6.ずっと昔にテレビで観た時に、とても胸が高鳴った。今観ると内容は結構めちゃくちゃだけど、(当時の)この年代の危うさと台風接近の高揚感を見事に描いている。 【noji】さん [地上波(邦画)] 9点(2012-07-01 21:23:11) |
5.まず言いたいのは、相米監督万歳。見終わってメメント・モリという言葉がよぎった。三上君にとっての台風は、あの純粋すぎる魂を前触れなく奪っていってしまう類の死神だったのか。死でさえも消費の対象になっている時代にとっては彼の決意が遠すぎる(世の中に目を向ければ、死を実感してこなかった子供たちがそれを実感できないままに殺人を犯している)。そして居るはずなんだけど見えない家族。家族の不在というか家族を願望の中でいびつに歪めている感じを受ける。この物話は、都会でなくて郊外を舞台にしたのが大きい。性格がすれてないだけに彼らが味わう特別が日常として当然あるような、そういうあやうさが郊外とはとてもマッチする。台風は時には閉塞を生み出し時には開放的な気分にさせる。これって思春期の子供たちそのまま。台風はそれともつまらない大人になる為の通過儀礼だったのか。自分にも中学3年生という時期があったのだと素直に驚く。大切にしたい映画である。 【Qfwfq】さん 9点(2004-08-05 00:26:23) |
4.10代の頃,この映画を初めて観たときは,すごく胸に響きました.思い起こせば,10代から20代前半の頃って,嵐が来ると妙に気持ちが高ぶってワクワクしたものです.桑畑三十郎と化した今となっては,せいぜい大雨災害の心配をする程度ですから,あの高揚感って思春期前後に特有のものだったんでしょうね. |
3.思春期の危うさがよく出ている。途中で女の子を襲っちゃう男の子なんか最高!台風ってわくわくしますが、とても台風感が出ています。好きな作品です。 【ベル&かず】さん 9点(2003-06-01 05:10:44) |
2.故相米監督の最高傑作。台風の接近に伴い、思春期独特の不安感、焦燥感、性的昂揚が爆発する。素晴らしい脚本に恵まれ、相米監督の名はこれ一本で永遠に記憶される事と思う。三上祐一の寂しげな表情が忘れられない。歴代の日本映画でも十指に入る傑作だろう。何故もっと評価されないのか不思議でしょうがない。 |
1.この映画の雰囲気が大好きです。”台風”という巨大な存在が自分たちを襲ってくるにつれ、社会の束縛から自分たちを開放し、乱痴気騒ぎを引き起こす中学生たち。そして、そのみんなの姿を眺めては思案にふけり、”生は死を前提にしているものだ”と、言い放ち窓から飛び降りる一人の男子生徒。青春時代の心の不安定さ、脆さを”台風の到来”という媒介を通して描ききった傑作である。 【まさやん】さん 9点(2001-06-27 12:41:20) |