1.人間ドラマはチープ以外なことこの上ない。あれだけCMで「超大型台風首都圏上陸!」と煽っておいて、結局描いているのはこじんまりとした主人公集団だけというのは勿体ない。しかもレスキュー隊は個人的な感情に流されやすいし、理屈や整合性が説明できない部分も多い。更にそこに拍車をかけるようにわざとらしいストップモーションがイライラさせる。反面、冒頭のディザスターシーンはなかなか良かったとは思う。話題になったフジテレビの崩壊シーンはそれなりに見応えがあったし、地下鉄構内に濁流がなだれ込むシーンは「地震列島」を思い出させてくれて懐かしかったし、邦画にしては珍しく死体がプカプカ浮いてたりと生々しい描写も災害映画にしてはよくやったと思う。でも、評価できるのはそこだけ。もう少し脚本を練り込んでくれないと感動もへったくれもないです。