7.《ネタバレ》 念願叶っての鑑賞!
成瀬巳喜男監督の初期代表作とも言われる『妻よ薔薇のやうに』をついに観ることができた!
荒川区南千住図書館に、この場を借りてお礼申し上げます。
キネマ旬報で第一位をとった作品であるが、どうもそれ程のみなぎる魅力は感じられなかった。
しかし、成瀬監督の代表作の一つと言われているだけあって、つまらないわけではなく、1930年代の日本映画の中では上位にくるであろう内容。
本作でも男は相変わらず“ダメ”な象徴として描かれている。
正妻と妾の間をフラフラする男。
二人の女性にそれぞれ娘があり、どちらもかわいがるが、どうも歯切れが悪い。
自分で決断を下すことなく、常に周囲の女性に振り回されている。
自分がまいた種なのに、何たることだ。
ほんと、この男は情けない。
そういう意味において、逆説的に考えれば、本作の内容は女性讃歌として捉えることができよう。
期待していたほどではなかったものの、楽しむことはできたし、何より貴重な1930年代の成瀬作品をまた一つ観れたことが嬉しい。