1.《ネタバレ》 「パルプフィクション」がこの映画に大きな影響を受けたのは間違いないでしょう. 映画全体にただよういかにも『安物』で『ありきたりなユーモアさ』. そしてその対極を行く殺しの数々とスキャンダル. テーマにはイタリア政界とマフィアとの決して触れてはいけない「闇の部分」が重くのしかかっているかのごとく. Michael Caineの飄々とした作家役が「重さ」と「軽さ」とが混在するこの超独特で異様な雰囲気の『調和』をみごとにはかっています. 実は物語の裏にあるテーマ(事件)そのものは, 同じく70年代にMichael Hodges監督, Michael Klinger製作, Michael Caine主演のトリオで作られた"Get Carter(狙撃者)"と変わらない. なのに雰囲気が180度違うコメディ調(?)になっているのが痛快. 映像はなんともポップな感じで凝りに凝って撮ったと言わんばかり. また配役もすばらしい. 殺し屋にThe Godfatherでの名演が記憶に残る"Al Lettieri"を配置したことに加え, あの(マフィアのボスを自で行く?)"Mickey Rooney"の怪演(快演)と来たら!!! この映画が隠れた超怪作, いや隠れた『超名作』と言われるのも実に納得の行く名優たちによる名演の数々でした.