13.美男美女による悲恋物語。
ルッキズム批判の現在のハリウッドでは作れない映画でしょう。
「哀愁」という日本語タイトルは、いささか微妙だと思います。
映画の前半部分は戦時の暗い世相ということはありますが希望の感じられる雰囲気で語られます。
時々コミカルな描写も挟まれるくらい。
だからこのタイトルはやや結末のネタバレという気がします。
まあこの映画が輸入された頃は 漢字2文字タイトルが流行りだったようなので、漢字熟語のリストから順番につけられていったのかも。
もしかすると他の映画が「哀愁」になってるってこともあったかもしれません。
お話は第一次世界大戦が舞台ですが、動員が格段に増えた第二次世界大戦以後同様の話が何本も作られています。
「シェルブールの雨傘」からロックオペラ「トミー」まで。
日本映画にも何度もリブートされています。
緩やかな反戦映画と言えるかもしれません。
「蛍の光」を三拍子に編曲したテーマ曲は、サウンドトラック盤が手に入らなかったため古関裕而氏が耳コピして楽譜にしたものが販売されたそうです。
今でもデパートなどの閉店時にこの「別れのワルツ」が流されるごとに小関氏側に著作権使用料が支払われているとかいないとか。
うまいことやったなあ。
そうそう通天閣で有名なビリケンさんもこの映画がもとですよ。