2.当時の特撮怪獣モノって独特のレトロ感があって好きです。この作品も例にもれずですが、それって特撮であることとかミニチュアの町の再現から成るものじゃなくて、きっと怪獣が出てこない部分で描かれる風景や家屋のセットからくるような気がします。そういう意味でもこの作品は炭坑の現場、工場、事務所、集合家屋、そしてその住民たちの独特の生々しさに溢れていて、ラドンそのものよりも強烈に印象に残っています。かといって、ラドンがダメってことじゃなく、むしろ幼少の頃からゴジラやガメラよりも、ただ飛ぶという行為だけでとてつもない破壊力を見せつけるラドンが好きでした。はっきりと見えるピアノ線は電線がひっかかってるんですよ、きっと。学者や警察を交えた会議はシリアスなくせして怪獣の存在にあまり驚かずに淡々と進むのは怪獣映画全盛期ゆえでしょうか。それはそうとラドンって、プテラノドンだったんですね。