9.ヤングマガジンで連載中の原作は、単行本を買おうとは決して思わないけど、主人公の本質的な愚かさと、絶体絶命のギリギリの状況で発揮される“博才”の顛末がどうしても気になり、毎週立ち読みしてしまう漫画だ。
この映画も原作同様、決して劇場で観ようとは思わなかったし、DVDをレンタルするのもはばかれていた時に、ちょうどテレビ放映してくれたので、珍しく民放放送を録画して観た。
原作は、“賭け事”に挑む主人公らの数分間、数秒間の心理の様を何週にも渡ってクドすぎる程に延々と描く展開が「味」でもある。
映画化においては、もちろんそんなペースで描くわけにはいかないので、それぞれのゲームの展開をコンパクトに連ねたことは、致し方ないことだったと思う。
ただやはり、それによって原作の「味」が薄れてしまったことは否めず、そもそも映像化自体が難しい原作だったということを感じた。
原作自体、漫画作品として極めて”ジャンク”な作品なので、この映画作品も当然雑多な感じがする。
原作のストーリー展開に固執せずに、コンテンツの一部分を抜き出して映画として深めてみせた方が、面白かったかもしれない。
ただし、藤原竜也をはじめとしたキャスト陣は、原作漫画でも見られる大袈裟な台詞回しを、舞台調の仰々しいパフォーマンスをもって好演していたと思う。
まあ“立ち読み”感覚で適当に観れば、楽しめなくはない映画だと思う