1.話自体はシンプルな心理物ですが移り変わる美しい風景が一種ロードムービー的な効果をあげていて飽きさせません。あの高地までカメラを持っていくのは随分苦労したと思われます。山の素晴らしさと怖さをしっかり感じることができたので優れた山岳映画と言えるのではないでしょうか。途中で人称が変わる点もこのミステリーに於いては良い効果を上げているように思います。開始1時間のあたりに編集上のミスがあります。連続したシーンなのにカットが変わったところで雲が派手に移動してしまっているのです。しかしCG全盛の今の目で見るとそれがかえって生々しいロケ感を表現していて好ましいことのように思えました。