1.登場人物の描き方が少々浅いような気もするが、密室パニックとしては中々面白いとは思う。ただし、乗組員が皆善人過ぎるのでもうちょっとクセがあったり内部でのイザコザがあってもよかったように思う。また、相対的にみれば単純に「カルビン」が悪であり、人間が善であるという事ではない点にも留意が必要である。科学者のチャレンジ精神は往々にしてリスクテイクとなる。元はと言えば、生物学者が相手を「刺激」した事が発端であり、さらに遡れば、「採取」という名の「収奪」が原因である。逆に考えれば、宇宙人生物学者が人間を採取して電気ショックを与えるのと同じである。このような科学(者)の暴走がどういう結果を招くのかは311で明らかとなっているし、科学による環境破壊によって早くて100年後には人類が地球には住めなくなるという危機も迫っている。よって、科学の活用の是非については全世界的な議論が必要である。宇宙開発は人間が地球上で生きられなくなった場合に備えて行っているらしい。その前に地球上で生きられるようにするためにはどうすればよいのかと考えるべきだと思う。