3.これはいい話なのか?
よく考えてみたら、かなり下世話な話なんだけど、終盤を迎えて僕の瞳はうるうるしてましたよ。
薬師丸ひろ子の迫力に押し切られるようにして、なんだか意味不明に感動してしまいました。
それにも増して凄かったのが三田佳子で、この人がつまんないスキャンダルで活躍の場を奪われているとしたら、日本映画界の重大な損失だと思いました。
劇中劇という2重構造だけじゃなくて、舞台と現実がリンクするという2重構造にもなってたりして、かなりWの要素を意識した作品なので、2大女優の激突というWを成立させる為に3番手女優として高木美保をキャスティングするという周到さにも感心しました。
高木美保が上手かったらTの悲劇になってしまいますもんね。
主人公の名字が三田というのも、もちろんWを狙った小細工なんでしょうけど、三田佳子が本当に記者会見の場で涙を流すことになるなんて、そんなとこまで徹底してWの悲劇にしてしまう女優魂に感服します。
観客に道徳を教える為に女優をやってたわけじゃないんですよね。
私生活と女優業にどんな関係があるんでしょう。
私生活が綺麗じゃなきゃ女優をやる資格は無いって言うことなんでしょうかね。
Wの悲劇ですね。