2. 第二次世界大戦中、イギリスを率いてドイツ軍と戦った典型的な“有事の宰相” チャーチルの物語。平時に向かないことは終戦後の総選挙で敗れたことが示している。人間的に好かれないことが大きな要因かなと感じる「人間チャーチル」演出は好意的に評価したい。
気になるのはジョージ6世の描き方。「英国王のスピーチ」ではドイツに対し毅然と対決の演説だったが、本作では途中で思いを変えたか初めは融和的な姿勢にみえる。どっちが本当?
地下鉄に初めて乗り、一度庶民から意見を聞いただけで戦争への決断を下すのは安易な演出で都合がよすぎる。また、ナチスとの対峙においてアメリカの存在が重要なはず。ルーズベルトとの電話1本で終わりじゃ物足りない。もっと貴重なエピソードが盛り込まれてもよかったのでは?