63.これはすごい。「ゴジラは子供向けの、ちょっと憎めないカワイイ怪獣なんだぞ、悪い奴もやっつけちゃうぞほれほれかっこいいだろゴジラって」というイメージしか“ゴジラ”に対して抱いていなかった私は、甘かった。“ゴジラ”はれっきとした大人向けの社会派映画であり、また反戦映画でもあります。ゴジラは、人間が水爆実験という形で生み出した、いわば“兵器”の象徴であると、私は考えています。人々が恐れおののき、逃げ惑う場面など、まさに“兵器”。建物が次々となぎ倒され、街全体が火の海と化してしまう場面は、“大空襲”などという言葉を彷彿とさせます。かといって、ゴジラは人類にとって憎むにたるべき存在であるかといえば、そうではない。ゴジラは、本来ならそこにいてはいけない、いるはずのない存在。それなのに、人間の勝手な操作により生み出されてしまった、いわば「哀しい存在」なのです。人類にとって本当に憎むべきはゴジラではなく、人類そのものなのかもしれません。 ……とまあ、真面目に語ってみましたが、この映画、純粋に面白かったです。54年だし、白黒だし、さぞかし映像もしょぼいのだろうと思ったら、全くそんなことはない。むしろ今のゴジラよりはるかにインパクトはあり、恐怖感、そしてリアリティもありました(ヒッチコックの『サイコ』みたいな怖さですね)。白黒だからこそ出せるこの恐怖感。まあ今のゴジラ映画に白黒にしろとまでは言いませんが、少しはこの頃の気持ちに戻ってほしいものです。 と、いうワケで、文句なく10点献上!上記の通り、ゴジラはヒトによって生み出された“哀しい”存在。昔軽率に「生まれ変わったらゴジラになる!!そして学校を踏みつぶす」とか言っちゃってごめんねゴジラ…。ほらっエメリッヒも一緒に謝んなさい!! 【Ronny】さん 10点(2004-11-16 00:28:20) (良:2票) |
62.私は元祖「ウルトラマン」が大好きなのですが、その前シリーズである「ウルトラQ」はもっと好きです。ちなみに『ゴジラ』は、エメリッヒ版を除き、今の今まで一度も観たことがありませんでした。観賞して驚くのは、怪獣もののストーリーの原型が、本作の段階で既に完成していたということ。それでいて私の点数は低めなのですが、これは「点数は個人的な面白度の数値であって、歴史的価値や名作度は評価対象にしない」という方針からです。そういう部分を加味すれば間違いなく10点でしょうが、私が楽しんだのは6点という意味です。『ゴジラ』の価値を疑っているわけではありませんので、どうかお間違えなく。 【円盤人】さん 6点(2004-10-06 19:57:05) |
61.記憶に新しい戦争の記憶、癒されぬヒロシマ・ナガサキの傷あと、ビキニ環礁水爆実験の現実、核兵器が世界に広がっていく言い知れぬ恐怖。当時、日本人だけが持ちえたであろうこれらの不安と怒りのメッセージを、ひとつの映画に込めようとしたスタッフの情熱と、天才特撮監督円谷によって生み出された傑作。ゴジラが永遠にゴジラであり続けるのは、この作品によって誕生したからである。末裔がプロレス界入りしようが、アメリカに渡ってジュラシックパークでアルバイトしようが、腐ってもゴジラなのだ。 【パセリセージ】さん 10点(2004-09-28 19:51:51) (良:1票) |
60.最近のゴジラといったらどうも他の怪獣と対決しているイメージが強く、"いい奴"としてのゴジラをまず想像してしまう。映画館に押し寄せるゴジラファンは何を期待しているかといえば、間違いなくゴジラが大都市を破壊し尽くすシーンだろう。この元祖ゴジラはその後の怪獣バトルを考えると、数少ない「人間たちを照準とした」作品で、都市の破壊こそが信条だった。「ゴジラが来る夜に」という非常に面白いゴジラ論では、この作品において「怪物が現れた、怪物を殺せ」ではなくて「怪物が現れた、人間が変われ」という可能性を提示したと書いている。そうなるとゴジラとは一体何なのか。シリーズを通してそのあり方を何度か変化させたゴジラはそれぞれ別のものなのか。怪物とは人間の内に潜む恐怖(とは言い切れない部分もある)が具現化したものであり、それが人間に悪い影響を与える。これを「殺す」というのは何だか気味が悪い。それは自分を殺すという意味でもあるから。 【Qfwfq】さん [映画館(字幕)] 9点(2004-09-24 16:57:52) (良:1票) |
59.歴史的価値があるので映画のみでの評価は難しいですね。 【かじちゃんパパ】さん 8点(2004-09-17 11:05:17) |
58.「モノクロのリアルさ」を肌で感じられる作品。おかしな表現ではあるが、CGバリバリの今日の作品よりもモノクロの良作の方が圧倒的なリアリティを持っている。恐怖と混乱に満ちた東京が本当に怖い。子供の頃は怪獣がなかなか出なくて退屈だったが、改めて観ると完成度の高さに度肝を抜かれる。本作に感激した方、あまりの面白さについ子供に観せたくなるその気持ちはよく分かるけど、子供が大きくなるまで待ちましょう。 【えいざっく】さん [ビデオ(邦画)] 9点(2004-09-05 08:01:40) |
57.昭和29年に「娯楽大怪獣映画を作ろう!」という勢いで、(当時にしては)ココまでビックでスケールのデカイ作品が出来たという事に感動。伊福部サウンドの「ゴジラのテーマ(?)」も、良いな。格好良いな。ステキだ!水中酸素破壊装置(オキシジェン・デストロイヤー)を沈めるラストは、ウッカリ泣いてしまう感動シーン。名作だよねぇ…。 【aksweet】さん 8点(2004-08-28 11:44:44) |
56.初めて初期の作品を見ましたが,ゴジラの造詣が70年代のものより迫力ありましたね。なんで段々と迫力のないゴジラになってしまったんだろう。やっぱり子供向け映画に成り下がったからかな。映像的にも70年代ゴジラよりも優っている感じがする。 【北狐】さん 8点(2004-07-22 11:13:58) |
55.今までゴジラシリーズはまったく未見で、どうせ見るなら原点である第1作目をと思いました。最初は昔の芝居に違和感があったけどすぐに慣れました。それに戦後間もない日本の姿を垣間見ることもできました。ゴジラの襲撃シーンがいくつかありますが、その特撮、音楽、音響効果が秀逸です。ゴジラの姿が見えない時でもその圧倒的パワーを感じます。さて、最後は人間の手により海の藻屑と化したゴジラですが、私はいいようのない無念を感じました。自分たちの行為で生まれた生物を自分たちの手で滅ぼしてまで生き延びようとする人間に嫌気がさしました。人間よりも、人間の都合のいいようにされたゴジラの方が哀れで仕方なかった。ハイ、結局のところ私は根本的には人間嫌いなのです。だからゴジラの方に感情移入したのだと思います。 【ピンク】さん 8点(2004-06-23 15:29:06) |
54.リアルタイムで見たわけではないこういう映画をどう評価するかはほんとに難しい。 僕は、東宝チャンピオン祭りでゴジラを見ていた世代だから。(キングギドラやミニラを先に見てるんだよねぇ、いやキングギドラは大好きです^^) 伊福部の音楽や「ゴジラがこちらに来ます」の名アナウンス等、映画の中に好きな要素はたくさんあるが、 オキシジェンデストロイヤーで魚が骨になるシーン等、初見の時点ですでに笑っちゃうようなしょぼいシーンも結構あり、 (なんで酸素を破壊すると骨になるんだよ..) また、モノクロ映画だったが為に粗が目立たなくて助かってる面や、独特の重厚さをかもし出せてるのかな、と思える面もあり。 歴史的意義など考慮し始めると神格化が発生し点数つけれらませんのでとりあえず素直に点数つけて.... しかし、ゴジラに低い点数つけるのは黒澤映画に低い点数つけるのより勇気いりますね。 【あばれて万歳】さん 6点(2004-06-18 14:08:09) (良:3票) |
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52.ゴジラの成功は、稀代の作曲家、伊福部昭の存在無くして ありえなかったと思う。あの音楽が無ければ、単に円谷英二 の特撮だけが光る怪獣映画に終わっていたはず。 【サラウンダー】さん 7点(2004-06-14 01:57:00) |
51.半世紀前の怪獣映画でビビるとは思ってもみませんでした。 最近のゴジラは体付きとか、火炎放射が怖い。でも、この作品の ゴジラは目が怖い。言葉にならない思いでいっぱいです。 【ボビー】さん 8点(2004-03-25 18:11:35) |
【ゆきいち】さん 1点(2004-03-05 01:48:53) |
49.この映画を最初に見たのは小学生のときだった。怪獣が暴れ回るシーンに釘付けとなり、他の部分に目が行かなかった。人間のドラマを理解するには幼すぎたのだ。そう、この映画は単なるSFX、アクション系の映画ではなく、人間達の苦しみや自己犠牲などが描かれているのですよ。ラストも印象深いが、短いシーンでこんなのがあった。ゴジラに破壊されていく東京の街で、逃げ遅れた母親が子供を抱きしめて「もうすぐ、おとうさんのところへ行けるからね。」と語りかける場面が忘れられない。 【駆けてゆく雲】さん 7点(2004-01-13 23:46:56) |
48.当時のスタッフの心意気を強く感じるんです。「怪獣映画を作ろう 同じ作るなら子供向けってだけじゃなく世界に通用するヤツにしよう そうだ世界の度肝を抜いてやれ! 日本の映画産業ココにあり!っていう怪獣映画さ! で、日本人ならではって何だ? 日本ならではのテーマ『ヒロシマ・ナガサキ』さ! よしタブーに挑むか! ビキニ環礁の実験があったばかりだからな!」全編から、そんな言葉が聞こえてきそうだ。すさまじい勢いがある。きっと撮影の現場も熱かったことだろう。この熱気はそのままフィルムに焼きついたかのように、半世紀以上たっても現代の観客を圧倒する。このフィルムが映写機で回り出すと、日本映画の復興に掛ける男たちの思い、被爆と終戦の悲しみ、失意、憎しみ、もう全てがない交ぜになった怨念とも執念ともつかない、エネルギーが噴出してくるような錯覚に襲われる。そう思うとゴジラの、あの白目をひん剥いたような眼!まさに日本映画が世界に向け“ガン”を飛ばしんたんだな。確かにこわい。未だに僕はビビってしまいます。 【BUNYA】さん 10点(2004-01-02 21:29:24) (良:2票) |
47.う~ん、神格化されすぎ、っていう気はしますねぇ。モノ的には当時アメリカでも良く作ってた「モンスター・パニック」なんですが、そこに(ああ言う、子供にも好かれる様な映画で)「反核」のメッセージを入れた事は素晴らしいと思います。全編見渡しても良く出来ているし、アメリカの物より勝っているのは明白なのですが、中盤がちょっと「ダレ気味」だった様に思われます。「要素」としては、60分なんですよね。どうせ「ゴジラ」より「人間」に重点を置いているのならば、もっと「人間模様(勿論、芹沢博士中心に)」を深く掘り込んでいても良かったかな、と。まあ(子供向けに作られた訳だし)当時じゃ無理か。それでも、これだけの物を作れた事には、拍手を送りたいと思います。 【こじろう】さん 7点(2004-01-01 22:10:46) |
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45.言うまでもなく、ゴジラという不滅の怪獣キャラを生み出した作品だが、私の世代の「○○対ゴジラ」以降のキャラクター映画とは全然別物である。本作を初めて観たのはミニラなんかよりも後だったと思うが、ゴジラって怖い奴だったんだなとビビった記憶がある。TVの怪獣バトルの洗礼を受けた私のような特撮ファンにとっては、怪獣映画というより反核映画である。従って、怪獣映画を求めている未見の若い世代の方には、コアなファンによって神格化された評価に左右されることなく、まずは原点を観てみるというフラットな気持ちで臨んだ方が、意外な感動を得られるのではないかと思います。 |
【コダマ】さん 6点(2003-12-04 00:26:42) |