6.経済白書に「もはや戦後ではない」と記された昭和31年、しかし子供達の視界の其処彼処に、そして大人達の心の中には確かに戦後があった。いや、そこはまだ終戦さえ迎えていなかったのかもしれない…。個人的に一番のシーンは、喜一がおもむろに「戦友」を歌い出したシーン。ここには思わず笑ってしまったのと同時に、何とも言えない悲しさを感じた。また、藤田弓子が凄い女優だった(過去形でいいのかな?)のにも驚いた。全体としては良作だと思いますが、ノスタルジーを前面に、そしてくどい位に押し出してしまったラストが作品の魅力を減耗してしまったと思う、6点献上。 【sayzin】さん 6点(2004-08-16 13:33:21) |
5.すごく丁寧に作られた作品だなーって感じでした。俳優さんの演技も良かったあ。田村高廣演じるお父さんはいかにも「古き良き、日本のお父さん」で、寡黙な中に滲み出る優しさが魅力的。藤田弓子のお母さんもいかにも「母は強し」な包容力を感じさせて素敵。あと子役の三人、特にきっちゃんが素晴らしい。どうやって演技指導したんだろう?作品の内容も戦後の荒廃から立ち直りつつある中で尚も人々の中に残る戦争の傷跡を瑞々しく描いていてしみじみしました。ただ・・・きっととても水準の高い作品だからこそワガママを言いたくなってしまうのだろうと思うのだけど、もうちょっとラストを盛り上げて欲しかったような気もしました。あるいは逆にばっさり描写を省略してしまうとか、ね。 【ぐるぐる】さん 7点(2004-07-27 17:40:38) |
4.子供の視点で忠実に描かれていてすばらしい映画でした。自ずとノスタルジーに浸れる場面も少なからずありました。物語はよくわからないうちに強制終了的に一段落し、おそらく今もあいまいなままになっているというような最後でしたが、原作もいずれ読んでみたいと思います。それほど古くないのにモノクロ作品ですが、仮にカラーでも映画の印象はあまり変わらなかったのではないでしょうか。それにしても、田村高廣と藤田弓子演じる両親が常に優しくて感心しました。家庭のあり方を見せつけられ反省です。「子供に責任はない。(子は)親を選べない。」 物質的に多少貧しくても、ノブちゃんはきっと幸せですね。 【黒い鶫】さん 8点(2004-07-25 12:40:24) (良:1票) |
3.風景のすばらしさ(絵はがき的な美しさではなく)、親子の情愛、作品全体に漂うノスタルジアの趣。どれをとってもわたしには、中国映画「山の郵便配達」より数段上だと思いました。ま、勝手な比較ですが。私の中ではほぼ満点なのですが、主役少年の皮下脂肪に減点1。 【karik】さん 9点(2004-05-07 19:09:43) |
2.少年はいつから美しさを理解し、いつからそこに妖しさを求めるようになるのか。少年は確かに妖しい美しさに惹かれた。憧憬が引き裂かれ、そして哀しみを知った。闇の存在を感じた。幼い純真な心に響く哀しみの和音。辛くとも生きていく、その意味の不可解さ。忘れられない情景。そして、情念が芽生えた。 【onomichi】さん 9点(2003-11-07 01:46:39) (良:1票) |
1.小栗康平監督が「流星人間ゾーン」というお子様怪獣モノTV番組の演出を担当していたってコトは君と僕だけのヒ・ミ・ツだよ~♪加賀まりこの色っぽさと子役演技に…乾杯! 【へちょちょ】さん 7点(2003-10-30 23:49:17) (笑:1票) |