24.《 誰も知らない 》 とは言えど、、、 そんなことはないのにという事実が悲しい。 うちらは観てる ずっと観てる 少なくとも自分は片時だって目を離すことなくずっと観ていたんだから あの子らの一つ一つの動きを その行動を。 でも観てるだけ 何も出来ない せめて生き延びてください 食い繋いでってください 悲しい結末だけにはならないでください そう願いながらじっと観てるだけ そして2時間半という一方的に決められた予定通りの時間を迎え、うちらはもう この子らとはお別れをしなければならないんですよね エンドロール迎えてしまった瞬間がまた辛い。 【3737】さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2011-08-06 23:30:38) (良:1票) |
23.現代の日本をとてもよく描き出している映画だと思います。 もちろんごく限られた一部分を、ですが。 淡々とした、清涼だといってもいいほどの雰囲気や、 まったく日常のテンションでおこなう、リアルな演技など、 傑作だと思います。 【チビすけ】さん [DVD(邦画)] 9点(2007-12-10 22:15:00) |
22.とても悲しい物語。誰かを一方的に断罪するような過剰な説明を排除し、映像の積み重ねと登場人物達(子供達)の実際の成長・変化と役柄上の成長・変化を重ね合わせるというドキュメンタリー的な手法で確実に観る者の心に何かを与えてくれる。何かというのは人それぞれであり、映画とはそういうものだと思う。言葉で伝えられるような一言ではなく、観た者の心に残り続け、ことあるごとにそれを思い出し、人生を変える一つの要素になってくれるような映画。成長の早い子供達を描いているという点でこの作品は製作者の当初の狙い以上のデキになっている筈で、そういう意味で言えば、この作品は映画の神が降りた作品の一つ。子供虐待映画というジャンルがもしもあるとすれば、この作品はこれからずっと比較対象となって思い出される映画だと思う。 【Sean】さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2007-09-14 19:01:19) |
21.事実をありのままに伝えるのがニュースの役割であり、事実を大げさに伝えるのがワイドショーの役割だと思います。 では映画の役割とは何でしょうか? 実際の長男の明は、かなり残酷な人間であったようですが、それをあえて善人に仕上げたことを、私は評価します。 現実には、非情な親が存在して、その親の子供たちは、同じく悪の道に進むか、それともトラウマを抱えて自殺するケースが多いのは事実です。 映画の役割とは、このような不幸な人々を、物語のなかで救うことだと思うのですね。 私はニュースには真実を求め、映画という物語には希望を求めたいのです。 監督が、この映画を作るきっかけとなったのは、救いがたい事実をニュースのように、ありのままに伝えるためではなく、不幸な人間たちを物語の中で再生させることだったのだと思いたいです。 つまり、監督はこう考えたのではないでしょうか? 実際の事件では、子供たちが悲惨な生活をしていることは、誰も知らなかったが、物語の中では、実は多くの人たちが知っていたことにしよう。それはあのコンビニの店員であったり、母親の昔の夫だったり、いじめを受けていた女の子たちです。 自分を守ることで精一杯である彼らは、明らかに社会的な弱者だと思います。そういう彼らが、戸惑いながらも、子供たちに救いの手を差し出します。 こういうのを、「捨てる神あれば、拾う神あり」というのかもしれません。 社会の底辺で必死に生きている弱者の温かいつながりが感じられました。 「誰も知らない」というタイトルには、誰もが知っていたという逆説的な意味が含まれていたのではないでしょうか。 監督が作りたかった映画は、厳しい現実の姿ではなく、絶望の中のひとすじの再生の物語だったと信じています。 【花守湖】さん [DVD(字幕)] 9点(2005-12-08 19:10:17) (良:5票) |
20.時の流れがとても印象的な作品!マニキュアのこぼし跡、部屋の汚れ具合、髪の伸び方、明の変化・・・・他にも色々とあるけど、この時の流れがある種のやるせなさを一回りも二回りも大きくさせてくれた。子育てにかかわらず、本当に無責任な大人が多い近頃。どうしたらよいか、問題はまだまだ続いて行っているんだという終わり方のようにも感じ、考えさせられますね。押し付けがましくもなく、物足りなくもない。人に何かを伝えるってのはこうやるんだな、としみじみ。うまい。本当にうまい。 【とむ】さん [DVD(字幕)] 9点(2005-12-04 18:35:22) |
19.これだよ、これ! まさに時代を映す鏡の様な作品ですよ。 実話を題材にしててもちっとも違和感がない。 見てて悲惨云々より終始頷きっ放しでしたね。 実際に街の借家住まいなんてこんなもんです。 隣りに住んでる人とは挨拶を交わす程度しか会話がないし 下手をすると一度も顔を見ないまま年を越したりとか 正直どんな人が住んでるのかさえ判らない始末。 ホント世の中荒んでますなぁ・・・というのが私の感じた所。 実はこの観客一人々々の様々な捉え方を逆手に取った 問題提起の作品というのが本作品の真の狙いなのだと思いますな。 メッセージ・社会性等とは掛け離れた所に 本作のテーマが存在してるのだと思います。 目を背けてはいけません。これが現実なのだから。 |
18.とても考えさせられる物語でした。 子供達の痩せ細り荒んでいく姿は、作られた物語なのか?、実はドキュメンタリーではないのか?と思えるくらいリアルです。 誰を憎み、誰を哀れんでいいのかさえ分からなくなってしまうほど、私の心情は混乱しました。子供を持つ親だからでしょうか?それとも親をもつ子供だからでしょうか?複雑な感情が湧き出て、何故かずっとドキドキが止みませんでした。 その後どうなってしまうのか気になって、この日はなかなか眠れませんでした。 【smiLey'70】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2005-08-06 00:21:29) |
17.重いです。とりあえず、これから親になる人には観てもらいたい作品です。4人の子役に各2点、監督に1点 |
16.やられた。自然光や日常会話的な台詞まわしなどの手法が、『ワンダフル・ライフ』のようなファンタジーにはハマっていたけど、この映画のストーリーにはちょっとリアルすぎて前半辛かった。けれども、後半は一気に印象が変わった。これは、単なる子どもを題材にした感傷的な話ではなかった。あの子どもたちの生活のように、この大人の世界の論理の隙間に「子どもの世界」が存在しているということが普遍性を帯びて見えてくる。自分の子ども時代の、些細な喜びとか、残酷さとかの「感覚」を久々に思い出した。それを可能にさせた是枝監督の演出も子どもたちの演技もすごい。前半は、ちょっと「あざといかな」と思った演出も、後半には見事なまでに映画の世界と一体化していた。これはたぶん、演出というよりは、子役たちのリアルな成長なんだろうなあ。あと、YOUのキャスティングもすばらしい。 【ころりさん】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2005-05-16 01:44:01) (良:1票) |
15.断罪がない。そしてきっと、狭義においては功罪すらもない。それでいいと思った。充分だった。私が12歳の頃、世界には紗が掛かっていた。それこそまるで是枝監督の映像そのもののように。世界に、大人らに、日々不安感や失望感を覚えつつ、同時にそれらに対しての根拠のない柔らかな希望と嘱望があった。世界はいつも、柔らかな美しい皮膜を通して見えていた。いつの間にか映画館に、12歳の自分がいた。ある意味においては大人になった今の私よりも大人だったあの頃の自分が。世界の誤謬に対し、無意識的に断罪を忌避していた私が。そして、大人である監督は、この物語において、“確信的に”断罪を忌避した。その姿勢に賛同した。柳楽君の目に射抜かれた。何を思うかなんて、各々が考えればいい。それでいいじゃないか。「生きているのは大人だけですか」稀に見る秀逸なコピーだと思った。 【ひのと】さん [映画館(字幕)] 9点(2005-04-09 21:22:28) (良:1票) |
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14.見終わって、何とも表現が難しい後味でした。 感動するではなく、色々な事を考えさせられるというか・・・ 時間がたっても音楽や映像が頭に残りました。 特に明がゆきを連れて、帰ってこない母親を駅まで迎えに行って、戻ってくる際に「キュッ、キュッ」というゆきの靴の音が物悲しく響くシーンが印象に残りました。 2回目に見たら1回目と違いストーリーが分かっている分、悲しくなり、涙が溢れてきました。 人それぞれ、何かを考えさせられる映画だと思います。 【ジム】さん [映画館(字幕)] 9点(2005-03-13 10:28:40) |
13.実話と言うこともあり、この物語から伝わってくるものは凄いものでした。もちろん、映画ということで実際の事件とは違う部分もあるんだろうけど。けれど、映画全体の静けさとYOUが演じる母親の明るさのギャップが凄い怖さを出していたような印象を受けました。とにかく、この作品は怖く、見終わってからもなかなか頭から離れませんでした。そして、子供達の力強さ、もろさ、そして、周りの大人たちの無力さなどがとてもよく表現されていたと思います。どう感じるかは自由だと思いますが、是非、現代に生きる色々な方に見てもらいたい作品だと思います。 【シュシュ】さん 9点(2005-01-10 02:22:26) |
12.実在の事件の「真実」が我々にとって意味するものとはなんでしょうか?。裁判の判決理由の事実認定さえも一義的には「真実」を明らかにしません。また、事件に利害関係のない私など大多数の人間は恣意的に、いいかげんに、無責任に事件を解釈評価します。つまり、乱暴を承知で言えば、こういう新聞に載った事件なんてのは「真実」など人の数だけあり、なおかつ所詮他人事なのです。誰もがあの兄弟たちのアパートの他の住人と同じです。この映画のヒューマニズムも傍観者は加害者というような説教的な意味では所詮無責任だと思うのです。極端な例えですが、我々があの子供たちを見る目とアフリカの餓死する子供たちを見る目はどう違うのでしょう?。本作には当事者を傷つけるという問題もあります。人物を美化したこの映画でさえも実在の当事者に対する私刑のような面を持つことは否定できないでしょう。罪を犯せば法や社会の公正なルールに則って罰せられるべきなのは当然ですが、あの母親も我々他人の無責任な正義感や義憤によって被害を受ける理由はないでしょう。この映画だって無責任な傍観者なのです。しかし、にもかかわらずこの映画のヒューマニズムにはワイドショー的義憤とは全く違う特別な何か、心に訴えかけるものを感じます。私は映画に引き込まれ、痛みを感じ、感動する他ありませんでした。本作は事件の裏に優しく居心地の良い美しい世界を見出しました。限りなく無条件に互いが信頼し愛し合う共同体はまるで一個の人格のように外部がズカズカ入り込むことで傷つき、外部を自ら拒絶します。あまりに危うく脆く痛々しいユートピア。見たことのない美しく同時に醜い不自然に閉塞した世界。無慈悲な仕打ちによって突き落とされたひどい生活の中にしかこんな世界は現れないという皮肉な逆説でしょうか?。事件について私はほとんど知りませんし、私のこの文章も無知のまま匿名で書く全く無責任なものです。私は他人事として、映画として、あの不思議な世界に感動するのみです。 【しったか偽善者】さん 9点(2004-12-15 00:02:40) (良:3票) |
11.かんじんの事件の部分がすっぱり抜けてるんで「この事件を忘れないでほしくて」という事を言っているらしいと見る前に聞いていたので、そういう目的ならむしろ舞台を変えてでも「その部分」を語るべきでは、特にこの主犯の少年は今は私と同じ30歳ちょっとらしい、同じ時代に机を並べていたかもしれないのに全く事件を知らなかったということもあって最初はそう思ったのだけど、「xxに捧げる」の一言で済ましてるものも多い中、むしろそんな一言もいらないくらいの作品。廃棄分の弁当を分け続ける店員、話を聞いても「そうなんだ・・」で終わってしまった店員、「俺ちゃんと避妊したから父親じゃないよ」は笑うとこじゃないような気が。きっと言い訳逃れな大人の象徴。大家に友達にそしてあの少女に。何か事件が起こるたんびにこう思うはずだ。隣人や近しい人たちのインタビューや話を聞いて、この人たちはなんで何も出来なかったんだろう、なにか気づいたはずだろう、どうしてこうなるまで・・ この周りを取り囲む人々に絶対自分はならないと言い切れるだろうか。私にも自信がないからこそ、「兄弟で一緒に暮らしたいから」と語る長男に惑わされちゃいけないと思った。それが彼らのためだと思いたい。なんてこと言うんだと思われても・・ 知っていても何もしなければ「誰も知らない」「何もしてない」のだと一緒。この問いかけに、時間を忘れた2時間ちょっとでした。 |
10.すごく良かった。これが率直な感想です。映画のテンポがたまらなく好き。ゆっり時間が流れているようだけど、実際には子供たちの体力はどんどん消耗されていき、精神的にも限界に近づいていると気づかせる、その映画全体の月日の流れの伝え方がとてつもなく上手いなと思いました。小道具も上手い。例えばマニキュア。お母さんがいなくなってから床にこぼれて固まったマニキュアを指でなぞる京子のシーンとか脱帽です。こんな風に名シーンを挙げていたらキリがないのですが、とにかく本当に良いんですよ!柳楽くんの演技は素直で好感が持てます。お母さん役のYOUさんもハマってるし、キャストもほとんど文句なし。そして私がもうひとつ気に入っているのは音楽。主題歌の『宝石』はあのコンビニのお姉さん役を演じたタテタカコさんが歌われているようなのですが、本当に切ない曲で最後の電車に揺られる2人のシーンのバックで流れている時とか私は泣きまくりでした。本当にこの映画にピッタリな美しい曲だと思います。もうこの映画を見てから3ヶ月近く経つのに、すべてが鮮明に蘇ってきます。本当にまた素晴らしい邦画に出会いました。 【未歩】さん 9点(2004-12-01 22:05:12) |
9.★実際にあった事件を元に作られた映画であるが、酷い部分は違う展開に置き換えられているし、いつか訪れるはずの結末も見せないで、綺麗な映画に仕上がっている。(心が痛くなるお話であるが、実際の巣鴨子供置き去り事件はもっと悲惨) ★脚本も良いし、子供達の演技も自然で素晴らしい。しかも全員平成生まれだよ、コンチクショウ。(若さへの僻みです。気にしないで下さい) 【flyhigh】さん 9点(2004-11-30 17:08:24) |
8.子供たちはこのあとどうなったのでしょうか?それは・・・誰も知らない。 【アスモデウス】さん 9点(2004-09-22 00:06:44) (良:1票) |
7.願った。コドモたちが幸せになることをひたすら願った。自分の無知、甘さが身に染みた。 【ダージン】さん 9点(2004-09-19 02:05:09) |
6.目が覚めれば親が居て、食事が用意されている。そしてごく自然に学校へ行く。漠然とした日常の暮らしの中で、それらの事があって“あたりまえ”だと思っていた。だって、朝起きると親が居なくて、ご飯がなくて学校も行けないなんて、今の僕には想像もできない。これらの事がどれだけ幸せで、恵まれた事か、僕は知らず知らずの間に忘れていたのかもしれない。きっと日本に住むたくさんの子供達には、この映画の主人公達の想いは想像も出来ないだろうし、忘れてしまっていると思う。絶対に忘れては行けない事を忘れてしまっている。 この映画は胸が張り裂けそうなほど辛く悲しい。子供達が笑っている時でさえも・・・でもそこから学び、知るものがたくさんあった。それが“あたりまえ”の大切さ。今の僕にはもう、漠然とした毎日の“あたりまえ”が“あたりまえ”だなんて思えなくなった。そう、この映画に出会えたお蔭で。。。 素晴らしい映画には、いつも隠れたメッセージがある。でもメッセージがいつも、観た人全てに伝わるとは限らないし、届くメッセージも一人一人少しずつ違う。それが感想であり、意見でもある。僕に届いたメッセージは「“あたりまえ”を大切にする」という事だった。この「“あたりまえ”を大切にする」というメッセージは、できるだけ沢山の子供達に観て欲しい。言葉で言っても伝わらない事が、この映画には込められてる。だから観て欲しい。そして知って欲しい。たくさんの人々に。 【ボビー】さん 9点(2004-09-02 23:31:36) (良:2票) |
5.話自体はホントに救いようのない話。私自身、つらい話の映画は嫌い。けど、なぜかこの映画には惹かれるものがあって、見に行った。はじめは、ホントにつらくて「なんで見に来たのだろう」と後悔したけど、映画の中にドップリつかってしまっていたのは事実。最終的に見終わった後の気持ちは「穏やかな幸福感」と「どうしようもないやりきれなさ」が入り混じった感じ。凄く傷付いているのに、何故か幸せ。不謹慎かもしれないけれど、私はこの映画に暖かさとか日常の何気ない事の幸福感を感じてしまった。精一杯生きている彼らの強い目、笑顔、そこには悲しみだけじゃなくて強さみたいなのを感じたから。「誰も知らない」子供達だけの時間を少しだけ共有できたみたいな。私って、ひねくれてるのかなぁ。。。(^^; 【コウ】さん 9点(2004-08-26 02:15:19) |