2.全編通して退屈の一言につきる。見ていてあくびが止まらなかった。もともと白雪姫は大して筋のない話である。それを二時間半までの物語に引っ張るのは少々無理があったように思う。要はお話が冗長でどうでもいい無意味なシーンが多すぎるのだ。
メルヘンなイメージの強い白雪姫の物語を陰惨で泥臭い感じにしたのは面白い。原作にある七人の小人も、魔法の鏡も、毒リンゴもちゃんと出てきて、それぞれが既存のイメージと違う映像化がなされていて楽しめる。
しかし、お話の筋としてはどうか。これも元々の白雪姫のストーリーがさして面白い筋書きではないせいか、お話としての面白さはいまいち。結局のところ「悪い王女を倒す」という単なる勧善懲悪な物語で終わっている。かといって悪い奴をたおしてスカッと爽快というわけでもないので、勧善懲悪ものとしても楽しめる作品ではない。話の筋にもアラが目立つ。王子様の位置付けのあの男も、人物の背景描写が少なすぎて、なぜ白雪姫にそこまで心を奪われたのか釈然としない。先述したように無駄にダラダラとしたシーンを入れるくらいなら、王女、小人たち、王女の弟、といった登場人物の過去や背景などをもっときっちり描いて、話に深みをもたせ、登場人物に感情移入できる作りにしてはよかったのではないか。
白雪姫をこんな風にアレンジしましたよ、という部分は楽しめるが、それ以外は見るべきところはあまりない平凡な作品。