1.前作終了直後から続編の企画は存在していたものの、権利関係のトラブルが原因で製作が遅れに遅れ、8年寝かせてようやく実現した『処刑人』の続編。前作については、素材は良いものの味付けがイマイチと感じていたので、続編の本作では前作の問題点をどう解決するのかに注目していたのですが、残念ながら出来は前作よりも落ちています。前作にはまだ見所があったものの、本作はまったく面白くありませんでした。。。
兄弟の母国アイルランドからはじまる冒頭の時点で、早くもカックンでした。前作のクライマックスで「この街の悪は俺たちが処刑する!」と高らかに宣言したにも関わらず、実は逮捕を逃れるためにそそくさと街を放れ、海外で隠居していたとは。その後、いろいろあって兄弟は古巣ボストンへと舞い戻る決意を固めるのですが、そこは彼らに復讐しようと罠を張るマフィアと、逮捕への執念を燃やす警察が待ち受ける危険な都市!、、、かと思いきや、兄弟は行く先々で協力者に恵まれて、ほとんど苦労しません。警察は彼らを追いかける気がないし、マフィアも兄弟に先手をとられっぱなしという体たらく。これでは盛り上がりようがありません。おまけに、アクションにも面白みがありません。兄弟はロクな作戦もなしに「えいや!」と敵の拠点に乗り込み、ジャンジャン撃ちまくるうちに勝利。こんなにもバカバカしい見せ場が何度も何度も繰り返されるので、イヤになってしまいます。。。
さらには、キャラクターの動かし方もいただけません。今回初登場となるメキシコ人は、その登場場面で並外れた敏捷さと腕っ節の強さを披露し、後の見せ場でこの特技を活かした大立ち回りをやってくれるのだろうと期待させるのですが、そんな期待とは裏腹に、本編では彼の見せ場がまったくないという不可解な構成となっています。敵のヒットマンも、登場場面こそかっこいいものの本編では取るに足らない小物であり、アクションに華を添える悪役にはなりえていません。兄弟の歴史と父親の歴史もうまく交錯していないし、すべての陰謀の黒幕となる人物の投入タイミングもマズイため、構成上のサプライズがうまく機能していません。。。
ラストではさらなる続編を匂わせますが、本作がこのクォリティでは第3弾には期待できません。