15.「ゼロの焦点」以来の松本清張の、今は栄華の人の悲惨な過去をめぐって起こってしまう殺人事件もの。もちろん刑事(探偵役)がそれを探っていくうちにそれが浮き彫りになっていくという松本清張ならずとものお決まりミステリーの定番展開。それも結構強引な展開。正直、昭和の時代にライ病の父が息子とお遍路さんの格好で放浪の乞食旅に出るって、時代錯誤で済まされぬ大ファンタジーすぎゃあしませんかね???(←ここ受容できるか否かはこの映画の是非の分かれ目だと思う)元田舎の駐在さんが伊勢参りの際に偶然、映画館でそのかつて育てようとまでしたその乞食の子の成長した姿を見て、その子だと気づくのも出来杉クン。しかもその子、名前変えてるのにやでー。「宿命」って曲も芸術というより、それこそまんま映画音楽みたいだし、鑑賞者に自動良心的解釈装置でも頭についてないと受け入れがたい。「砂の器」ってタイトルもよく分からない。大体松本清張はタイトルのセンスあまり良くないと思うけど、この映画の内容ならタイトルは「宿命」でいいんんじゃないの。もっとも本当にこの映画で描いているのが「宿命」だったのかどうかは知らんけど、「宿命」って言葉にこの作品のテーマを託しているのは確かなんだから。でもこのオオゲサな音楽がお涙頂戴の力技になっているのは確かで、単純に感動するミステリー映画が見たいって人にはお勧めできるかも。 【シン】さん [DVD(邦画)] 7点(2016-10-05 21:00:51) |
14.面白いんだけど、やっぱりテレビの2時間ドラマみたい。 |
13.古き良き時代の田園風景を巡るロードムービーと言ったらいいのだろうか、失われつつある日本の原風景がとても美しい。それを見るだけでも本作を観る価値があるだろう。 前半部分はサスペンスタッチではあるが、あまりサスペンスらしさが感じられない。 後半部分で印象的なのは、ピアノ協奏曲『宿命』に載せて、作曲者兼指揮者の和具の回想シーンだ。原作の小説では、絶対にできない演出だろう。この点では原作に勝っていると言える。 最近、千葉県知事に就任した森田健作(吉村刑事役)の若い頃を見ることができて、ある意味貴重か? 【あきぴー@武蔵国】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-06-14 21:51:59) |
12.『飢餓海峡』にも通じる一大戦後叙事詩といったところでしょうか。サスペンスという観点から見れば、犯人をたどっていく推理の部分が丁寧でよくできていた分、個人的には『飢餓海峡』よりこちらに軍配。なかでも演奏会と真相解明のそれぞれのシーンが同時進行していくラストの怒濤の展開には圧倒されました。回想シーンが若干くどい気もしますが、特に大きな減点要因にはならず、結果この点数。 【とかげ12号】さん [DVD(邦画)] 7点(2008-03-15 20:27:31) |
11.良作ですねぇ~。もうたくさんの方々が素晴らしいコメントをなさってるんで、何も書く事がありません、、。こういう重みのある、それでいてエンターテイメント性に富んだ邦画は今はないですね、実際問題。 【あろえりーな】さん [ビデオ(吹替)] 7点(2005-11-12 02:02:23) |
10.先にリメイク版を観たので和賀英良が隅に追いやられている印象が強く悲壮感が薄らいでしまった。ドラマ版では和賀英良を主人公とする視点から、殺人描写や心の葛藤が主観的に描かれていて、暗い宿命を引きずる姿が、クライマックスでその壮絶な生い立ちと重なる。しかし、オリジナル版では今西警部が主人公として話がすすんでいて、ピアニスト和賀があまりに客観的に描かれすぎているため、過去の影と重ねがたい。DVD5本は長すぎだが、1本では短すぎて描ききれないテーマじゃないかな。 【かささぎ】さん 7点(2004-11-29 00:02:04) |
【k】さん 7点(2004-07-12 00:03:26) |
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8.テレビドラマをみて、原作を読んで、本作を観ました。ドラマも映画も原作とは異なっているんだけれど、それぞれに良さがあるのではと思う。まずドラマは、ハンセン病を取り上げなかったことと、現代という時代に直していることで原作のようなリアルさが欠けていた。が、期間が長かったため和賀の心情や捜査の困難さをよく描いていたと思う。それと逆なのが本作で、ドラマよりもあっけなく解決してしまった感は否めない。だが、千代吉の愛情や病気による差別など、かなり原作に忠実に出来ていたと思う。原作ともども長く語り継がれていく作品ではないだろうか。 【ひなた】さん 7点(2004-06-22 23:03:24) |
7.最後の演奏が終わった後に主人公和賀英良が得た心情はいったい何だったろうか。自分の宿命に対する恨めしさか、悔しさか、恩人である元巡査を殺してしまった後悔か、それとも自分の想いを音楽によりまっとうした達成感か…。おそらくは、それ以上に様々な想いがラストの演奏中に渦巻いていたのだろう。そして、最終的に彼の脳裏を支配したものは、やはり唯一無二の存在である父親の姿であったに違いない。その想いの性質は陽であり陰である。しかし、丹波哲郎の台詞にあるように「音楽の中でしか父親に会えない」彼にとって、その瞬間はきっと幸福だったのだと思う。最近放映されたテレビドラマは観ていないが、主演アイドルのチープな演技、そして物語の核であるハンセン氏病をとりあげなかったことで、絶対的な失敗は容易に想像できる。 【鉄腕麗人】さん [DVD(字幕)] 7点(2004-05-09 11:36:08) |
6.後半の演出が凄かった。ちょっと泣きそうになった。これは名画ですよ |
5.邦画の中ではよく出来たほうだと思います。 なにげに豪華キャストだし。音楽は。。。うーん。 【ぷー太。】さん 7点(2004-04-02 18:03:23) |
4.豪華なキャスティングです。渥美清と笠智衆が出てるとは思ってもいませんでした。何と言っても丹波哲郎の演技が実に上手い。目の力が鋭く、深みとキレがあります。会話の途中に「ふぅん」と言ってしまうのが丹波哲郎の癖なのかもしれないけれど、それが演技と重なると、見ていて妙に心地良いんです。原作と脚本と俳優が良かったです。「宿命」という曲だけでは、和賀英良の心の葛藤が分かりませんでした。かといって今TVでやっている中居“コントにしか見えない演技”正弘の和賀英良よりは100倍はマシですが。殺人の動機はいまいちに感じてしまったけれど、事件を判明するまでの、丹波哲郎の足を使った捜査に引き込まれてしまいました。和製の犯罪映画としてはかなりの良作だと思います。 【VNTS】さん 7点(2004-02-25 04:15:04) |
3.終演にむけて緻密に糸を織りなしていくような映画でした。スケールの大きな映画です。好き嫌いのあまりない映画だと思います。 【omut】さん 7点(2003-09-02 00:44:37) |
2.親に薦められて見たけど、良かった。名作!!なんかリメイクされるらしいけど、日本も最近はネタ切れなのか? |
1.多少ネタばれになります。美しい映像と役者の演技は素晴らしかった。ただ、たとえ知られたくない自分の秘密を知るものが居るとして、脅迫された訳でもなく、無害な人間を簡単に殺せるだろうか?映画としての構成は良くできているが、推理物としてはどうだろう。皆さんほどの評価はできない。 【しんえもん】さん 7点(2002-04-06 11:01:58) |