7.最後の母娘旅行の2人の会話がなんとも味わい深い。楽しいけれど最後の夜の寂しい修学旅行をオーバーラップさせ、2人と亡き夫・父と過ごした生活の楽しさと、母娘の暮らしが終焉を迎える寂しさが滲み出ている。原節子の科白「ここでゆで小豆食べたこと、いつまでも覚えているわ」は、見ている誰もが持っていそうなそれぞれの「ゆで小豆」を呼び出してきそうで、いつまでも覚えていそうな科白である。ラスト、アパートの一室で一人床につく原節子の表情、その宅の前だけ消えているアパートの電灯。母娘の周りで動き回っていた人々がフェードアウトされていったかのようであった。 【彦馬】さん 8点(2004-03-27 18:39:31) (良:1票) |
6.確かに晩春の母娘バージョンといった感じですが、晩春はもっとじんわりと情感を出していたが、こちらの方が全編にわたりコミカルさがあり可笑しい。それぞれの家庭の姿もよく出ていたし、パパと言う言葉をはじめて聞いた気がします。また画面の構図、構成の美しさにおいてはこの映画が極みなのではないかと感じました。 【亜流派 十五郎】さん 8点(2004-03-15 12:15:57) |
5.ラストシーンを見て、この映画の主役はやはり原節子なんだなあと思った。生真面目な司葉子も、おきゃんな岡田茉莉子も若くて綺麗で良いが、この歳だと、老けたとは言え原節子の落ち着いた美しさの方が、現実味があって惹かれる。中年の男では、ひいきの佐分利信がやはり一番で、彼なら節子さんもOKしたのではないかと思ったりした(ドラマの本筋とは関係ないですが)。 【きりひと】さん 9点(2004-03-03 06:57:20) (良:1票) |
4.とてもよかった。司葉子さんが清純でキリっとしてていいです。母娘愛ものなんですけど、娘がちょっとマザコンすぎるような・・・。オヤジ3人組はセクハラっぽい・・・。最後はなるようになったという感じ。 【バカ王子】さん 9点(2004-01-10 05:43:23) |
3.北龍二さん、佐分利信さん、中村伸郎さんのおじさんトリオ、生き生きしている岡田茉莉子さんが印象的です。 【its】さん 7点(2004-01-07 00:41:58) |
2.始めて見た小津作品。最初は妙な間の取り方、棒読みセリフに戸惑いましたが、段々引き込まれていく。不思議です。 【ロイ・ニアリー】さん 7点(2003-12-12 11:13:18) |
1.「晩春」で父娘の結婚話だったのが、これは母娘で同じような娘の結婚話。亡くなった父親の友人たちが娘の結婚話のおせっかいをするのだが、残される憧れだった美人の母をそのうちの一人がもらっちゃおう、と都合よく画策する。時に小津作品には男性優位が覗くのを感じてしまう。女は男に都合のいい道具扱い程度の存在に描かれてたり、家庭で妻は夫が脱ぎ捨てた背広を拾って片付けてるなど、妻は召使のように世話を焼いていたりする。ユーモラスな会話といわれるおじさんたちの会話はセクハラまがいのいやらしさが覗いて気になる。 【キリコ】さん 6点(2003-12-01 12:38:23) |