3.日活ロマンポルノという枠組みを超えた快作!
新宿歌舞伎町のキャバレーを舞台に、その悲喜こもごもを描いた作品。
当時のキャバレーって、こんなにも無法地帯だったのだろうか。
そんな興味を抱きつつ、細部に渡ってリアルな描写に興奮し、楽しんだ。
キャバレーって、今でいうキャバクラ的なイメージがあったんだけど、本作で描かれているキャバレーのサービス内容は、キャバクラとお○わりパブと○サロのサービスを全て含み、実に過激。
規制が増えすぎ、歌舞伎町浄化作戦といういらぬお節介的な政策のせいで、歌舞伎町という街が、いかに骨抜きにされ、猥雑さと面白味が無くなってしまったか。
健全な社会といえば聞こえはいいけど、古き悪き時代というものはとっても貴重であり、又、時代という流れの中で、限られた期間にのみ存在したかけがえのない黒い光であったのだ。
そして、高度成長期を頑張り抜いた、サラリーマン達の陰のエネルギー源だったのではないだろうか。
こういう、時代を強く反映した映画を観ると、清く美しい現代の社会は、実に面白味に欠けるものだと感じずにはいられない。
こうして、“東洋一の歓楽街”と謳われた新宿歌舞伎町は死んでいくのだと・・・