15.岩井俊二監督、いつの間にこんなまともな作品を撮るようになったのか。
結構、ストレートな青春モノで驚いた。
岩井監督の十八番、ゲテモノ的な物や登場人物がほとんど登場しない。
そういう意味で新鮮味があった。
蒼井優のバレエシーンに固唾をのんだ。
美しい。
最後の脚を上げるシーンは、彼女本人か、それとも代役が演じたのか。
遠目でよく分からず。
それにしても、鈴木杏の魅力の無さ加減にはびっくり。
役柄のせいもあるが、あれはキツい。
主演の俳優も全く男としての魅力がなく、中心に据えるには無理があった。
蒼井優と言えば『フラガール』だが、あの感動のフラダンスの下敷きになったのが、もしや本作のバレエシーンなのでは??
だとすれば、岩井監督は先見の目がある。
本作には、そこかしこにユーモアが散りばめられている。
これが微妙な笑いを誘い、岩井監督のユーモアセンスの高さを伺わせる。
この絶妙なるさじ加減のユーモア演出に反応できないと、本作を楽しむのは難しいのではないだろうか。
単なる女のコが楽しむ映画と簡単には片付けられないクオリティを感じた。
岩井監督は元々そんなに好きな監督ではなかったが、本作でかなりイメージが良くなった。
おまけだが、広末涼子。
カッチリきめた彼女のスーツ姿が観られたのは嬉しかった。