15.《ネタバレ》 いや~何と言うべきか?成瀬映画の常連さん勢揃いの上に観ていて何だか成瀬作品を観ているようで、小津映画、黒澤映画、またまた川島雄三に岡本喜八といった作品でも観ているような何か不思議な錯覚に陥りそうなほどのメンバー達、相変わらずお金の問題やら家族の問題など鋭く描く成瀬作品ではあるものの、成瀬作品にしては物足りない。平凡な感じがする。成瀬作品の最大の持ち味であるドロドロした中にある希望のようなもの、または人生に対する惨酷さ、皮肉のようなものがあるにはあるが、少し欠けている気がして、他にも原節子と高峰秀子の競演は十八年ぶりとなるらしいが、原節子に比べて高峰秀子が影が薄い。どうも扱いが中途半端な感じがするのが不満です。それと原節子と仲代達矢の二人だけのシーンもちょっとダラダラとしている感じがしてならない。そんな中にあって相変わらず愚痴、不満たらたらな杉村春子は上手い。そんな杉村春子のことを「お母さんたら、私が夜中に水飲みに起きて戸を開けるとギョロットした顔で私を睨むのよ。お母さんたら、夜中も寝ないで起きているのよ、きっと」なんて言い放つ草笛光子には大爆笑!いやあ、本当にずっと寝ないで起きてそうです。 【青観】さん [DVD(邦画)] 6点(2008-03-30 11:12:53) (笑:1票) |
14.《ネタバレ》 原節子と高峰秀子の二大女優が「阿片戦争(1942)」以来の久しぶりの共演で描く成瀬映画。原節子と高峰秀子のバトルをちょっと期待してたけどやはり原節子は原節子でした。それにしても成瀬ってこんな作品多いね。前半は普通に明るいホームドラマが後半になると皆いっせいに本性をぶつけ合ってドロドロ・・・。でも成瀬映画の女優はみんな綺麗だなぁ。原節子なんか小津作品のよりも綺麗に見えたし。ちょこっとしか出てこない笠智衆もなかなかよかった。 【バカ王子】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2006-06-16 23:30:20) (良:1票) |
13.《ネタバレ》 成瀬版「東京物語」ですが、その内容はずっとリアルに描かれる。 母親の還暦祝いで家族が集まり、心から祝って、表面上は幸せそうにみえるが 家族皆、何かしら問題をかかえており、長男の金銭トラブルで一気に破綻。 お金に余裕があれば、人にやさしくできるが、なければ母親でもシビアな対応に変わる。 人間って悲しいもんですね。時代が変わってもこれは永遠のテーマなのかな。 あと、成瀬映画の原節子は、小津作品より人間らしくて好きです。 最後に、このタイトルは何とかならんのか?余りにもセンスが無いように感じるが。 【とれびやん】さん [インターネット(邦画)] 7点(2020-05-14 15:49:51) |
12.《ネタバレ》 基本的にはカネによって家族が崩壊していく話なのだが、そんなにシビアでもなくちょっと笑ってしまう微笑ましい程度で逆にリアルさがある。現代のようにカネの闘争で互いがむき出しで感情をぶつけ合うわけでもなく、抑制も効いておりそれなりに気を使ってもいるが、逆にそこにアカの他人ではない家族の厄介さも垣間見える。余韻の残る終わり方には救いがあるような、ないような雰囲気だが、老いの孤独と開き直りのようなモノが感じられる。全編通じて非常に微妙なところをついてくる作品であり、脚本がウマイなあと感じる。ちょうどシビアな山田太一とベタな山田洋次の中間というか、足して2で割ったというか。難点としては全体的に男がだらしなく存在感が薄いのと、原節子の感情表現がイマイチだったような。 |
11.《ネタバレ》 よくも、これだけのキャストをと言うほどの出演者、登場人物の多さと設定の細かさで堪能しました。ちょっと、原節子に偏向になってしまったかという感はある。あと、時代背景をこの時代にきっちり補正して観ないと。 【min】さん [DVD(邦画)] 7点(2013-09-19 23:10:48) |
10.成瀬監督の描く、辛口のホームドラマ。 豪華スター競演ということで、登場人物が多いため、お話がやや分散傾向を感じさせるも、各エピソードが隔たりなくバランスよく描かれてます。 鑑賞後にタイトルを見ると、確かにちゃんと表現されていたなぁと感心するばかり。 こういう内容の映画はまとめるのが難しいとは思うけど、やはり監督さんの手腕が一番印象に残る逸品だった。 【MAHITO】さん [DVD(邦画)] 6点(2013-01-06 10:29:01) |
9.この黒丸(・)は並列であると同時に、進行でもあるんだろうね。娘と妻と母が形作っている世界であると同時に、娘が妻となり母となっていく世界、って。本作から松山善三が脚本に加わるが、あいかわらず金勘定の話が多いところを見ると、井出俊郎が主だったんだろう。土地の不安定さということもあり、『鰯雲』の都会版と見えないこともない。あれと同じような変動が都市部でも起こってるってこと。娘が一人戻ってくるだけで波紋が広がっていく。それを誰にも偏らず、多極構造を維持したまま進めていく(後半やや原節子に傾いたが、高峰秀子の存在が対象化してた)。嫁と小姑の機微なんかが見どころ。再婚をあまりあからさまに勧めるのも難しい、でも姑は微妙に反応する、ここらへんうまい。宝田明が「兄弟は他人の始まり」と言うと、草笛光子が「いっそ他人ならサッパリしてていいんだけど」と返すのなんか、成瀬作品に共通する感慨でしょうね。「他人でないことによるサッパリしなさ」がこの監督の味なの。家族の情愛を否定するわけではないんだけど、それへの嫌悪も見せてくれる。それはホッとする救いとしてあるんじゃなく、「懐かしい鎖」としてある。新興住宅地風のとこでチンドン屋が舞ってるシーンに思わず息を呑んだ。いったいあんな光景の何が良かったんだろう。 【なんのかんの】さん [映画館(邦画)] 7点(2012-12-20 09:52:52) |
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8.とても2時間だとは思えない程、長く感じる。だが嫌な長さではない。非常に濃くて、充実した2時間だった。それでいて、まだ30分位は続きを見たくなる。あの先がどうなったか凄く気になる。それにしても、老人ホームを馬鹿にしすぎだなあ・・・。 【ケンジ】さん [DVD(邦画)] 9点(2012-01-24 23:18:18) |
7.《ネタバレ》 なかなかの秀作だと思います、運命のいたずらと言うべきか、翻弄されちゃってかわいそうだが、借金とそれに伴うお母さんの問題が無かったとしても、黒木くんと上手くいったかはわからないんだな~。成瀬映画は殆ど見てないからあれだけど、一般家庭の普通にありえる話で2時間飽きさせないのは成瀬監督の腕ってことでいいかな・・・。高峰さんの無駄遣い感は確かにあった。 【リーム555】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2010-11-17 23:51:51) |
6.昭和三十年代半ばの典型的な中流より上の家庭ドラマ。今も昔もどんなに仲の良い親兄弟でも、お金が絡むと人はどうしてもドロドロと本性が見え隠れしていやですね。出戻りの原節子さんと孫の男の子だけが無邪気で可愛く一番まともでした。それにしてもこの時代の人は今の大人に比べると少なめに見ても20年は老けこんでるように思います。 【白い男】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2009-07-12 11:01:42) |
5.オールスターキャストによる成瀬巳喜男監督のホームドラマ。原節子と高峰秀子の共演が見ものなのだが、原節子は「青い山脈」や「お嬢さん乾杯」に比べて少し老けたという印象があるものの、それでも美しさは感じられる。それに対して高峰秀子は精彩のない役で今作では夫婦役で共演している森雅之との「浮雲」コンビもなんだか見ていて物足りない。また映画全体の出来としてもオールスターということが影響しているのか平凡な印象が残るし、明らかに顔見世程度の出演者がいるなど不満も多いが、ラストの三益愛子と笠智衆の公園でのシーンが不思議な余韻を残していて良かったので甘めに7点。杉村春子がまたも嫌味たらしい姑役で出ているが、その嫌味ぶりがなんだか見ていて笑える。 【イニシャルK】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2008-06-21 16:12:30) |
4.《ネタバレ》 「お金」というものが重大なテーマともなっている家族群像劇。 そこに恋愛、親子の情、夫婦問題、老後の生活などが盛り込まれ、まさにてんこ盛り状態。 そこに、原節子、高峰秀子、宝田明、仲代達矢、草笛光子、淡路恵子、加東大介、上原謙、杉村春子、笠智衆、三益愛子、森雅之という凄まじいまでのオールキャスト。 ここまで大風呂敷を広げてしまうと、さすがまとまりは悪い。 ただし、ラストの笠智衆と三益愛子の出会いのシーンは素晴らしい余韻を残した。 まとまっていないようで、実はまとまっているような気もする不思議な作品だった。 また、原節子は自然な美しさを放っていて良かった。 小津作品では、どうもいびつな笑顔や役回りが目立ち、小津作品を観ている限りではあまり好きな女優ではなかったが、本作での原節子は、とても魅力を感じた。 彼女のイメージにかなり近い役柄であったような気がする。 だからこそ、彼女のナチュラルな魅力が出ていたのではないだろうか。 高峰秀子だが、彼女ほどの女優をこんな役に使うのはもったいない。 森雅之にしてもそうだ。 そして上原謙もチョイ役すぎた。 杉村春子のいじわる姑は板についていて良かったが。 【にじばぶ】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2008-06-10 23:33:35) |
3.オールスターキャストで焦点がぼけたという印象。かなりがっかり。 【小原一馬】さん [地上波(邦画)] 4点(2008-05-25 00:33:31) |
2.数少ない高峰秀子と原節子の共演作という事で期待していたんですが、いわゆる「両雄並び立たず」の典型映画になっていたのが残念ですね。映画の役柄さながら、高峰秀子が先輩=小姑役原節子に華を持たせ、立てよう立てようとしている様子が見え隠れしました。いつも成瀬映画では最初仏頂面をして登場してくる彼女が、ここでは全編にわたりずっとぶっきらぼうで不機嫌そうにも見える。というより、彼女の「妻」役にそもそもあまり明確な性格が与えられていないような気が。高峰秀子ともあろう女優が数多くの登場人物の中に埋もれ、あまり存在感を発揮していない映画なんか自分は初めて観ました。脇にいる団令子や草笛光子の方がよっぽど演じ甲斐のあるやくどころ。高峰秀子主演作という事ではやや不満があるけれど、一個の映画としてみると、これは大スター総出演成瀬版「楢山節考」なのかなあと。あちこちにエピソードを広げすぎ、肝心のテーマが絞り切れなかったような印象も残ります。今ならこの二時間の内容を、橋田連続ドラマで半年くらいにわたって登場人物が下品に口角に泡吹かせ、カンカンガクガクと遣り合うオハナシでしょうねえ・・・。 【放浪紳士チャーリー】さん [DVD(邦画)] 6点(2008-02-09 10:51:48) |
1.古き良き時代の日本が描かれていてとてもよかった。昔と現代の常識がやっぱりかけ離れてきていると再認識させられた。それにしても原節子キレイだなぁ 【りん】さん 7点(2003-04-02 16:37:22) |