12.加山雄三が主演した若大将シリーズに、「ハワイの若大将」というそれはそれはツマラナイ作品がありますけれども、劇中で若大将がワイハーの海でサーフィンに颯爽と乗ってみせるシーンがあり、こういうのを見ると、「いやーさすが若大将、さすが加山雄三」とか思っちゃう。「颯爽と」とは言っても何となく変なので、実は撮影上のトリックがありそうな気もしてくるのですが、いや、トリックがあるのならもうちょっと上手く乗って見せるのではないか、と。
で、それに負けじ、などと考えた筈もないのだけど、こちらの作品では我らがスネーク様もサーフィンを派手に乗りこなし、やっぱりさすがはスネーク様だなあ、と。でもこちらは明らかに特撮ですね。若大将の方がスゴイじゃないの。でもそこがスネーク様らしいところ。
ジョン・カーペンターというヒトは、毎回、見事にバラバラの題材で作品を作り、しかしその割にはさほどバラバラな感じがしないのですが、この作品に関しては、自身で続編を撮っているばかりか、内容もほぼ前作と同じ。
今回は小悪党のスティーヴ・ブシェミが脇を固めつつ、やはり前作のように、「そう来たか」という、クセのある大御所が名を連ねる。ピーター・フォンダ、それから、ロバート・キャラダイン・・・えっ「ロバート」? こういう映画なら「デヴィッド」ではないのか?
それはともかく、前作に引き続いて、混沌の世界、無法地帯。「カーペンターらしさ」というのがどういうものなのか、何せ作品がバラバラなのでよくわからんが、「らしさ」があるとしたら多分こういう感じのモノなんじゃなかろうか。それを誰も止める人がいないと、こうなってしまう、という例。苦笑を浮かべながら、劇画世界を楽しむべし。