132.《ネタバレ》 警察の対応のおかしさや話の矛盾と言うか粗雑さも目立つが
そこはこの話の主題ではないので脳内処理するにしても、主人公の妻夫木は
被害者女性の態度に多少の問題があったにせよ結局の所、絞殺してる訳で感情移入しにくい。
もみ合った末に打ち所が悪く事故死に見える位の方が同情も出来るかもなぁ。
恐らくラストシーンにつなげる為に絞殺の設定にしたのでしょうが
そのラストシーンの深津絵理を絞殺しようとするシーンも蛇足かと。なんと言うかベタに感じる。
見る側に本当に悪い奴だったのか、それとも彼女を為を思っての行動なのかなどなど
想像させる意図を作りたかったのね。と勘ぐってしまって。ない方が良かったかなぁ。
全体的にありがちな古典的ストーリーというか設定の寄せ集めのように感じる。
しかし序盤は見せ方が良く気がつけば自然と話に引き込まれて居る上手さがあったし
映画を見た後も誰がどれぐらい悪いか考える余韻がある。
この映画の悪人度を考えるなら、凶悪殺人を10、法律ではなく倫理・モラル違反を1とするなら・・
妻夫木聡 悪人度 8 絞殺は目の前に藻掻き苦しむ姿を相応の時間目にするわけで悪質度が高い。
深津絵里 悪人度 2 幇助は罪。だが居場所が無い人間の行動として解らなくもない。
岡田将生 悪人度 6 描かれて居る通りの人間。何があっても同情の余地なし。
満島ひかり 悪人度 3 裏の顔としての言動や行動は不愉快だがこのような女性はゴマンと居る。
柄本明 悪人度 4 被害者の父親として当然の感情と行動とも言えるが相手は実行犯ではない。
樹木希林を騙した悪徳業者 悪人度 7 この話は不必要だったかな。
あと映画の評価には関係ないがコミュニケーションが苦手な建設作業員でスポーツカーに乗って
ネットで知り合った女性に他県まで会いに行く主人公の姿を見ると恥ずかしながら
何だか過去の自分が重なってちょっと身につまされる思いも。そういう意味では
この主人公は自分にとってリアルでした。