2.およそ何の自慢にもならんのだけど私もまあ、ドンピシャの世代なもんで、こういうハズかしいモノを映画の中にテンコ盛りして有難がってるというのも、正直ハズかしいというか、くすぐったいものがあるんですけどね。たださすがに、将来、自分の息子と一緒に映画を観て「バカルー・バンザイって誰?」などと訊かれる日が来るとは、当時は夢にも思わなんだ。
それはともかく。本作、あれやこれやと目を楽しませてはくれるんですけどね。ただ、そればかりに終始した感も。冴えないモヤモヤとした現実があって、その中にキラキラした仮想現実の世界があって、という劇中劇のような構成。仮想現実の部分は、あえてどこか現実っぽくない描写がなされてる。そしてその仮想現実の中に、アーカイブ化された「過去の現実」が挿入される、という入れ子の構成になってて。
それが、もうひとつ機能していない印象。まあ、これは作中に登場する「あるトリック」にも関係するところなので、機能させえなかった、という仕方ない部分もあるのかも知れないけれど。それにしても、これだけエキセントリックな設定のオハナシなのに、物語が硬直化してしまってる。
最後、ワラワラと人が集まってくるあたり、こういうのは何となくスピルバーグの好みかな、とも思えるのですが、集まる人数も知れていて、迫力がない。誇張がない。妙に、おとなしいんです。
どうも、「キャラ満載」にした時点で燃え尽きちゃった感じがして。いろいろ登場させてくれて、いろいろ見せてくれて、どうもありがとう、ではあるのですが(空中ダンスは見もの!)、それだけでは、ねえ。
ウチの小学生の息子は、デロリアンと金田君のバイクが一緒に走ってて、メカゴジラとガンダムが戦って、というだけで充分満足らしいけど・・・。