2.西部へ向かう開拓民たちの旅路を、雄大な自然をバックに、さまざまなエピソードを織り交ぜて描いた壮大な映画。と言う場合は要注意、「物語が壮大過ぎて、映画にまとめ切れなかったね」と陰口を叩かれかねない。でまあ、本作にも、確かにそういう面がありますわなあ。さまざまな登場人物が現れ、さまざまなエピソードが積み重ねられて、それらが絡まり合うことで、ひとつの大きな物語を形成しているのですが、これがうまく噛み合うか、はたまたエピソードの羅列に終わるか。というのは、やはり、登場人物とエピソードをどれだけ印象的に描けるか、に懸かっているのでしょうが、本作、大味な感じは否めません。カーク・ダグラス、ロバート・ミッチャム、リチャード・ウィドマーク、という大物を並べて、とりあえずの貫禄は見せつけるものの、彼らの絡みが特定のエピソードに集中している感じなもんで、貫禄があるように見えた程には、人物像の幅が見えにくい。亡くした妻の話とか、あるいは息子の話とか、様々な膨らみがそこにはありえるハズなんだけど(中でも、カーク・ダグラスと息子との親子関係のエピソードなんて、こんな扱いでいいんだろうか?)。ま、しかし、時には容赦ない残酷な運命をも描きながら、特定の人物に入れ込むことなく、人々の苦難の行程をそのものを物語ること、それが本作の持ち味と言えるかも知れません。