39.ネタバレとは言えない程度に最初のシーンを紹介すると、ヒロインが突然主人公を誘うように走り出し、踏切ごしにブリッ子的ポーズをとりながらブリッ子的声でこう言う。 「来年も一緒に桜…みれるといいね」 …ウゲー、と思った。このクッサいシーンを白けた顔で見ながら私はこの映画のすべてが分かったような気がした。そして我慢しつつ視聴して、この予感が当たっていた事を確信した。例えるなら自作の黒歴史ポエムをウットリしながら朗読してる人を見たような気分。顔を背けたくなるような恥ずかしいシーンとセリフのオンパレード。加えて背景見せたげに無意味にポンポン切り替わるカメラ、死んだ魚のような目をしたキャラクター達、気持ち悪い声優の演技にうんざり。思い出語り的進行とはいえ心情を口で説明しすぎてるのも☓。見所として挙げられる背景も確かに綺麗なのだが、配色と光を誇張してリアリティがなく、綺麗に描きすぎていると思った。正直シネマレビューで酷評する気マンマンで見ていた。 が。観終わった後に妙な感情が湧いてきた。学生時代の事を思い出しながら自分もあんなだったなあと、ちょっとした感傷に浸った。綺麗なだけに見えた背景も、そういや思い出の中の風景ってあんなだよなあと評価が変わった。内容にしろ風景にしろ、自分の思い出とリンクして、何かいいものを観たような気がするのである。不思議だなと思った。 が、やはり観てる間苦痛だったのは間違いないので、この点数にした。大変惜しい映画だと思う。どっかで見聞きしたような表面的で薄っぺらい「カッコイイ」「キレイ」「感動的」な表現を捨て、真正面からモノを捉えて映画を撮って欲しい。 【sinbo】さん [DVD(邦画)] 5点(2011-07-06 10:01:15) (良:1票) |
38.第一章「桜花抄」の完成度はすさまじく、台詞のタイミングから音楽の休符までが計算されつくした美しさを感じさせる。このレビューを書くのは2011年。公開から4年が経過している。それでも「うだるような暑さ」というキーワードで、この物語を思い出してこのレビューの執筆のためにキーボードを叩いている。これは傑作のしるしだと思う。会えないつらさに共感を抱かない男子はいないだろう。ただ最後に駅を出た二人がキスをして納屋で一夜をすごすというくだりでいっぺんにリアリティを失う。それはないだろ。そして第2章「コスモナウト」になるとメッキのはげがめだちはじめる。映像の美しさがこの映画の構成要素の重要なファクターだが、2章では人物のラインの未熟さが目立っているのだ。それと結局恋愛が成就しない理由は主人公(つまりは監督)がもてないせいなのだが、2章の存在は「いやいや違う。もてなかったわけじゃない。」という言い訳に見えてしまうのだ。 【承太郎】さん [インターネット(字幕)] 8点(2011-07-05 01:44:01) (笑:2票) |
37.基本、新海誠の完全コントロール下に置かれたアニメであるという所での完成度の高さはピカイチですが、ドラマ自体の完成度が低すぎます。単なる主人公の移ろう姿を桜の花びらの落下速度やロケットキャリアの速度に重ね合わせているのは判るのだけど、物語としての結末を自らが提示出来ていないというのはこの映画の一番残念な部分だろうね。こうした完全に自我丸出しの映画の場合、観ている側は作者の行き着いた先をちゃんと見たいと思う筈だけど、そこをすかしてしまっているから、ポカンとしてしまうしかないのがこの映画だと思います。映像の綺麗さ、美しさとかに、あたしら見ている側は捉われがちだけど、必ずしもそうしたものだけを期待していない人だっているという事を、製作者は理解していなければいけないと思うんだよね。その意味では物語や演出に主眼を置いている人達は完璧に置いていかれたと思います。あたしもそのひとり。自分の好きなように作って公開する、というのはある意味、製作者の理想かもしれないけどね。あたし自身はこの映画を見てちっとも楽しめなかったし、この物語に映像の美しさが必要とも思えませんでした。日本のアニメには基本高い点を付けたい所ですが(あ、最近のジブリ作も駄目ですが(笑))、残念だけどこれが精一杯。 【奥州亭三景】さん [DVD(邦画)] 4点(2011-06-30 12:24:13) (良:1票) |
36.3部構成で、第1話が中学生時代、第2話が高校生時代、第3話が大人になってからの話となっている。特別に感動的だとか、面白いとか、そういう訳ではないが、新海作品の特徴である作画の美しさに魅せられた。静かで切ないストーリーもさることながら、それ以上に画そのものが訴えかけてくるようで、最初からしんみりモードに入る。尺は約1時間だが、十分に満足感がある。というか、これが2時間続いたら疲れてしまうことだろう。唯一残念なのが第3話の手抜きっぷり。消化不良を起こす。 【リーム555】さん [DVD(邦画)] 8点(2011-06-12 11:05:12) |
35.ストーリーがなかなか現実的でいいと思った。種子島、いいですね。 綺麗な作品です。 自分の中学高校時代は作中のようなことなどとはほとんど縁がなかった。 もっと精神的に幼かったなあ。 【アンダーソン君】さん [DVD(邦画)] 8点(2011-05-28 23:16:00) |
34.この監督の作品は全て見ているが、とりわけこの短編集は好き。 短編集といいながらも、登場するキャラクターは同じ。 キャラクターの性格の変化、成長などを描いている。 個人的にはラストの秒速5センチメートルが一番好き。 5分位の短い作品だが、新海監督の集大成のような気がする。 本当に、音楽に合わせた映像が上手い。 |
33.音楽は物語を際立たせるためのアイテム。料理で言えばお皿です。良いお皿は料理を美味しくします。でも『秒速5センチ』では、山崎まさよしの楽曲が主役でした。『One More Time~』を愛でるために物語が盛られているような。本作がプロモーションビデオといわれる所以です。コース料理の1品目、2品目と料理の味を吟味していたところ、メインの3品目で皿が主役の料理が出てきたらどう感じるか。そりゃ戸惑います。あるいは皿に負けぬ料理だったら気にならなかったかもしれない。『One More Time~』が本作のために書き下ろされた楽曲ならば監督の手柄だったのですが…。新海監督の描く世界はポエムなので、好き嫌いが分かれてしまうのは仕方がないところです。 【目隠シスト】さん [CS・衛星(邦画)] 5点(2010-12-12 19:29:00) (良:2票) |
32.1時間程で見終わる青春映画。 その余韻からは1時間では現実世界へとは帰っては来れない。 帰り道であの頃の恋心を見つけてしまったから。 【がらんどう】さん [DVD(邦画)] 8点(2010-01-11 14:57:36) (良:1票) |
31.作画、構成9点。内容3点でした。全体的に狙いすぎで恥ずかしくなりました。山崎まさよしの歌も作中の雰囲気と合いすぎてて逆に破断してました。ただ、新海監督の才能は高評価です。 【アフロ】さん [DVD(邦画)] 5点(2009-07-04 07:04:18) |
30.分かっていてもPVとしての効果絶大。いわゆる草食系男子がお好きな方はどっぷりはまれるでしょう。断じて私の好みではないが、案外この主人公のような男子が今の日本には多いのではないでしょうか。逆に、ヒロインのような女子はほぼ絶滅傾向にあるかと・・。つまり、今時の若い日本人男性の妄想を極めた作品として完成度が高いと思います。 自分は女子のアニメ声が苦手なのでそこだけは引きましたが、映像の美しさで癒されました。日本のアニメ職人は良い仕事しますね~。外人の友達に「日本のアニメのすごさが分かる作品は?」と聞かれたら自信を持っておすすめしたい1本です。内容は理解されないかもしれないけど。 【lady wolf】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2009-04-16 15:12:48) (良:1票) |
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29.久しぶりに心が洗われるアニメを見ました。絵も綺麗で、ストーリーも現代的・現実的でありながら3部構成になっていて、心惹かれる作りでした。最終話での主題歌の使い方は、理想的。素晴らしいです。 下で【アンドレ・タカシ】さんが言っているように、アニメならではの表現方法があってこそストーリーが強調されて心に染み入るのですね。第1話での焦り、第2話での心の葛藤と、青春時代を通り過ぎてしまった大人にも手に取るようにキャラクターの心情が伝わってきました。切ないエンディングも、誰かの人生を見るようで感心しました。 【mhiro】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2009-03-15 21:21:33) |
28.はがゆくてせつなくて好きです。もしあの時にどうこうしていたら違う未来になっていただろうという紙一重なところも。 宇宙船のコスモナウトが「ほしのこえ」の作品にも出てきていたのもよかった。 【BOW】さん [DVD(吹替)] 8点(2008-12-27 11:20:29) |
27.訳ありで鑑賞。それが無ければ間違いなく見なかっただろう。オタク系の方を別にして、ある程度の年齢になってからこの手の作品を鑑賞することの意義を感じた。きっとやつれた心が背負った過去への免罪符をそこに探し求めているというのは言い過ぎか。 |
26.小中学校の頃の恋愛ごっこを大人になっても引きずっているなんてこと,普通はないでしょう.最後に歌で無理やりごまかして終わらせてしまうのも,この話ではいたしかたない所か. 【マー君】さん [DVD(邦画)] 4点(2008-09-13 16:25:15) |
25.以前から思っていたことだけど、この映画を観て再確認したのがアニメーションという手法の特殊性。実写に比べて重みや深さで劣ることもあるが、絞ったテーマを「ピュアに抽出」して表現できるという特性を持っている。例えば第一話の雪で列車が遅れるシーンは「焦りと不安感」が切実に表現できていると思うけど、仮に絵がそのまま実写になったらどうだろう? 列車や駅のディテール、他の乗客の表情といった情報まで目に入ってきて、主人公の心情にどこまで肉迫できていたかには疑問符が付きます。不必要と思われる情報を自由に割愛できるからこそ、伝えたいことだけに焦点が絞られて、演出意図を浮き彫りにできる。もちろん、上手く演出された時に生きる特性ですが…。 ストーリー自体はどこにでもあるお話です。成就しなかった初恋は当事者の人生に何らかの痕跡を残し続けるものです。その誰にでもあるお話を、アニメーションならではの「抽出」によって見応えのあるものに昇華した作品だと思います。 個人的にはキャラクターが喜国雅彦氏が描くマンガに似ている気がして、いきなりお下劣な冗談を言い出さないか最後まで不安でした(笑)。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2008-09-05 03:44:13) |
24.風景はきれいです。 お話の内容は、うーむ 私が高校生だったら あるいは きゅ~んときたのかもしれないケド。 新海さんは ハルキストらしいけど たしかに台詞にその傾向が感じられました。 【ckeru】さん [DVD(邦画)] 5点(2008-09-02 19:48:44) |
23.ストーリー自体はダメ男のグジグジした愚痴以上でも以下でもないのでどうでもいいんですが、やはり注目はその映像の美しさ。もはや2次元アニメーションの限界に達した感さえあります。ただ、背景画と動画の質感の落差が大き過ぎるのがやや難点。もう少し動画部分(特に人物)が緻密に描かれていたらよかったんですが…。 【とかげ12号】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2008-08-06 22:45:01) |
【なますて】さん [DVD(邦画)] 4点(2008-07-17 23:03:32) |
21.これだけ絵がきれいだと、実写よりも説得力がありますね。自分がもっと若くて感受性豊かなときに観ていたら、評価も違ったかも。 【よしふみ】さん [DVD(邦画)] 6点(2008-06-30 09:25:17) |
20.自分も若かったら点数高かったかもだけど、今となっては大甘な話にげんなり。。大人が商売でこういう話を作るのはどうかな。 【たかちゃん】さん [CS・衛星(邦画)] 3点(2008-05-13 15:32:43) (良:1票) |