2.アンチテーゼとしての心意気は応援したいところですが、映画として見ると稚拙、テレビの2時間ドラマでできる内容。 「プライベート・ライアン」と同じく冒頭の上陸シーンで観客を引き込みたかったのでしょうが、規模は1/1000くらいショボい。まぁこれは資金の問題で仕方のないことですが、全体的な映像の重みのなさに、テレビドラマかと錯覚してしまう。 ストーリーも、2千名ほどの日本軍とインドネシアの若者たちが、どのような作戦で、どのルートを通って、どのように蘭軍を追い詰めていったのか─という史料的な部分にも期待していたのですが、お涙頂戴的演出に終始し、ただ兵隊が「ワーッ!」と声あげて突入していく場面ばかり。 戦死していく軍人の描き方も雑で、何人かは死ぬ間際に見せ場があるのですが、その前の段階でどのような素性の人間かロクに触れてないため、この人だれ?という場面もしばしば。 戦車に対して爆弾抱えて自爆する直前、矢吹ジョーよろしく膝たてて歌なんか歌っちゃったり、ラストのミュージカルのような演出にいたっては完全に引きました。「悪いことばかり言われてるけど、こんな事もあったんだよ」と主張したいなら、それなりの重厚感と説得力が必要でしょう。