3.何とこの映画のDVDが中古、1000円で発売されていたので何の迷いもなく買ってきた。前にCSとBSとで放送したはずのを録画し損ね、見れなかっただけに1000円なら絶対に買いである。何しろ森繁久彌と高峰秀子の共演なんて、なかなかない。少なくとも私の知る限りでは唯一の共演映画だと思う。そんな二人の名優の名演技がこのドラマを完成度の高いものにしている。相変わらず何をしていても面白い森繁久彌、高峰秀子は秀子で森繁久彌の芝居に対して受けて立つ。二人の演技、凌ぎ合いだけでも見ていて面白い。この面白いとはゲラゲラ声に出して笑うとか、手に汗握る面白さとは違う。人間の心理的なもの、人間って生きものの一面を見せてくれている面白さ、ただ笑い、スリリングな展開だけが映画の面白さではないということを森繁久彌と高峰秀子の二人を見ていると思わずにはいられなくなる。豊田四郎監督に森繁久彌、そして、高峰秀子、原作は同じ高峰秀子が出ている「華岡青洲の妻」と同じ有吉佐和子に高峰秀子の夫で映画監督でもある松山善三だ!つまらないはずがない。期待通りに見応え十分の映画になっていて、買って良かった。他にもこの映画、昔の日本映画好きな私としてはそれ以外のキャストなどを見るとそれだけでも楽しめた。色んな意味での楽しみ方が映画にはある。成瀬作品的な感じに木下作品的な感じもするし、そういう意味でも満足である。