を喜劇化しない、この苦いエンディングは妥当なものだろう。 減点要素としては、ジェシカ・チャステインのキャラクターと、ヒール的扱いをされる白人女性たちのキャラクターの掘り下げがやや足りないところか。チャステインのキャラは、この手の映画にありがちな、「おバカだけど良心的な存在」を地で行くものであり、正直意外性はなかった。あと、役者と役にミスマッチが起きていると気もする(それにしてもチャステインはよくこの役を引き受けたものだ。ブレイク前だったからだろうか)。ヒール役の女性たちについては、完全な悪役ではないのはもちろんわかっているし、悪人ではないと示唆する演出も盛り込まれていたが、特にヒリーの描き方については、もう少し彼女の複雑な人間性を提示した方が映画的にはよかったかもしれない(差別が個人の人格の問題だけでなく、社会構造的な問題でもあるというのを示唆する意味で)。 あと個人的に本作が凄いというか、ハリウッド映画が凄いと思ったのは、このような社会的なテーマをもつ作品にちゃんと予算をつけてあげて、上質のエンタメ作品として世に送り出す点だ。悲しいかな、日本だと、この手の作品はどうしてもこじんまりとしたものになっているだろう。 【nakashi】さん [ブルーレイ(字幕)] 8点(2020-05-10 16:47:50) (良:1票) |
42.人種差別がテーマの割には深刻になり過ぎず、笑って泣ける爽快な作品でした。 エマ・ストーンが主演ということで気になってた作品だけど、そんなにがっつり主人公という感じではなくて、登場人物のバランスが取れてて良かった。 本の出版がメインストーリーなんだろうけど、ミニーとシーリアの関係性が微笑ましくて好感が持てました。 公民権運動や本の出版も素晴らしいことだけど、そういったこととは関係なく、ナチュラルに差別と無縁の繋がりが成立してたのが感動的でした。 【もとや】さん [DVD(吹替)] 8点(2017-02-19 13:55:11) (良:1票) |
41.黒人差別モノは見るのがツライので敬遠しがちなのだが、ディスニーだし過酷なシーンはないだろうと思い鑑賞。良くも悪くもディズニーらしく、思った以上に軽かった。シリアステーマを軽い・ユーモアタッチで描く事は非難されるのが常だと思っていたのだが、かなり好評価な事にも驚いた。楽しみながらプライドもってメイド仕事をしていた黒人もいただろうし、白人の中にもリベラルな人はいただろうし、無知故に天真爛漫(なぜか巨乳)で差別しない人もいただろうし、そういう多様な人間模様が見られたのは収穫ではあるが、各々ちょっとキャラが際立ち・ハッキリしすぎていて漫画的でバカっぽい感じになってしまっているような気もする。結果、あざとさも感じられるのだが、そこはディズニーなので仕方ないのかな。 【東京50km圏道路地図】さん [CS・衛星(吹替)] 6点(2015-07-30 11:23:55) (良:1票) |
40.《ネタバレ》 ヒリーがこれ以上ないほど嫌な白人女として描かれる。 だからこそ、食べ物に汚物を入れるという復讐が正当化されるようにも感じる。 それが狙いだったろうけど、やっぱりこの方法は陰湿で卑劣だから引いてしまう。 もっと別の方法でやっつけて溜飲を下げてもらいたかった。 登場人物が少しステレオタイプの嫌いがあるため、もう一つ差別の深いところに切り込めていないような…。 その反面、差別をテーマにしながらどこかユーモアと軽さのようなものがあるので、この種の映画にありがちな重苦しさはない。 黒人メイドと白人の子供の親子のような絆にはホロッとさせられる。 【飛鳥】さん [DVD(吹替)] 7点(2013-09-04 19:07:33) (良:1票) |
39.《ネタバレ》 米国南部の人種差別のお話。時と場所を同じくする名作(と私が思っている)「ミシシッピ・バーニング」のような暴力沙汰はありません。描かれるのは黒人メイドと主人の関係。メイドたちをいたぶる主人の態度は、人種差別というより「イジメ」といった方がしっくり来ます。差別を現代的な問題にアレンジしている印象で、製作意図もその辺りにあったのだと思います。 境遇や立場が違う多くの登場人物たちが織り成すドラマの積み重ねで、根拠の無い悪意への対処が描かれます。差別意識のグラデーションが無理なく組み込まれ、それでいて常に前向きな姿勢が感じられる脚本が素晴らしい。エイビリーンとミニーを演じたお二人の泰然とした演技が、作品全体を力強く包んでいます。ピンボケなくらいに差別意識から開放されているグラマー姉さんの描写もかなりツボでした。「ゾンビランド」以来、エマ・ストーンのファンのつもりだったけど、あのヘアスタイルのおかげでエンドロールまで彼女だと気付かなかった。不覚(笑)。 ちなみに、イジメには毅然とした態度で臨むのが最良の対応だと思っています。チョコパイは強烈なスパイスになっていますが、あれだけは褒められた対応じゃないですね。陰湿な復讐です。自分が口にするところを想像して怖気が走りました。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-08-14 18:14:06) (良:1票) |
38.《ネタバレ》 10点か9点かで迷いました。前の方が書いていらっしゃいますように 、少し厳しい描写が控えめで、当時の黒人の生活にのしかかっているバックグラウンドやばれた場合の恐怖が弱めになっているかも。日本人にはこの当時の黒人差別に関してあまり馴染みがないから、もう少し酷いところを示してもよかったかも。以前観た『カラーパープル』『プレイス・イン・ザ・ハート』『ミシシッピー・バーニング』などがそこを補ってくれた感じです。「アメリカの娘たちの会」の会長は『カラーパープル』でソフィアを雇ってた車運転おばさんで、チョイ役だけど意識した配役だったのかな? 書くことは自分を救う、みたいなことをセラピー分野で聞き覚えがあるけど、タイトルはそういう意味が込められているんでしょうね。「汚い」「病気が移る」とトイレを別にするのに、そういう存在に食事を作らせて平気で食べてる状況が愚かで、そこにしっかりとツッコミいれたエピソードが良かったです。『カラーパープル』の唾入りレモネード思い出しました。スキーターの彼氏とのエピソードもなかなか良くて、その分成り行きが残念でした。スキーターの母親は目つきが印象的な女優さんですが、適役ですね。あの顔つきが後に非常に活かされて印象的ないい場面があります。シーリアとその旦那さんもいい人で、良かった! 胸がスカッとするシーン、気持ちが優しくなるシーンが良質の作品でした。 【だみお】さん [DVD(吹替)] 9点(2013-03-14 13:55:41) (良:1票) |
37.朝日新聞に、小学校6年生が書いた「いじめ」に関するコラムを思い出しました。 「想像してください。君があざ笑った子がはじめて立った日、はじめて歩いた日、はじめて笑った日、うれしくて泣いたり笑ったりした人たちの姿を。」 相手の立場に立つ事の大切さ・勇気を、この映画を通じて痛感しました。快作です。 【ドクターペッパー】さん [DVD(字幕)] 9点(2012-10-09 11:51:44) (良:1票) |
36.《ネタバレ》 こういった題材の作品を評価するのってとても難しい。素晴らしい映画だと思うが、そこに孕んでいる暗く重い現実を考えると、とても楽しい気分にはなれない。全体的にコメディタッチに描かれており、必要以上に深刻化しないで描いている点は好感触。ミニーの「復讐」に到っては、笑える反面、マジでやられたらと思うとゾッとする。差別が慣例になっちゃってるって物凄く怖い。いじめや虐待もそうなんだろう。やってる方は当然のように考えていたり、ただちょっとからかっているだけだったり、躾をしているつもりなのかもしれない。でも、被害を受けている方からしたらそれこそ生死にかかわる問題なのだ。いじめられっ子だったスキーターが、年老いたメイドから言われた言葉。「私は信じるのか?あんな連中の言ったことを」(←正確ではないですが、確かこんな感じ)…泣けました。自分にもそんなことを言ってくれる人がいてくれたら、もう少し前向きに生きてこられただろう。 【フライボーイ】さん [DVD(字幕)] 8点(2012-10-03 07:46:52) (良:1票) |
35.この映画、おもしろいです。すっごくおかしかったです。でも笑えるだけじゃないんです。ストーリーもしっかりしていて、アメリカに根強く残る人種問題を、わかりやすく教えてくれるんです。 【shoukan】さん [映画館(字幕)] 8点(2012-04-28 00:10:28) (良:1票) |
34.シリアスなテーマにも関わらず、物語が暗い雰囲気にならないのは、ミニーなど出演者の人間的な強さと明るさのおかげかなと思いました。映画の中でいくつもうまい伏線があって、それによって映画館にいくつもの笑いを生まれました。自分は一番前の座席で観ていたのですが、思わず笑ってしまうシーンでは後ろからもたくさんの笑い声が聞こえました。ヒューマンドラマなのでもちろん家のテレビで観ても面白いかと思いますが、大きなスクリーンで見ず知らずの観客たちと笑いながら、時にはグスッと鼻を啜りながら観れる、この映画にはそんな素晴らしさがあります。 【珈琲時間】さん [映画館(字幕)] 8点(2012-04-09 12:36:32) (良:1票) |