2.《ネタバレ》 蔵原惟繕監督と浅丘ルリ子主演コンビによる三島由紀夫原作の映画。冒頭からのヨーロッパ映画のような雰囲気には引き込まれるし、映像の美しさや、テーブルを囲んだ一家のやりとりを上から見下ろすような長回しのワンカットで見せるなど、印象に残る部分はあるが、主人公である悦子にもちょっと感情移入しづらいものがあり、(浅丘ルリ子は熱演していて良かったのだが。)その悦子に身を任せている舅(タイトルバックが流れる直前の悦子との絡みシーンがとてもエロチックに感じる。)を演じているのが中村伸郎というのはなんか違う気がする。それに三郎を演じる石立鉄男にも説得力が感じられずドラマとしてはなんかイマイチ。しかしさっきも書いたように映像的な演出面についてはなかなかよく、中でもパートカラーで時折出てくる赤い色が鮮やかで印象的。とくに完全に映像がカラーになり、悦子が赤い夕陽を背にして歩くラストカットが鮮烈だった。5点かとも思ったがやっぱり6点を。