1. 久々に2度目の鑑賞。
いやはや、このブレーキの壊れた登場人物のハイテンションっぷりでいえば、川島作品の中で一、二を争うのではないか。
誰からも愛されている何でも屋の主人公を軸に指折りの奇人変人たちが、高度経済成長期の日本を投影するかのように「イケイケドンドン」とバイタリティ全開で繰り広げる狂騒曲。そこには同時代の日本人が「戦後民主主義」の旗の下、個人の自由をやりすぎといえるほど謳歌している爽快さが見て取れる。
とりわけ小沢昭一演じる受験生(!)の人を食いまくりながら終始あっけらかんとした図々しさは恐ろしいほど。
とにかく、そうした「戦後」になってこそ放出された人間の欲望のぶつかり合いをテンポの良さで畳みかけるように嫌味なく届けてくれる逸品だ。