3.《ネタバレ》 高度に政治的で過酷なドラマ。
超がつくほどの力作。
最後までみるのに相当な体力を要した。
冒頭から続くイヴ・モンタンに対する尋問シーン。
拷問とまではいかないものの、限りなく拷問に近い尋問だ。
この描写が何とも独特で良い。
残酷な描写を、大げさにハリウッド的に見せるのではなく、リアルで細かくネチっこく見せてくる。
独房の中で立ち止まることも許されず、ずっと歩けと言われる。
想像しただけでも辛い。
そして寝ていいと言われても、あっという間にたたき起こされる。
こりゃきつい。
ご飯をくれても、すぐに取り上げられる。
ひどい。
こんなシーンが1時間以上もリアルに綴られ、主人公同様、観ているこちらも体力を奪われていく・・・
イヴ・モンタンの迫真の演技も光り、ただならぬ作品に仕上がっている。
ただ、楽しい作品という表現は適切でない気がする。
ただただ凄くて過酷な作品なのだ。
そういった作品をどう評価するか。
それはとても難しいし、評価の分れるところだろう。