2.若い頃の小林旭はマジでカッコいいですねえ。鋭い眼光、眉間のシワ。え、それは天知茂も共通でしょ、だって? いや、そうなんですけど、やはりアキラは別格。クールさの極致。ある時期以降の小林旭とは到底、同一人物と思えないのですが、その「ある時期」がいつだったのかが、これまたよくわからない。
アキラが若ければ、浅丘ルリ子も若い、南田洋子まで若い! なんとペギー葉山まで若いぞ! と言いたいところだが彼女だけあまり若く見えないのはどういう訳か。スミマセン。
それはともかく、小林旭演じる主人公が出所するところから物語は始まります。菅原文太が出所する場面は何度も何度も見た気がしますが、これは日活作品。
この主人公が高知に帰るものの、前科者ゆえ、なかなか社会復帰できない。というより、前科を利用したイヤガラセを受け、真っ当の人生を送ると誓った彼の心もつい、折れそうになる。高知を後にして再び東京に舞い戻った彼。しかし、かつての仲間からの誘惑は続き、彼のフィアンセ奪おうとする内田良平一味も彼をつけ狙い続ける。
殴り合い、取っ組み合いのアクションも見どころですが、なんと言ってもダイスの勝負が圧巻。代役を用いず、アキラ自身が見事なダイス捌きを披露して、『スティング』におけるポール・ニューマンのカード捌きにも全く引けを取りません。この見事なダイス捌きがあってこそ、勝負の場面でも緊張感が高まるというもの。
カリスマ性を感じさせるに充分な小林旭の存在感が、光ってます。