13.映画終盤、空襲日誌で8月6日へのカウントダウン見せつつ「広島へ帰る」という展開がもう鬼。ただこの展開が演出じゃなくずっと変わらぬ時間の流れの中で展開し、8月6日もクライマックスではなく(ちょっと変わった出来事が起こった)1日の1つとして描かれている。戦局とすずらキャラクターの変化もその日々の積み重ねの上で変わっていく。そこがこの映画の良さである。 【Arufu】さん [インターネット(邦画)] 9点(2019-08-04 00:43:46) |
12.最近も吉村昭の「戦艦武蔵」を読んでたら、この巨大戦艦を建造するという計画が極秘中の極秘なもんで、造船所の方を見てたというだけで一般人が片っ端から連行されてしまった、みたいな話が出てきて、巨大戦艦建造という一大プロジェクトの前には、個々の人間の運命なんて芥子粒みたいなものなんですけれども(そしてその膨大なエネルギーが注がれたプロジェクトの、果敢無い顛末)。 で、本作でもやっぱり、主人公がうっかり港の絵を描いてしまったばかりにどえらく叱られる場面がありますけれども、本作から受ける印象って、真逆なんですよね。戦時下だろうが何だろうが、あくまで市井の人々が中心にいて、その一人であるにすぎない主人公の姿が描かれる。その喜怒哀楽こそが、重大事件な訳で。戦時下には戦時下の暮らしがあって、「たくましく生きている」と単純には言えない、つらさ、恐ろしさとも向き合わなければいけないんだけど、やっぱり生きている以上は、生活していくしかない。そのとめどなく続いていく日常、ってのは、やっぱりこれは「たくましさ」なんだよなあ、と。 でも、かけがえのないものを失う悲しさ。物語の前半に登場する「指さし」の仕草が、印象的で。 【鱗歌】さん [DVD(邦画)] 9点(2019-08-01 22:00:28) |
11.戦争映画はどうしても他人事のように思えて実感が湧かないことが多かったけど、この作品は丁寧に日常生活を描いているので、共感出来る部分が多かったように思う。 悲しい物語ではあるけど、すずさんのほんわかした性格のお陰で、悲しいだけじゃない何かがあるように感じました。 いい作品です。 【もとや】さん [DVD(邦画)] 9点(2018-06-23 16:21:44) |
10.すずさんよ 嗚呼 すずさんよ まる子みたいな すずさんよ 今でもご健在とのことでなにより。 今でもカープの応援でマツダ球場まで通われてるんですってね。きっとあの球場のどこか片隅にいらっしゃるんですね。 【3737】さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2018-03-31 20:33:26) |
9.後半からの展開が本当に心揺さぶされる。本当は残酷で悲しい話だけれど暗くはならない、させない、そして涙と笑いも両方自然と出てくるすごい映画だった。さすが高評価だけあった。 前半やや退屈気味だったし、のんの声も微妙に合わなかった印象だったけど、それもすっ飛んだ。邦画でこれはヤバいと感じたレベルの作品 【ラスウェル】さん [DVD(邦画)] 9点(2018-01-25 13:20:50) |
8.とにかく、”のん”こと能年玲奈の声が素晴らしい。とても重要な要素だ。 わたしの母は広島の女学校出で、すずさんと同年代である。足が悪く映画館に連れていけないが、DVDになったら早く見せてあげたい。 そのあとにコメント付け加えようと思う。 【爆裂ダンゴ虫】さん [映画館(邦画)] 9点(2017-05-29 23:39:16) (良:1票) |
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7.映画が小説や漫画、音楽と決定的に異なる点は一人では作れないことだ。そのことによって映画はとかくツギハギのように一貫性のない作品になりやすい。そのような作品はハリボテのように中身がない。見る人が見ればまがいものであることがわかってしまう。特に原作があったり、脚本と監督が異なる映画ではしばしばこれが起こる。 しかしこの映画はどうだろう。ストーリー、アニメーション、音楽、さらには声優の演技までが何か共通した意識、意図を持っているかのようにまとまっていて、一つの美しい世界観を創り上げている。 特に素晴らしかったのはキャラクターの愛しらしい表情や仕草だ。柔らかく自然でまるでかわいい草食動物でも見ているようだった。やはりアニメは良い作画があってこそだと改めて思った。 そしてもう一つ言わねばならないのが主人公すずの声優である。あれをどう説明したらいいのだろう?もう声優なんてものは存在していなくて、すずそのものがただそこにいる、そんな感じだった。あとで一体この声優は誰なんだと調べてみたら「のん」という聞きなれない名前があって、どこぞの新人さんかと思いきや、それが能年玲奈だとわかって衝撃を受けた。いろいろと問題の多い彼女だが、その原因はその人並み外れた感受性の強さが原因なのかもしれない。いずれにせよこの素晴らしい力があるなら彼女がエンターテイメントの世界から消えることはないだろう。彼女を必要とする人はこれからもきっといるはずだ。 穏やかでのんびりと、ときに和気藹々と、みんなで力を合わせて辛いことを乗り越えて、それでも悲しいことは起こる。それでも前を向いて歩いていく。世界の残酷さと人の強さを正面から描いた素晴らしい映画だった。 【ばかぽん】さん [DVD(邦画)] 9点(2017-04-02 12:53:38) |
6.公開から約3ヶ月遅れで地元の映画館でも上映された。 前半は「昭和嫁入り物語」みたいな感じで気楽に観られるのだが、戦争・原爆を意識せざるをえないため、 どうしても緊張するよね。 矛盾してるけど、笑いながらも悲しいみたいなのがずっと続く感じ。 後半になって戦火が激しくなっても淡々と日常が描かれる。 観て良かったなあと思えるし、延々と反芻できる映画です。 【おとばん】さん [映画館(邦画)] 9点(2017-02-06 22:38:38) |
5.家族みんなで観れる良作です。戦争映画にありがちなバッドエンドでないのがいいです。 死んだ私の曾祖母などの話では、現実的には『火垂るの墓』とか『キャタピーラー』、『はだしのゲン』が近いのでしょうが。 すずさんは右手を失ったとはいえ、家族が比較的みんないい人でほのぼのして、こんなんで戦時中をよく生きていたなと思います。 まあ、戦争映画にありがちなドロドロ感、グロテスクさ、救いようのなさがあまりないのはこの作品の特徴です。 前向きで元気にになれる最近では珍しい作品です。 【SHOGO】さん [映画館(邦画)] 9点(2017-01-22 15:48:11) |
4.すずさんに流れる時間が本当に心地よいし、掛け替えのない登場人物たちの魅力に尽きます。昔の人は本当にあんな暮らしをしていたのだろうなぁと今までにないリアリティを持って思いを馳せてしまいました。人間なんてきっと、全ては振り返れば、の範疇で生きているのかも知れませんね。当事者は今が酷い戦争の只中なんだ、バブルなんだ、不況なんだと気付かずに今をひたすら一所懸命に生きているのでしょう。 一般に言われる「泣ける映画」ではありません。テンポが良過ぎて泣く暇がありませんでした。でも素晴らしい作品ですよ、本当に。鑑賞後、戦艦武蔵のドキュメンタリーが放送されていたので見入ってしまいましたが今までに無い程胸が痛みました。 【Kの紅茶】さん [映画館(邦画)] 9点(2017-01-15 00:10:49) |
3.キネマ旬報で第一位となったらしい。興行成績でいえばあちらのアニメやこちらの怪獣映画の足元にもおよばない(注:2017年1月現在)この映画に。やるね、キネ旬も。 【la_spagna】さん [映画館(邦画)] 9点(2017-01-14 12:32:28) (良:1票) |
2.高評価なので期待値も高かったけど、それ以上の出来映え。幸福とか満足といった感情は自分の置かれた立場と周囲の人との相対的な部分による所が大きいように思うけど、平和と豊かさが当たり前の価値観では悲惨でしかない世界も、居場所さえ確保できれば人間は優しく逞しく生きていけるのだと思わせてくれる。涙を堪えきれないシーンが二度ほどありましたが、当時の人々の気持ちが分かったような気にさせてくれる、嘘っぽくないとても心に響く映画でした。→19.8.6二回目鑑賞 【ProPace】さん [映画館(邦画)] 9点(2017-01-08 17:04:07) (良:1票) |
1.素晴らしい。傑作。作品についてはもうこれ以上何も語る必要がないが、能年玲奈ことのんについて。声が完璧に合っている。しゃべれない、演技もアドリブもからっきしなんで今後を危うんでいたが、この作品は奇跡的なまでのハマリ役だった。是非これをきっかけに再起して欲しい。 【ぴのづか】さん [映画館(邦画)] 9点(2016-11-26 17:31:57) |