1.セリフで怪獣名「アンギラス」が出てくるたびに、一緒に見ていた子供が「え?ハンギョラス?」。子供に見せる順番間違えました、先に『デスカッパ』なんか見せるんじゃなかった。さて本作、“ゴジラシリーズ”第2作であると同時に、“ゴジラ怪獣対決シリーズ”第1作とも言うべき作品な訳ですが、もうすでに亜流感がバリバリに感じられちゃう。まあ「次はぜひ大阪で」というこの単純発想、コバンザメ商法みたいな所が、大阪らしいと言えば大阪らしい、ついでに言うと映画一本、大阪でもたせられずに、早々に舞台が他へ移ってしまう(しかも宴会シーンにとって代わられてしまう)のが、もういかにも大阪のダメダメなところを見せられるような気が、私のような大阪出身者には感じられて仕方がないのです。いや大阪はそれでいいんですけどね、それが持ち味ですから。本作にもそのダメダメオーラが伝染ってしまってるのが、問題な訳ですね。いやもちろん、特撮は前作に劣らず素晴らしいです。御堂筋線淀屋橋駅の破壊シーンとか(ただし地上には大阪城以外にこれといったターゲットが無くって、84年単品ゴジラの後に怪獣対決復帰した『ゴジラvsビオランテ』でOBPが狙われたあの頃ぐらいまでは、大阪にはあまり高い建物が無かったのです。大阪駅前のマルビルも今では目立たなくなりました)。それはともかく特撮は良いのですが、それでも全体的には即席映画の印象がしてしまうのは、中身の乏しさ、緊張感の無さ。怪獣同士が人類などそっちのけで闘争を繰り広げ、街は無力にも破壊されていく、ってのはいいんだけど、パニック描写が形だけで全く気合いが感じられず、怪獣どもに蹂躙される悲劇がまるで無い。いや、「復興」の部分を作品で描いているユニークさは本来なら評価されて良いところかも知れないけれど、これじゃ、台風一過の晴天下に近所に散らかったゴミを片付けているかのようなレベルではないですか。いくら大阪人でもそこまで楽天的な訳では。あと、妙に高速の怪獣対決シーン。変と言えば変ですが、後のシリーズでも(特にこのあと2作くらいかな?)こういう要素は引き継がれてる部分がありましたよね。でもやっぱり、パペットマペットのコントでウシ君とカエル君がじゃれあってるみたいな感じがするのですが。