1.ノーラ・エフロンのクソ真面目なつまんなさが逆に妙なズレ方で却って面白くなってしまったという不思議な映画。ジョン・トラボルタの俗っぽい高級感と、ティム・ロスの存在感、リサ・クドローのバカっぷりが異様な相乗効果を出してました。話は不幸の泥沼系ですが、この微妙なまとまりのなさとあまりにも丁寧すぎるギャグのギャップにすんなり乗れればイケてる作品だと思います。わたしはこの手の哀しい小悪党モノは大好きですし、全体に腹黒いストーリーとおバカなキャラクターたちにはかなりの愛おしさを感じました。狙ったのか単に本当にダサいのかよくわからない中途半端に古いBGMとか、基本的にノーラ・エフロンって異常にセンス悪いと思うんですけど偶然にしろよくハマッていたので彼女の仕事としてはこれは傑作のうちに入れてあげたいと思います。明らかに人気低迷し始めたところのビル・プルマンの使われ方はちょっと気の毒な気がしました。一発芸だけ披露しに出て来るマイケル・ムーア、たぶん友情出演なんだろうけどこの人俳優だけやってた方がいいですね。キャスティング一発の映画ですがトラボルタってやっぱりいい雰囲気を作る個性だと思いますし、どう考えてもB級止まりの作品をここまで見せるのは大したものだと思います。エプロン姿のティム・ロス最高。