101.《ネタバレ》 つまらなくはありません。
でも「面白いか?」と問われたら、悩む所です。
シリーズの続編作品が一作目と比較されてしまうのは常ですが、スクリーム・シリーズの場合、
1の完成度も満足度も高かっただけに、尚更そのハードルは上がってしまうのでしょう。
単純に『犯人探し』の点においては、前作に引き続き最後まで飽きさせる事はありません。
(共犯説は薄々感づいてはいましたが)
犯人の動機も、「浅はかでだがサイコ的」と「古典的」の両方が使われていて、バランスは良いです。
では、本作と前作の決定的な違いは何か?
それは『主人公のシンディの行動』の違いだと、私は思いました。
1作目のシンディは、様々な意味で「被害者」でした。
実母がレイプされ殺されたり、何故か自分が狙われたり、その所為で多くの友人を亡くしたり、
果てには彼氏がサイコ殺人犯だったなんて、これは悲劇以外の何物でもありません。
元凶はシンディの母なんですけどね。
だから、娘であるシンディは完全にとばっちりを喰った訳で、直接的に彼女が要因で人が死んだ訳ではありません。
しかし、本作ではシンディ自身の行動に依って犠牲者が出てしまいます。
親友の殺害シーンなどは、まさにそれではないでしょうか?
せっかく二人で逃げおおせる事が出来たのに、シンディの軽率な行動で親友は死んでしまいます。
彼氏に関しては、シンディの過去を鑑みると、判断が難しかったと思います。
これは彼女を責められません。
ですが、1作目と比べても、彼女が『被害者である割合』が本作では圧倒的に落ちているように感じました。
その辺りが、2作目におけるパンチの弱さだったのではないかな?と思います。
ただ、それを許せてしまうのは、ゲイルとデューフィーの恋の行方の功績でしょう。
本来ならシンディの負のオーラで重苦しい雰囲気になってしまう本作も、彼ら二人のお陰で心に安らぎをもたらしてくれます。
その意味で言うと、本作はホラー要素以上に恋愛要素・人間模様にスポットを当てていたのかもしれません。
ホラー映画としては物足りなくもありますが、続編と認識した上でストーリーやキャラクターを楽しむのであれば、
十分に満足の行く仕上がりになっているのではないかな?と思います。