12.まったく予備知識ナシで観賞し、もうすっかり参った状態。
なんと独創的で示唆に富んだ作品でしょう。
まず、エイリアンが難民で、それがヨハネスブルグでかつてのアパルトヘイト政策のように隔離されているという状況が斬新。
これまで観たどんなSFとも違う、まったく新しいエイリアンものにグイグイ引き込まれた。
宇宙人像はどこかで見たような、甲殻類そっくりの醜悪なルックスなのだけれど、そのエイリアンに対して人間が行う所業はさらに醜悪、ゲスの極み。
途中から完全にエイリアンに感情移入させてしまうのだからスゴイ。
ものすごくなさそうでありそうな話しではないだろうか。
娯楽映画として十分楽しみながらも、自分だったらこの招かざる客に対してどのような態度で接することができるだろうか?とか、自分がもしエイリアンの立場になったら…、いや、それよりクリストファーは戻ってこられるのかしら?、などと、様々に思いを巡らせてしまった。
文句なしに楽しめて、想像や思考を存分に広げることができる、近年のSF映画では群を抜いて素晴らしい作品。