2.メグ・ライアンの「ロマンティック・コメディの女王」という座はもはや過去のものになってしまった。彼女は早急に、女優としての新しい方向性を模索すべきだろう。彼女は決して悪い女優じゃない。好感の持てる女優だ。しかし、これまで幾度かイメージチェンジを試みてきたが(男が女を愛する時、戦火の勇気、恋の闇愛の光、プルーフ・オブ・ライフ等)いずれも成功はしていないように思う。キュートでセンスもあるが、それだけで幅のある女優ではないのだ。この作品に期待してみたものの、見事に裏切られた。この映画での彼女演じるケイトは、魅力的でも何でもない。キャラクターに何の説得力も無い。これは脚本の想像力の無さ、オリジナリティの無さ、テンポの悪さなどが原因だろうが、それにしても、この手の映画は過去にいくつも作られてきた。この映画の唯一の救いは、タイムスリップしてきた英国貴族レオポルドを演じた、ハンサムでロマンティックなヒュー・ジャックマンの存在。優雅であり、品もあり、クウィーンズ・イングリッシュもそつなくこなしている。あれほど白馬が似合う男が一体どこにいるだろう。白馬の王子様、そのものである。彼がいなければ、この映画は散々なものになっていただろう。ということで、3点。これはひとえに、彼の魅力に対してのみの点数。オチも強引すぎる。かなり痛い映画だ。