6.序盤から漠然と芽生えるイヤな予感がそのまま的中してしまう、哀しくて鬱な映画だった。しかしこの映画の背景にあるのは、現実の辛さから逃れるためにアルコールに逃げる横暴な中年男と、夫を亡くした寂しさからそのチンピラにひっかかり、依存するダメ未亡人。自分が生きるため、親のために我慢せざるを得ない不幸な優しい子供。現在の日本でも続出している児童虐待のメカニズムが鋭くえぐり出されている。カールの行動は純粋すぎるがゆえの極端なものではあるけれど、「ダメなやつは絶対に変わらない」という厳しい見方の現れであり、かなりの確率で正しいと思った。置かれた立場に合わせて器用に人格を変えられる人間などこの世に存在しないのだから。 【ラーション】さん 10点(2004-06-14 13:26:46) |
5.非常に温かく、あまりに辛らつなドラマ性を見せつけ、ビリー・ボブ・ソーントンという優れた映画人を自ら誕生させた今作の価値は計り知れない。今やハリウッドきってのカメレオン俳優となったビリー・ボブの俳優としての独創性と映画作家としての実力を語るうえで今作を外すことはできない。スリング・ブレイド、文字通り、鋭い刃が胸に突き刺さる。 【鉄腕麗人】さん [映画館(字幕)] 10点(2003-11-05 16:30:44) |
4.ビリー・ボブ・ソーントンの名と才能を知らしめた秀逸作。演技、脚本、映像美すべてが群を抜いている。現実の温かさと冷酷さを絶妙に混ぜ合わせ切ないラストへと昇華させる脚本は特に素晴らしい。監督・脚本・主演をこなしこの映画を完成させたソーントンは更に素晴らしい。 【スマイル・ペコ】さん 10点(2003-05-28 13:19:59) |
3.私は考えながら映画を観ません。それでも考えてしまうとしたらそれは考える余地が残っている映画であると解釈します。ただその物語の雰囲気に没入しながら一人の傍観者と化します。今そのような見方をしているのはこの映画のせいです。人生観変わりました。 【ふがじ】さん 10点(2002-12-11 09:26:24) |
【さくら】さん 10点(2000-12-29 18:11:24) |
【りえ】さん 10点(2000-05-09 16:50:45) |