134.《ネタバレ》 通常、同じ原作で映画とドラマが有る場合、映画の方が優れてることが多いんですが、この作品に関する限りドラマの方が上です。
なんと言ってもキャストがね。洒落た服を着てコンタクトを入れて髪形を変えたら、もうイマドキの青年なんじゃ、まったく原作から乖離すると思われ。山田君イケメン杉ですよ。
これだとエルメスの側から見れば、ちょっと天然で内気な、だけどイケメンの青年と交際を始めるわけでだから、山田君のルックスのよさによって奇跡の価値がいくぶんか下がるのでは。
あと昨晩見たときは、完全に夢おちと思ってぷりぷりしてコメントも書いたんだけど、他の方のコメントも参考にしてその個所だけ見直したら、あきらかに違います。
あれは、実は2人はあの事件の前にも出会う寸前だったことを表すシーンとして挿入されてると思われ。
こっからかなり完全なネタバレ
つまり 電車の中で気づかずに彼女の定期券を拾う→他日電車の中で暴漢から救って親しくなる→完全に親しくなった後、また最後のシーンで彼女の定期券を拾う。
こういう時系列と考えれば、別に問題ないと思われますが。
ただ、非常にわかりにくい、誤解を招きやすい表現だと思います。
だけども、そう考えないで夢だと考えると、引きこもりをやめ街に出る青年も、冷め切った愛情を取り戻した夫婦も、過去と決別できた看護婦も全て幻となってしまうわけで、それはありえないでしょう。
いろいろと考えることはありますけど、女性に対して極端に臆病な自分を電車男にどうしても重ねて観てしまうので、好き、嫌いは別にしてずっと離れられない映画だと思います。
平成24年1月30日追記
毎度のことながら、せっかく良を頂いているのに追加するのはかなり躊躇うんですが、
かなり重要な面で誤解されてる方が多いので。今回初めてDVDのおまけディスクを見まして、ラストシーンに関して監督のインタビューがありました。「表現したかったのは、実はあなたも運命の誰かと、すでに出会ってるかもしれませんよ、勇気を出したら贈り物があるかもしれませんよっていうような事を表現したかったんですけど(後略)」
だいたい、台本のシーンタイトルが「回想」になってますから。
これで、いわゆる「夢落ち」ではなかったことがはっきりしたと思います。上記したように非常に誤解を招きやすいシーンではありますが