1.赤線「玉の井」が舞台なのだが、「玉の井」ならではの雰囲気をもっと出してほしかった。
だけど、舞台もセットだし、予算もおそらく多くはないだろうし、あれが限度なのは仕方なしか。
しかし、玉の井の赤線街を流れる用水路はとても印象的で、実にいい情緒を生み出している。
まるで京都で見た用水路の裏バージョンという感じ。
当時自分がもし生きていたら、絶対に行って実地検分(?)してみたい赤線だ(これは「洲崎パラダイス」も同じだが)。
内容は、現在も語り継がれる名だたる日活ロマンポルノの名作たちと比べてしまうと、見劣りがする。
舞台が1つのセットしか存在しないから、屋外シーンを多く撮れないのは仕方ないかもしれないが、せっかく「玉の井」という題名を冠しているのだから、当然、屋外の風情ある描写を期待してしまうが、ほとんどは室内の濡れ場が中心で、「玉の井」を舞台にしている意味がほとんど無いのが残念である。