16.小心者なもので、怖そうな映画だと決めて見るのを避けていました。しかし、なぜかドラマのファーゴシリーズを先に踏破してしまったのでこちらに出戻りました!(怖いもの見たさからだったのかも)映画公開後現地に宝探しをしに行ってなくなった日本人女性がいたのではということもあり冒頭の「事実に基づく」という記述はやはり重かったです。内容は雪だるま式にいろんなことが重なっていくのでいつでもあの要素が書けるとうまくいかないのでしょうね、脚本はさすがです。淡々と捜査する身重な署長、流れる静かで不気味な音楽、癖になりそうです。 【HRM36】さん [インターネット(字幕)] 9点(2018-09-06 11:12:29) |
15.猟奇的なシーンでも他のシーンと同列にストレートに描くのはコーエン兄弟の特徴である。個人的に暴力シーンや猟奇的なシーンと言えばスコセッシを思い起こすが、BGMやカメラワークなどを駆使して猟奇的シーンの「グロさ」を消しエンターテイメントに昇華するスコセッシに対し、コーエン兄弟は実にストレートに描く。この「装飾性のなさ」の使い方こそコーエン兄弟の映画が最も優れている点で、一つ間違うと深みが無く単調な映画と取られるのだが、あまりにもシュールで非現実的なストーリーを装飾無く淡々と描くことで逆に日常性を与えられリアリティを帯びてくるものとしている。そして馬鹿げたストーリーがリアリティを帯びてくることによって実に馬鹿げた猟奇的犯罪も「人間の行動」としてシュールなブラックユーモアに昇華されてしまうのだ。猟奇的犯罪のサスペンス映画がどこかコメディ染みているのはそこだろう。脚本の素晴らしさ、役者の演技の素晴らしさも加えて傑作。 【Arufu】さん [DVD(字幕)] 9点(2009-12-10 17:41:59) |
14.真っ白な平原の中に広がる真っ赤な鮮血。このコントラストがあまりにも印象的。また、100分足らずという比較的短い上映時間で見る者を飽きさせず、作品にのめり込ませる手腕はさすがコーエン兄弟。コーエン作品のマイベストです。 【黒めがね】さん [DVD(字幕)] 9点(2009-02-14 15:20:59) |
13.ちょっと小金を手に入れようと企んだ小悪党が、不幸な偶然から泥沼にはまり込んで行くストーリーは比較的ありがちで語り尽くされて来たテーマと言えるが、天性の悪党顔でどこまでも情けなく突っ走り抜いたスティーブ・ブシェミのカール役はこれまでのダメ男達の中でも一見に値する存在と言えるのではないか。犯罪者の生い立ちや背景まで持ち出して役柄に奥行きを持たせる方向へ逃げず、あくまでも事件の中で見せる表情ひとつで人間性まで浮かび上がらせてしまったブシェミの力量には頭の下がるものがある。金持ちの舅と嫁、女房殺し(ここでは誘拐だが)で遺産を手にしようとする夫というこれまた描き尽くされたキャラクターを泣きの演技で引っ張り続けたウィリアム・H・メイシーの底力も見事。ここに登場するのが妊娠8ヶ月、ベタベタのサウス・ダコタ訛りで「ヤー、ヤー」を連発する中年の婦人警官フランシス・マクドーマンドで話が一挙に新しくなった。こういうドス黒くも高尚な笑いはコーエン兄弟の得意とするところだが、笑いのツボを観客の選択に委ねたところにこの映画の評価の高さが納得できる。名声に頼らない実力ある演技者たちの個性のせめぎ合いが、一歩間違えば実録犯罪シリーズ的なチープな内容を独特のテンションにまで押し上げている。日ごろ抑えた脇役に回ることの多い役者たちの技量が冴え渡る佳作。もちろんコーエン兄弟のこだわりの演出も忘れてはならないところだが。唯一マイク・ヤナギタの登場が余計に思えたので減点、これさえなければ完璧だったのに。 【anemone】さん 9点(2003-12-31 12:22:16) (良:2票) |
12.ブシェミが粉々に~!!あのシーンは衝撃でした。なんとも言えないキャラのオンパレードで、あの田舎町の雪の世界に妙にマッチして、とても楽しめた映画でしたね。婦人警官の旦那、良い味だしてます。 【カズレー】さん 9点(2003-11-11 18:05:16) |
11.片田舎の真っ白な雪景色が徐々に真っ赤に染まっていく。飛び出した足、平然としている犯人、このワンシーンの強烈ですさまじい恐怖。これを出すためだけの単調な間合い、シンプルな物語、間抜けな登場人物達ではなかろうか。 【亜流派 十五郎】さん 9点(2003-08-17 12:59:37) |
10.20世紀アメリカ文学は「犯罪」を抜きにしては語れません。例えばW.フォークナーの『八月の光』では、陰惨な事件が題材として扱われてますが、素朴な妊婦の話が交互に描かれることで、生と死、光と陰の対比が浮き彫りにされます。さてやはり「犯罪」が頻繁に登場するコーエン兄弟の映画ですが、特に本作、壮絶な現実の事件の顛末を描いて、どうして何とか止められなかったのかと嫌な気分になります。でもその一方で、シラジラしい程幻想的な光景や、妊婦役のF.マクドーマンドのユーモアと生命感が、この映画の独特のバランスを支えていて、印象深い作品になってます。 【鱗歌】さん 9点(2003-07-12 23:14:43) |
9.グロで残酷なのに見終わった後に暖かい気分になる映画なんて滅多にない。傑作だと思う。 【omut】さん 9点(2003-06-03 04:06:27) |
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8.監督や脚本家が違えば、まったく別モノの“ハリウッド映画”が出来上がってたと思う。大量殺人事件の実話だが、バイオレンスやサスペンスの映画では無く、女署長のラストシーンの台詞に象徴されるヒューマンドラマに仕上げているところがワシ的◎。ただ、首謀者である車屋の優柔不断さにはイライラしました。 【小僧】さん 9点(2003-03-23 08:30:28) |
7.コーエン作品の中では一番好きです。小さいことが大事に・・・の展開、登場人物達のキャラクター・会話の間、絶妙です。何があっても朝飯は食え!! 【クロマス】さん 9点(2003-01-16 23:16:26) |
6.テレビのちっこい画面で観たことが悔やまれるほどの、圧倒的な映像美。特にオープニングとか、ウィリアム・H・メイシーが雪の中車に向かって歩いていく俯瞰のシーンは、大画面で観たかった~。映画にはよく「実話に基づいた」というのがあるけど、私にとってそれはどうでもいいことで、要は面白いか否か、これに尽きるわけです。実話より面白いフィクションだってたくさんあるし、逆もまた然りなわけで。どうせ、脚色されてるんだし(笑)。で、結論を言いますと、これは最高に面白い!「変な顔」ブシェーミの最期があまりにもむごくて、同情と笑いを禁じ得ません。ほかの役者陣もお見事! 【愚物】さん 9点(2002-11-18 04:56:32) |
5.身重の刑事の妻とハゲ頭の芸術家の旦那の淡々とした生活の中で起きる残酷な事件がなんともリズミカルでよい。2人の間でどんな不幸な事件が起きようと2人の幸せは日常的で誰にも壊されない。その相反するモノが常に同時進行しているセンスのいい映画と思います。 【koko】さん 9点(2002-06-17 02:19:04) |
【sugar】さん 9点(2002-05-03 07:41:22) |
3.登場人物に美男美女を配役せず、あえてヘンな顔を並べたところがより現実味を醸し出していていいですなぁ。映画は観終わった後のスタッフロールでどこまで浸れるかというのがその価値だと思っているので、思いっきり浸れたこの作品には9点献上! |
2.クルマのドアを開けているときの警告音がとても印象に残りました ブシェミを改めて知ることができてとってもよい映画でした 【らこ助】さん 9点(2001-05-03 00:15:51) |
1.映像美に酔いしれました。かっこいい人も、綺麗な人も出てこない。だから現実感があり、笑いがあり、悲しさがある。コーエン作品ではやっぱり最高でしょう!! 【あまぬま】さん 9点(2000-05-22 19:32:26) |