赤西蠣太のシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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赤西蠣太

[アカニシカキタ]
1936年上映時間:86分
平均点:7.75 / 10(Review 8人) (点数分布表示)
公開開始日(1936-06-18)
時代劇モノクロ映画小説の映画化
新規登録(2003-11-12)【へちょちょ】さん
タイトル情報更新(2019-01-31)【イニシャルK】さん
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監督伊丹万作
助監督佐伯清
毛利正樹
キャスト片岡千恵蔵(男優)赤西蠣太・原田甲斐
瀬川路三郎(男優)伊達兵部
阪東国太郎(男優)浅利貝之丞
原健作(男優)青鮫鱒次郎
比良多恵子(女優)妾お磯
滝沢静子(女優)老女沖ノ石
瀬戸一司(男優)若侍
芝田新(男優)菅野小助
葛木香一(男優)伊達安芸
鳥居正(男優)柴田外記
梅村蓉子(女優)政岡
志村喬(男優)角又鱈之進
関操(男優)入船屋鯖右衛門
杉山昌三九(男優)松前鉄之助
上山草人(男優)按摩安甲
原作志賀直哉「赤西蠣太の恋」
脚本伊丹万作
音楽高橋半〔音楽〕
配給日活
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【クチコミ・感想】

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1
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8.《ネタバレ》 暗い内容の時代劇を軽妙に描くと、後に評価が高まるようだ。
伊丹万作監督の本作もそうだし、山中の「丹下百萬」もそう。

伊丹万作の有名な作品ではあるが、歴史背景を知っておくと、更に面白い。
小生、1度目も無骨な主人公の姿が心に残ったし、名作だと思った。
しかし、2度目は伊達騒動のことを調べてから見ると、原田甲斐と伊達藩との関係、
そしてクライマックスの3月27日甲斐と安芸の斬り合いから、
赤西がこのための幕府(?)からのスパイだったことが分かる。
これは、原田甲斐の政治的立場をさらに理解すると、広間での連判状の一幕の意味がもっと分かるかもしれない。
しかし、伊丹万作は、そこまでは要求しないだろう。

創られた当時は、講談や歌舞伎で、伊達騒動はみんな知ってる話だったことも有る。
今の人が観て、ちょっとついていけないのも無理はない。
が、巨匠伊丹万作のその他の時代劇「権三と助十」を観ても、
ちょっとやそっとではお目にかかれない時代劇の名手であることは確かで、
日本のお話家さんは、観ておかないといけないと思います。

今はネットで手に入るし・・
トントさん [ビデオ(邦画)] 7点(2024-07-14 05:50:48)
7.《ネタバレ》 これほど見事に省略技法と繰り返し話法を駆使する映画は初めてです。ラストの小波の家を訪れた赤西蠣太の「今日はあまりゆっくりできなくて…」の三回繰り返し、そしてウェディング・マーチで閉めるセンスにはもう脱帽。確かに夭逝せずに戦後まで映画界におれば、伊丹万作は日本を代表する巨匠に間違いなくなっていたでしょう。あの片岡千恵蔵が不細工男に扮してラブコメするのが観られるなんて、予想もしませんでした。また原田甲斐との二役も見事な貫録で、これが同一人物とは信じられないですよね。この映画の魅力を語るにはモダンなカメラワークを外すことはできません。冒頭の唐傘がクルクルと回るところやクライマックスの寛文事件の立ち回りなど、真上からとらえたショットはバスビー・バークレーのミュージカル映画を彷彿させるセンスです。 古い映画ですけど、観て絶対に損はないですよ。
S&Sさん [CS・衛星(邦画)] 8点(2017-10-19 23:44:42)
6.《ネタバレ》 伊丹万作の傑作喜劇調時代劇。
この映画は原田甲斐の「伊達騒動」、それに志賀直哉の小説を読んでからの方が楽しめるだろう。
冴えない下級武士の赤西蠣太。しかし実は陰謀の真相を探るべく送り込まれた密偵の一人だった。
世継ぎ騒動で揺れる仙台藩。その真相を暴くべく命懸けの日々・・・なーんてシリアスな空気を感じにくいコメディタッチのやり取り。
かといってドタバタしたものではなく、落語の名人が語るような洗練された流れ。
歌舞伎調のキャラ原田甲斐とブサイクな赤西蠣太を演じ分ける片岡千恵蔵の名演。
顔は悪くとも心は腸捻転を自力で治そうとするほどの肝っ玉。
「脱走」のアイデアや追っ手をけむに巻く手口など大胆不敵だ。
少ない時間だが若いサラリーマンのような武士を演じる志村喬の演技も忘れられない。
「時間がありません」もう結婚しろよおまえら・・・
すかあふえいすさん [DVD(字幕)] 9点(2014-10-23 18:26:04)
5.優れた映画話法が満載であり、オーヴァーラップの使い方一つとっても洗練の極み。冒頭の小さな迷い猫が居つくまでを簡潔に示す繋ぎ。赤西の恋文書きの微笑ましい苦闘ぶりを紙くずの山によって示す繋ぎ。奥女中である小波からの返信の文面から二人の並ぶイメージショットへの繋ぎ。小波が赤西の来訪に喜び慌てる様と、衣類の散乱した部屋のショット、そこから客間で畏まっている赤西と小波たちの構図への繋ぎ。そしてさらに赤西の長居を示す三段階の繋ぎetc。これらの特長はそれぞれ単なる時間経過表現や、省略という機能にとどまらない。猫の場面ではその肥え太った貫禄ぶりがユーモアを醸し出すと共に赤西の面倒見の良さを、衣装をとっかえひっかえした後を示す部屋と畏まって正座する小波との対比では彼女の内面の動揺と喜びが描出される、といった具合に簡潔明瞭なキャラクター描写ともなり得ている。その上、類似した構図のショットを溶け合わせているので一瞬たりとも画面の安定と調和が崩れることがない。見事な画面連鎖である。
ユーカラさん [映画館(邦画)] 9点(2008-12-14 18:13:52)
4.歴史に名を残す邦画ではありますが、個人的にはつまらなかったです。
にじばぶさん [ビデオ(邦画)] 2点(2007-10-13 10:28:24)(良:1票)
3.戦前の千恵蔵初めて見たけどかなり意外。原田甲斐と赤西蠣太で全然違う。赤西蠣太なんか何回見てもこれがあの千恵蔵?って感じ。時代劇の重鎮みたいな貫禄ないし、ラブコメ作品に出てるってのもおもしろい。内容はお家騒動とリンクさせてる感じでそれを知らないからちょっと理解しずらいかも。でもほのぼのしてておもしろかった。
バカ王子さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2005-08-06 03:43:36)
2.昭和11年に作られた保存状態のよくないモノクロの時代劇で、これだけモダンでハイセンスな作品を見ることができるとは、イッツミラクル~~です。オープニングからピアノ音をバックに、雨に打たれる木→灯りの反射した地面を打つ雨→俯瞰ショットの傘二つ→伊達家家紋の瓦→字幕が入り、猫が一匹家屋へ・・・もうこれだけでこの作品の気品がうかがわれます。さっきの猫が行ったり来たりといったユーモア、テンポ、粋な会話、省略技法・・・ほぼ完璧であります。按摩師の殺害を角を曲がってから音だけで表現しているあたりは、「ライフイズビューティフル」が真似たのではないかな~と思ってしまいます。原田甲斐の登壇に、家臣がドミノ倒しのように次々と座っていく移動撮影、恋文の返事を読む赤西にインポーズされる小波といったカメラも見どころにあふれてる~。さらに片岡千恵蔵演じる、赤西と原田のコントラスト。女にまったく縁のない鈍そうな赤西、威厳あふれる勘の鋭い原田・・・この演じ分けもさすがです。終幕、メンデルスゾーンが炸裂し、クラシックと時代劇が見事に結ばれたのであります。イッツワンダフル!
彦馬さん 10点(2004-11-09 23:25:49)(良:2票)
1.伊丹万作は伊丹十三の父にして「無法松の一生」等の名脚本家として、つとに知られている。が、彼の秀抜な映画センスを真に実感したければ監督としての彼を知らねばなるまい。本作は現在でも鑑賞可能な数少ない一作である。まずもってチャンバラ時代劇全盛期の昭和11年という時点で”パロディ”という概念を導入した斬新な発想が凄い!しかも講談・浪曲で手垢にまみれた「伊達騒動」を巧みに換骨奪胎して”コメディ”に仕立て上げた手腕には思わず舌を巻いた。間違いなく「天才」の成せる業である。開巻の雨傘が踊る俯瞰撮影の妙、BGMにショパンやメンデルスゾーンをあしらう大胆で小粋な処理、「ミスター時代劇」千恵蔵にコントラストも鮮やかな二役を演じ分けさせるブッ飛んだエスプリ、それでいて実に快調なテンポ、どれを取ってもズバ抜けた映画センスとしか言いようが無い。惜しむらくは生来の病弱な体質が彼に作品の量産を許さなかったことだろう。太平洋戦争へと突入した時点で日本の敗戦を鋭く予見した理性の持ち主であったが故に病床の身で書き上げた脚本を盟友・稲垣浩に託した彼の無念な心情は「無法松の一生」にも滲み出ている。生きていれば間違いなく小津や溝口にも匹敵する天才監督と謳われたであろう。残念ながら息子にはその才能の一部しか受け継がれなかったようだ。僅か46歳の若さで夭逝した孤高の天才に敬意を込めて10点。
へちょちょさん 10点(2003-12-13 00:23:58)(良:2票)
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【点数情報】

Review人数 8人
平均点数 7.75点
000.00%
100.00%
2112.50%
300.00%
400.00%
500.00%
600.00%
7225.00%
8112.50%
9225.00%
10225.00%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 10.00点 Review1人
2 ストーリー評価 10.00点 Review1人
3 鑑賞後の後味 10.00点 Review1人
4 音楽評価 10.00点 Review1人
5 感泣評価 10.00点 Review1人
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