53.邦画では描けないであろう描写とリアルさがあった。しかし、この作品を硫黄島戦を描いた映画とするにはもの足りない。西郷達の部隊は逃げてるだけで、まともな戦闘を ほとんど行っていないし、栗林中将の戦術もいまいち伝わってこない。監督が彼に興味を持った原因の一つとなった、その異色ともいえる戦術、それが満足に描写されていないのはどういうことなのか。これでは硫黄島で戦った日本人がそこで何をして、そして死んでいったのか、何が起こっていたのかがわからない。大多数の日本人が硫黄島の戦いなんて知らないのだから、それこそを教えて欲しかった。地下壕掘りの過酷さ、自爆攻撃、地下壕網を使って米軍相手に奮戦する姿を。パンフではしきりに米の被害が日本のそれを上回ったことが書かれているが、映画を見てもそこには、それを感じさせる描写などはまったくない。36日という日数の経過が感じられないのも、それに拍車を掛けている。不満ばかり書いたけど、十分見る価値はある。 【ういろう】さん [映画館(字幕)] 5点(2007-03-18 19:33:15) |
52.香港の映画館では、学生が多く観に来ていました。 日本兵が自決を選ぶシーンではあちこちから チーシン(Crazy)という声が上がり、 日本人とばれるのが少し恥ずかしいという気持ちになりました。 まさにいかれていたのでしょう。 この映画、おもしろいとは思いませんでしたが、 星条旗と併せて一度は観ておく映画だと思います。 生きて帰った兵士のその後はどのようなものだったのでしょうか。 |
51.今まで見た戦争映画の中では間違いなく一番「怖い」作品でした。とにかく刻一刻と迫り来る死への恐怖感がもうハンパじゃない(集団自決のシーンはトラウマ必至)。胃は2時間半の間キリキリ痛みっぱなしで口の中はカラカラ、映画を観ていてこれほどフィクションであることを忘れたのは初めてです。『父親たちの星条旗』とは対照的にドラマ的な面白さを一切廃し、ただただ敵に追いつめられていく日本軍の様子を淡々と捉えたドキュメンタリーのような構成だったからこそ、ここまで圧倒的な恐怖の再現が可能だったのでしょう。戦場にドラマなどない、あるのは血と恐怖と死が織りなす地獄のみ……。硫黄島からの手紙、確かに受け取りました。 【とかげ12号】さん [映画館(字幕)] 9点(2007-02-28 23:00:16) (良:1票) |
50.おととい遅ればせながら観てきました。 …観る前、実はちょっと心配でした。 「よく終戦の日あたりにテレビでやっている特別ドラマと大して違っていなかったらどうしよう」とか、「『アメリカ人が撮ったわりにはよくできているじゃないか』なんていうのが主な感想になる程度の出来だったらどうしよう」とか。…でもそんな心配は杞憂なものでした。この作品がアメリカ映画であるということとかイーストウッド作品だということ、そういうのを抜きにしても私にとっては十分楽しめる作品、そして心に残る作品だったのですから(実際映画が始まるとイーストウッドのことはほとんど思い出すに鑑賞できたくらいです)。 …私は今楽しめる作品と書きましたよね。 このような戦争における部隊の全滅を描いた作品、いわば生と死の極限状態を描いた作品でありながら「楽しめる」という言葉に抵抗をもつ人もいるかもしれません。でも正直「戦争の悲惨さを考えさせる」とか「命の尊さを考えさせる」とか「日米のあらゆる違いを考えさせる」という啓蒙的要素よりも、あんなにも悲惨を極めた「硫黄島の戦い」を映画という娯楽として多くの人々に観せることができたことが、この映画の特筆すべきことではないでしょうか(イーストウッドという色眼鏡なしにこの作品を鑑賞したつもりの私ですが、今思ってみるとそういう点では「許されざる者」にも通じたものがあるのかもしれません)。およそ目を背けたくなるような悲惨なシーンも色のトーンの工夫などで上手く美しく表現しているところなど、心憎いようです。2時間半にも及ぶ時間を、ときおり回想を含ませているとはいえほとんど地味な戦場ドキュメンタリーのような様相を見せながら最後まで観客を引っ張っていく力は一体何によるものなのか?シナリオなのか役者なのか監督の手腕なのか、そんなことすら私にはわかりませんでしたが、とにかくあっというまの2時間半だったことは確かでした。 本来ならば10点を献上したいところですが、2部作の片割れ「父親たちの星条旗」を未見であること、あと鑑賞直後の一過性の陶酔である可能性、そしてやはり外国作品であるがゆえのほんの些細な「言葉の不自然さ」(とくに雑音として入ってくるセリフの端々に見られました)のため1点マイナスさせてもらいます。今度は「父親たち・・・」を鑑賞後すこし時間を置いたうえでまたこのレビューを書かせてもらいたいものです。 【ぞふぃ】さん [映画館(字幕)] 9点(2007-02-19 17:41:18) (良:2票) |
49.映画の内容についてのコメントはしずらいなぁ~。戦争を知らない・知ろうとしない人間がペロっと喋っていいもんでもない気がして。 あ。映画館の雰囲気が、通常の洋画(一応…)とは違って年齢層高く、苦笑シタ。そして、以前からよくゆってんですが、謙さんの死にっぷりはもう名人芸の域ですネ。 【ちっちゃいこ】さん [映画館(字幕)] 7点(2007-02-15 16:39:14) |
48.本当に日本人じゃない監督が作った作品なのでしょうか?もちろん細部に日本人の観点から見ると違和感を感じる部分はありますが、全体的には非常に完成度が高く、素晴らしい映画だと感じました。渡辺謙はもちろん、日本人俳優が本当によく頑張っていたと思います。個人的には「父親達の星条旗」の方が映画の完成度としては寸差で高いと感じますが、よくぞここまで日本の事を研究して映画を作った事に驚嘆します。若干気になった点は皆様もご指摘の通り、日本軍のエキストラや俳優陣が少ないせいか数十人からせいぜい数百人程度で戦っている印象が強く、あの戦いで日本側だけでも2万人以上の方が亡くなられている事を思うと、少々こじんまりとした戦いに感じてしまいます。 【はむじん】さん [映画館(邦画)] 8点(2007-02-14 02:46:39) |
47.太平洋戦争の中でも最も過酷な戦いと言い伝えられているのが、本作で描かれている硫黄島での攻防戦である。それは、記録映画やニュース・フィルムでしか知らなかった我々日本人が体感する、恐らく初めてと言ってもいいほどの本格的な映画化であり、しかも日本人が遠く忘れ去ってしまった感のある出来事を、米国人の手による映像化で喚起させられたと言う事には感慨深いものがある。実在した歴史上の人物と無名の兵隊たちとの物語を巧みに綴った原作を基に練り上げられた脚本も然ることながら、これが本当にハリウッド映画なのかと目を疑いたくなる程、日本人の心情を見事に描ききっている。共同制作がS・スピルバーグ、脚本にP・ハギスを擁し、そしてC・イーストウッドが監督に当るという、現ハリウッド最高峰の頭脳が集結して創り上げた本作には、単に日本人が出演していると言うだけでは説明がつかない、伝統的な日本映画の香りがする。これは、代表される2人の知日派により日本あるいは日本映画が研究され、日本人というものを本気で描こうとしている証しであり、今まさにそういう時代に差し掛かってきたのだと感じさせてくれる。企画の貧困によりアジアに目を向け、活路を見出そうとしている多くのハリウッド人とは一線を画するのである。もちろん原作を脚本化する事により、明瞭さを身上とする英語とはまるで違う日本語の微妙なニュアンスが十分に表現できたかは疑問が残るが、しかしその事は些かもこの作品の傷にはなっていないし、むしろ、だからこそ当事者たちの心情が痛いほど良く分り、心にストレートに響くのである。それがアメリカ映画の美点と言うものだろう。また塹壕に向けて火炎放射器で日本兵を焼き殺すという、硫黄島の戦いに於ける象徴的なシーンは、その余りの残虐性から日米双方に配慮し必要最小限に抑えられ、別の視点から戦争の残虐性を訴えたのは賢明な判断だったと思える。本作をさらに魅力的なものにしているのは、事実上の主役と言ってもいい二宮和也を措いて他にない。とりわけ、追いつめられ次々と玉砕していく仲間たちの無残な死に様を目の当たりにした事で、生への執着を見せる行動は、卑怯者としてではなく、人間として生き抜く知恵であり有りのままの素直な感情表現だと言え、この時代に生きた典型的な日本人青年というイメージを打砕く圧倒的な存在感を見せつけて圧巻である。 【ドラえもん】さん [映画館(字幕)] 9点(2007-02-11 17:20:31) (良:1票) |
46.なんというか戦争感の違いでしょうか。 西郷の存在ってなに??栗林が最後に残した手紙の存在無視? 話自体にもまったく何の感慨も無く。気分の悪さが残りました。 これはプライベートライアンと何が違うのか・・・ 【ひで太郎】さん [映画館(字幕)] 4点(2007-02-08 00:17:06) (良:1票) |
45.イーストウッドだけあって、あまり感動的にもせず、ド派手な戦闘シーンばかりにもせず出来事を淡々と写しだしている感じでした。「父親たちの星条旗」の方はまだ観ておらず、硫黄島2部作は2つで1つの作品と思っているので評価はとりえずの点数で。 【アルテマ温泉】さん [映画館(字幕)] 7点(2007-02-02 22:13:31) |
44.知らなかった。どの程度現実に即しているのかわからないが、実際にこのようなことがあの島で起きていたこと。戦争の残虐さ。日本兵の靖国に対する思い。戦争のことを知らない我々の世代にとってこのような映画は貴重である。定期的に観て戦争の悲惨さを常に心に刻んでおかなければならない。 【ぺん】さん [映画館(邦画)] 7点(2007-01-21 03:21:57) |
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43.エンドロールまで息ができないような感覚にとらわれ、胸が苦しくなるような映画でしたが、観てよかったと思います。 |
42.この国の首相が言う「美しい国」。時代に飲み込まれた純粋な登場人物達、ここで描かれた彼らの持つ国への情と平面的に結びつく物ではないことをただただ願う。 |
41.実際はもっと悲惨で地獄だったと思うので少々物足りない感じは受けました。しかし、戦争を知らない僕たち、そして未来の子供たちに是非とも伝えるべき映画だと思います。イーストウッド監督に、万歳!!! 【ケンジ】さん [映画館(字幕)] 7点(2007-01-16 21:31:31) |
【amura】さん [映画館(邦画)] 8点(2007-01-13 18:02:29) |
39.今年一番の映画。イーストウッド監督が醸し出す独特の淡々とした雰囲気がものすごく感動を呼びました。栗林中将を始め日本軍の悲惨な状況は辛かったけど、その一人ひとりの人物がよく描けてました。 【獅子-平常心】さん [映画館(邦画)] 8点(2007-01-11 01:09:54) |
38.日本の戦争映画は概して露骨なほどの反戦映画(製作者の力説が聞こえてきそうなほどの)多いのですが、この映画はそういった主観の押し付けが無くて好ましいと思います。事実をあるがままに伝え、それに対してどう考えるかは観客に任せるものこそが良い映画だと思いました。 【郭嘉】さん [映画館(字幕)] 9点(2007-01-09 15:22:09) (良:1票) |
37.この国を守るために亡くなっていかれた英霊の方々に、ただただ感謝の想いでいっぱいになりました。 でも、なんで米国は、この作品を作ったのだろう・・・ そして、なんで日本は、この作品を作れないのだろう・・・ さて、靖国神社に参拝させて頂くか! 【憲玉】さん [映画館(字幕)] 10点(2007-01-07 00:34:12) |
36.かなりの衝撃を受けました。硫黄島~を見た翌日、まだ上映している映画館を探して、「父親たちの星条旗」も観ました。それから2日後、もう一回この映画を観にいきました。イーストウッドは本当に凄い映画を撮ったと思います。この映画からは反戦的なメッセージよりももっと別の印象を受けました。登場人物の喋り方とかが現代っぽいから、その分感情移入できたと思います。がっちがちに当時のディテールにこだわる必要もないかと。(記録的にはいいけど、若い人見ないでしょ・・。)この映画は戦争を知らない世代に戦争とかそういう事に興味を持つきっかけになると思うので。ニノが演じた西郷なんて、考え方もろうちらと同じ感じじゃないですか。上の人には絶対従わないと思うけど、でも生きて家族の下に帰りたい、死にたくないって。昔の人も、やっぱり同じこと考えてたのかもなぁ・・って。でも今のうちらがあの状況に立っても、潔い覚悟とかって出来ないんだろうなぁ・・とか思いました。平和になったよね。たとえ負けても、彼らに戦ってもらって平和にしてもらったよね。俳優陣もすっごく良かったと思います。謙さんが地盤固めて他の人もみんな演技良くって安心して観てられました。この映画でニノと伊原さんのファンになりました。かっこよかった。更に音楽も良かったんです・・(;→д←)。サントラ買いました。イーストウッドの息子さん作曲(゚Д゚!!凄い親子・・。私の祖母の弟さんはこの島で亡くなりました。なので民間人はこの島にはいけないんですが、祖母と父は自衛隊の飛行機で数回この島に上陸した事があります。父曰く、本当に小さい島らしいんです。でも未だに大砲とか色々戦争の残骸が残っていたらしくて、当時の戦闘の激しさがうかがえたそうです。沢山の人に映画館で観て欲しい映画です。私が2006年に観た映画でベストです。今の日本を、日本のために戦死した人々が見たらどう思うんだろう。なんかもう色々考えされられまくって、この映画に感謝してます。 【ネフェルタリ】さん [映画館(字幕)] 10点(2007-01-06 23:16:04) (良:2票) |
35. 日本人監督ならどこかで妙な泣かせどころを作ったのでしょうが、そういうわざとらしいのはありません。評判どおりいい映画でした。ところで、副官みないな役をやっていた俳優さん、パンフレットを見ても名前がわかりませんでした。誰なのでしょう。結構重要な役なのに、何も名前がないのはちょっと残念。 【海牛大夫】さん [映画館(字幕)] 8点(2007-01-06 15:24:02) |
34.いい映画でした。日本人であればぜひ一度は観ておくべき映画でしょう。昔の日本にはかくも素晴らしき人々が生きていたという事実、戦争とはいかに愚劣で悲惨なものであるか、実に生々しく描かれています。惜しむらくはこういう映画が何で日本で作れないかなぁ・・・ちょっと情けない。日本語主体である為かもしれないが、イーストウッド独特の暗い(?)演出はあまり目立っていなかった。それがあれば更にインパクトの強い映画になっていたのではないだろうか。インパクトが強すぎて受け付けられなくなってしまう可能性もあるか・・・。なんにしても、戦争はやめましょう。 【ふじも】さん [映画館(字幕)] 8点(2007-01-05 12:20:31) |