3.相変わらず容赦ない“悪趣味”と“死亡フラグ”の連発。大ヒットした前作は、個人的にその悪ノリぶりに若干ついていけなかったけれど、今回は「免疫」があった分楽しめたとは思う。
特に序盤から惜しみなく繰り広げられるギミックのエンターテイメント力が素晴らしい。往年の「007」のテイストも存分に引き継いだクラシカルかつハイテクて漫画的なギミックの数々が、文句なしに楽しい。
だがしかし、これでもかと終始盛りだくさんのギミックアクションには大満足な反面、ストーリーテリングは前作同様に雑で稚拙だった。もちろんその独特なチープさは、マシュー・ボーンの趣向通りなのだろうけれど、このクセの強さは合わない人間にとっては雑味として残り続けてしまし、楽しみ切ることができなかったことは否めない。
最凶最悪な大悪女ぶりを披露したジュリアン・ムーアをはじめ、錚々たるアカデミー俳優たちの揃い踏みは、当然ながら豪華で、それだけで娯楽性は高い。
ただやはり、それぞれのキャラクターの描き出し方についても“ハズし”のクセが一々強くて、居心地が悪い。
まあともあれ、ランスロットちゃんの死亡がフェイクであることを願いつつ、続編にも期待はする。